勝敗とは、早さと速さが別つのだ!
ウルダハの兵(つわもの)たちよ、底力を見せてみよ!
この程度では、魔法障壁は破られはせん!
ブラッドソーン隊?
どうした、応答しろ!?
ええい!!
こちらブルホーン、ラウバーンだ!
無事か!?
ジャキス、クロビソア、返事をしろッ!
くそぉぉぉ!!
なんだというのだ、これはッ!
……何ッ?
リンクシェルが使えないだぁ?
バカやろう!!
足で回って伝えるんだよッ!
行けッ!
ウルダハのために活躍しておるそうだな。
吾輩は、ラウバーン・アルディン。
ナナモ女王陛下の元で、
ウルダハの政(まつりごと)を担う者だ。
貴様のような有能な冒険者が
我が国を訪れたことは僥倖(ぎょうこう)につきる。
女王陛下の仰せだ。
ぜひとも晩餐会に出席してほしい。
では、待っておるぞ。
これからもウルダハに力を貸してくれたまえ。
貴様に、クリスタルの導きがあらんことを。
ナナモ様。
我々王党派と、商人たちを中心とした
共和派が対立していてな。
国内は難民だの、蛮族、蛮神と、
問題が山積みにも関わらず、
内部闘争でゴタゴタしている状態だ。
ナナモ様も健気にされているが、
周りがこうでは、心休まれる日もあるまい……。
国の平定に確たる意志で臨むため、
より強い王室を作っていかねばならん。
この度の件、ウルダハを代表して礼を言う。
感謝しておるぞ。
……我々には貴様のような冒険者の力が必要だな。
もしや、光のクリスタルか……!?
貴様、以前に、母なるクリスタル……。
マザークリスタルに導かれたことが、あるのではないか?
そう、エーテル酔いに似た感覚を体験したことはないか?
蛮神と戦った者たちがいた。
その者たちは、
エオルゼア諸国が「グランドカンパニー」を設立すると、
その一員となり「ガレマール帝国」とも戦った。
世界を救うため、「エオルゼア同盟軍」の一員として、
5年前の「カルテノーの戦い」にも参加していた。
しかし、カルテノーを最後に、
その英雄たちは姿を消したのだ……。
残された人々は、英雄が自分たちのために、
命を賭して戦ったことを覚えている。
……確かに彼らはそこに居たのだ。
しかし、その名を口に出そうとすると、
日に焼けた書物を読み上げることができぬよう
声に出すことができず……。
その顔を思い出そうとすると、閃光の中にあるように、
輪郭が影に包まれてしまう。
この不可思議な現象から、
人々は英雄たちのことを「光の戦士たち」と
呼ぶようになった。
光の意思に導かれた貴様を見ていると
かつての英雄の話を思い出す。
マザークリスタル……ハイデリンが、
貴様にそれを持たせた意味……それが解るまではな。
貴様は一介の冒険者で終わらず、
いずれは、世界をも左右する存在になるかもしれぬ。
なぜなら……。
貴様は「超える力」を持っているのだから。
勝敗とは、早さと速さが別つのだ!
ウルダハの兵(つわもの)たちよ、底力を見せてみよ!
この程度では、魔法障壁は破られはせん!
ブラッドソーン隊?
どうした、応答しろ!?
ええい!!
こちらブルホーン、ラウバーンだ!
無事か!?
ジャキス、クロビソア、返事をしろッ!
くそぉぉぉ!!
なんだというのだ、これはッ!
……何ッ?
リンクシェルが使えないだぁ?
バカやろう!!
足で回って伝えるんだよッ!
行けッ!
具合はもういいようだな。
実は……。
冒険者の貴様に、頼みがある。
この仕事を託せるのは、貴様しかいないのだ……。
勝敗とは、早さと速さが別つのだ!
ウルダハの兵(つわもの)たちよ、底力を見せてみよ!
この程度では、魔法障壁は破られはせん!
ブラッドソーン隊?
どうした、応答しろ!?
ええい!!
こちらブルホーン、ラウバーンだ!
無事か!?
ジャキス、クロビソア、返事をしろッ!
くそぉぉぉ!!
なんだというのだ、これはッ!
……何ッ?
リンクシェルが使えないだぁ?
バカやろう!!
足で回って伝えるんだよッ!
行けッ!
????
実力のある者であれば、出自に囚われずに使う。
メルウィブも、実利というものが解っておるな。
「不滅隊」の最高司令官、ラウバーン・アルディンだ。
さて、用件を聞かせてもらおうか。
貴様、このエオルゼアとガレマール帝国の状況を
理解しているか?
彼女も相変わらずだな。
……そうか、わかった。
貴様も、そのガレマール帝国について、
知っておいたほうがよいだろう。
この北方の大帝国も、つい50年前までは、
北州の辺境国のひとつに過ぎなかったのだ。
しかし「魔導技術」によって北州を統一すると、
今度はエオルゼアへの侵略戦争を仕掛けてきた。
ガレマール帝国は、現皇帝が一代で築き上げた国だが、
その皇帝も齢80歳を超え、
帝国内は今、跡継ぎ問題で揺れている。
天与の資質を持つ主導者だ。
跡継ぎに失敗すれば、国が滅ぶ可能性すらある。
先の戦い以降、帝国の動きが鈍いのはそれが理由だ。
まだ帝国第XIV軍団が残っている。
軍団長、ガイウス・ヴァン・バエサル。
その存在は確かに脅威ではあるが……。
ウルダハを始めとするエオルゼア諸国は、
霊災からの復興で手一杯。
帝国との戦いは後回しにしたいってのが本音だ。
それにエオルゼアの脅威は帝国だけではない。
各国ともに、蛮族、蛮神問題を抱えている。
ある意味で、帝国と同じかもしれんな……。
エオルゼア諸国は目下、管轄の蛮神対策を優先している。
外へ目を向ける余裕が無い。
奴の放っていた草が刈られたと言うことか……。
帝国に近く動きがあるやもしれぬ。
ガレマール帝国……帝国第XIV軍団が動けば、
蛮神優先とも言っていられなくなるか。
メルウィブの言うとおりかもしれん。
3国による追悼式典を催し、
今一度、あの戦いを振り返るのもいいだろう。
皆で一丸となるためにもな。
あとで吾輩からしておこう。
リムサ・ロミンサには、こちらから報告しておく。
ご苦労だったな、冒険者。
実力のある者であれば、出自に囚われずに使う。
カヌ・エも、実利というものが解っておるな。
吾輩が「砂の都ウルダハ」のグランドカンパニー、
「不滅隊」の最高司令官、ラウバーン・アルディンだ。
さて、用件を聞かせてもらおうか。
……例の、戦没者追悼式典の内容か。
貴様、このエオルゼアとガレマール帝国の状況を
理解しているか?
ほう、メルウィブに聞いたか。
彼女も相変わらずだな。
メルウィブに「よろしく」伝えろと言われたのだな?
……そうか、わかった。
貴様も、そのガレマール帝国について、
知っておいたほうがよいだろう。
ガレマール帝国……。
この北方の大帝国も、つい50年前までは、
北州の辺境国のひとつに過ぎなかったのだ。
しかし「魔導技術」によって北州を統一すると、
今度はエオルゼアへの侵略戦争を仕掛けてきた。
ガレマール帝国は、現皇帝が一代で築き上げた国だが、
その皇帝も齢80歳を超え、
帝国内は今、跡継ぎ問題で揺れている。
天与の資質を持つ主導者だ。
跡継ぎに失敗すれば、国が滅ぶ可能性すらある。
先の戦い以降、帝国の動きが鈍いのはそれが理由だ。
まだ帝国第XIV軍団が残っている。
軍団長、ガイウス・ヴァン・バエサル。
その存在は確かに脅威ではあるが……。
ウルダハを始めとするエオルゼア諸国は、
霊災からの復興で手一杯。
帝国との戦いは後回しにしたいってのが本音だ。
それにエオルゼアの脅威は帝国だけではない。
各国ともに、蛮族、蛮神問題を抱えている。
ある意味で、帝国と同じかもしれんな……。
エオルゼア諸国は目下、管轄の蛮神対策を優先している。
外へ目を向ける余裕が無い。
メルウィブめ、「よろしく」とはな。
奴の放っていた草が刈られたと言うことか……。
帝国に近く動きがあるやもしれぬ。
ガレマール帝国……帝国第XIV軍団が動けば、
蛮神優先とも言っていられなくなるか。
そうだな。
カヌ・エの言うとおりかもしれん。
3国による追悼式典を催し、
今一度、あの戦いを振り返るのもいいだろう。
皆で一丸となるためにもな。
あとで吾輩からしておこう。
グリダニアには、こちらから報告しておく。
ご苦労だったな、冒険者。
楽にして聞いてくれ。
第七霊災、そして「カルテノーの戦い」で、
我々は多くの民、仲間を失った。
あれから5年。
大地や人々の傷は、未だ癒えきってはいない。
我々のために命を賭して戦った、
英雄「光の戦士たち」も、何処へと消えたまま……。
……だが、我々は前に進まなくてはならない。
エオルゼア諸国は、この5年を節目として、
近く「カルテノー戦没者追悼式典」の開催を
予定しているのだ。
この親書には、その式典にまつわる
取り決めが書かれている。
この親書を届けてもらえないだろうか。
5年前の戦いに従軍した冒険者たちのように、
貴様もまた、ウルダハに尽くしてくれた。
だからこそ、この任を任せたいのだ。
感謝する。
そして「グリダニア」は、
ウルダハから遠く離れた地にある。
移動への「足」には、これを使うと良いだろう。
ウルダハ公認の「飛空艇搭乗許可証」だ。
遠慮無く使うといい。
ウェルヘッドリフトから、
同盟国間を行き来する「循環飛空便」に乗れる。
詳しいことは、モモディに聞くとよいだろう。
この許可証は、本来そう簡単に渡せるものではない。
帝国の目を警戒し、飛空艇の便数も減っているからな。
しかし、貴様のウルダハでの活躍は
認められるべき行い。
貴様の噂を聞いた「ある組織」から、
ぜひにと推薦もあったのでな。
それに……。
貴様の持つ「可能性」に、
吾輩も期待してみたいと思ったのだ。
我がウルダハを代表し、冒険者へ伝える。
世界を渡り歩き、世界を見てくるといい。
勝敗は早さと速さが別つ。
その判断にも、見聞は広いほうが良い。
冒険者としての力を磨いてくるのだ。
マザークリスタルに導かれし「超える力」を持つ、
貴様にしかできないことが、きっとあるはずだからな。
貴様の持つ「可能性」に、期待しているぞ!
熱き魂を持つ者どもよ!
このウルダハはその昔、「ウル朝」により建国され、
交易都市として発展してきた。
そして、地底と商売の神ナルザルの加護のもと、
砂の都、黄金郷ウルダハとして、繁栄してきた。
5年前の「カルテノーの戦い」においても、
皆が財と才を投じ、エオルゼア同盟三都市で、
もっとも多くの戦力を提供した!
その結果として、帝国軍第VII軍団を打ち破ったのだ!
彼らの魂が、ナルザル神の御許にたどり着き、
来世で幸運を掴むことを祈ろう。
なかったかもしれぬ。
しかし、第七霊災後のこの困難の時代。
皆が己のことだけを考えるようになっていった。
ウルダハの現状を見よ。
難民が押し寄せ、貧者がそこら中に居る。
それなのに富者たちは、財を投じて助けようとはしない!
武を誇った者たちも、動こうとはしない!
今の、このウルダハの状況を、
カルテノーで戦った友たちに誇れるのか!?
ウルダハを、不滅隊を信じて散っていった者たちに、
お前たちのお陰で平和になったと、
胸を張って誇れるのか!?
この地に迫る蛮族、アマルジャ族の脅威は相変わらず強く、
ウルダハの生命線である交易路を脅かしている。
さらに、「ガレマール帝国」にいたっては、
一部地域を占領し、青燐水などの資源を奪っている。
ウルダハの国難は続いているのだ。
商人による自治を望む共和派も、
王家に忠誠を誓う王党派も、
ともにウルダハの繁栄を望んでいるはずであろう。
この国難こそ勝機であり、同時に商機である!
富を求めるすべての者よ!
武を誇るすべての者よ!
黄金郷ウルダハに憧れし旅人や技師、そして冒険者よ!
目先の富だけを追うのではなく、
国を、世界を見据えよ!
今一度、ナナモ女王陛下のもとに結集するのだ。
ウルダハを守るグランドカンパニー「不滅隊」を信じ、
私腹を肥やすのではなく、不滅隊に投資しろ!
エオルゼアの益は、ウルダハの国益である!
そして国益は、国民の益である!
すべては永遠なる女王陛下と、ウルダハの繁栄のために!
馬鹿にしおって!
「不滅隊」の指揮は問題ない。
一気に解決する最終兵器「アルテマウェポン」か……。
屈するのか……あくまで戦うのか……。
結局は、グリダニアもリムサ・ロミンサも、
国内問題を優先したいのであろう?
ウルダハも人のことを言えぬか……。
恥ずかしい話だがな。
迫るアマルジャ族に、押し寄せる難民……。
そして、一枚岩になりきれぬ砂蠍衆。
これでは「不滅隊」も簡単には動かせん。
大層な演説で国民を沸き立たせたところで、
目の前の問題が、すぐに片付くわけではない。
また、祖国を失うことを。
戦わずして、祖国を守れようか?
困難こそ、勝機かつ商機と解っていたはずではないか。
我らウルダハは、エオルゼアの雄々しき民。
涸れた砂地に倒れようとも、
砂金をつかみ立ち上がるまでよ。
吾輩たちは、何度背中を押されたのだろうな……。
この熱き心を持つ者たちに。
聞けば、キャンプ・ブルーフォグでは、
兵たちを鼓舞してくれたそうではないか。
英雄として数多の功績を残してきた貴様の到着に、
勇を鼓す兵も多いと聞いた。
戦いを前に怯えているのは、ここの兵とて同じ。
だが今、我輩が激を入れたところで、
萎縮してしまうかもしれぬ。
怯える兵たちに貴様の「活を入れて」くれぬか。
不滅なる闘士に、火を分けてやってほしいのだ。
最後に「エデルスティーン少闘士」にも、
忘れずに活を入れてやれ。
……気丈に振る舞っているが、心の炎は揺れている。
怯える兵たちに「活を入れて」くれ、頼んだぞ。
「マーチ・オブ・アルコンズ」が進行中だ。
貴様は作戦の要、頼んだぞ!
掃除してくれたのか、ご苦労だった!
……全ての準備は終了だ。
あとは「マーチ・オブ・アルコンズ」を遂行するのみ!
貴様の心の炎、十二分に燃えているな!?
不滅隊局長ラウバーン・アルディンである!
東ラノシアの「カストルム・オクシデンス」、
およびロータノ海上の「カステッルム・マリヌム」、
双方を封鎖したと「黒渦団」より連絡があった!
本作戦、第2段階の成功である!
帝国軍の展開が思ったより早く苦戦したようだが、
さすがは、鋼の提督メルウィブ。
その卓越した軍略で突破したとのことだ。
これにより「マーチ・オブ・アルコンズ」は、
第3段階を迎えた!
すでに、カヌ・エ殿の率いる「双蛇党」の別働隊が、
「カストルム・セントリ」南方の線路を封鎖するため、
進軍を開始した!
我々「同盟軍本隊」は、目前にそびえ立つ、
帝国要塞「カストルム・メリディアヌム」に突入。
敵将ガイウス配下の、帝国第XIV軍団の主力部隊を叩き、
この要塞を孤立させる!
そのまま、作戦は最終段階へと進む。
なんとしても、冒険者をアルテマウェポンのもとへ届ける!
各隊、全力で「冒険者選抜部隊」の道を切り開け!
……総員、進軍準備ッ!
ガイウスの好きにさせるな!
エオルゼアの未来は、我々で守る!
全軍、突撃ッ!!
クリスタルの導きあれッ!
よくやってくれた!
これで「マーチ・オブ・アルコンズ」の第3段階は成功だ!
「フィールド発生装置」を失ったメリディアヌムは裸も同然。
それに、敵将「リウィア」を討ったとなれば、
我輩たち「同盟軍本隊」の士気も上がろう!
いよいよ、最後の戦いだ。
気合を入れて行くぞ!
吾輩はうれしく思う。
ついに、作戦は第4段階……最後の戦いだ。
これまで以上に激しい戦いとなるだろう。
……だが、こんなところで命を落とすのではないぞ。
ガーロンド・アイアンワークスの連中が、
飛空艇「エンタープライズ」の準備を完了したようだ。
十二分に準備をすませたら、シドに話してくれ。
エオルゼアを頼むぞ、英雄……。
……いや、「冒険者」よ!
連絡はないのか!?
あやつが、5年前に我々を救ってくれた、
「光の戦士たち」だったんだな……。
そうなんだな、シド!
闇の勢力アシエンを退けた
エオルゼアの当面の危機は 回避されたと言えよう
猛威を振るう蛮神 蛮族の問題
各々の国内問題もまた然り
軍団長を失ったとはいえ
ガレマール帝国の軍勢が去ったわけでもない
しかし 我々が「絆」を忘れずに一致団結でいる限り
グランドカンパニーは それぞれの国を守りつつも
もっと広く エオルゼア全体を見渡していくべきだと
そのために 常に相互協力していくべきだと
「光の戦士たち」によって結ばれた!
そして 今ここに 新しい時代の幕開けを!
「第七星歴元年」を宣言するものである!
「新生エオルゼア」の誕生だ!
ナナモ様、それに砂蠍衆の面々は、すでに香煙の間でお待ちだ。
我輩たちも行くとしよう。
難民の数はいかほどだろうか。
それを前提とした上でも、
受け入れを検討してよいのではないか?
……では、採決を取りたい。
ドマからの難民を受け入れるか、否か。
受け入れに賛成の者はこの場に残り、
反対の者は退出していただきたい。
この国は未だひとつになり切れてはおらん。
共和派……いや、ロロリトが力を持ちすぎている。
このままではいずれ……。
すまない、内輪の話だな。
一旦、外に出るとしよう。
相も変わらず、私腹を肥やすことばかりを考えおって。
ウルダハの宝は民だ。
財を投じて難民を受け入れ、その才を用いてこそ、
さらなる繁栄を手にできるというのに……。
……やれやれ、愚痴を言っても始まらんな。
後ほど「不滅隊:作戦本部」に、顔を出してくれ。
関係者を集め、今後の話をつめねばな……。
王党派……ナナモ様を持ってしても、あのとおり。
再度集ったところで、結果は変わらんだろう。
レヴナンツトールは、いずれの国にも属さず、
政治的干渉も少ないしな……。
……ユウギリ殿、いっしょに来てもらえるかな。
貴公らの一団の規模を、今一度説明してほしい。
……しかし、このままでは「足」がたりぬな。
ユウギリ殿の話では、難民の数は二百強。
それに、多くの積荷があるという。
これらの輸送には、それ相応の輸送手段が必要だ。
さて、どうしたものか……。
隊商互助会には、我輩から話を付けておこう。
現地での段取りは任せていいな?
こちらは今、立て込んでいる。
緊急の用件でなければ、後にしてもらおう。
怪我をしたと報告を受けていたが、大事ないのか。
しかし、触発された難民による武装蜂起が、
各地に飛び火していてな。
不滅隊をあげて火消しに走っているものの、
未だ、緊迫した状況に変わりはない……。
こちらとしても、真実の究明にむけて手を尽くすつもりだ。
……今は一刻が惜しい。
吾輩は戻らせてもらう。
暴動の鎮圧、ご苦労だったな。
……他言無用で頼むぞ。
かねてから不信感を抱いていた難民のうち、
「霊災難民」の一部が反発。
アラミゴ系難民の急進派と一党を組み、
王家への抗議活動が行われた。
抗議活動は一時、示威行進まで発展したものの、
それでも、時間の経過とともに、
収まりをみせはじめていたのだ。
……ところが、ある事件をきっかけに、
暴動へと急転する。
しかし、事の発端となった衛兵が不審な動きを見せたため、
我ら不滅隊が、奴を捕縛して尋問したところ……
砂蠍衆のテレジ・アデレジの息が掛かった商人から、
金を掴まされていたことが判明したのだ。
現在、いずれの都市にも領有されておらず、
北ザナラーンに隣接する地……「カルテノー平原」。
あの地を開拓し、植民都市を築くという計画だ。
「アウトロー戦区」として「戦場」になっている。
忘れもしない、第七霊災の中心地だ。
同地は、霊災後に大規模な調査が行われていたのだが、
そこには、元より地中に眠っていたと思われる、
古代アラグ文明の「遺跡」が露になっていたのだ。
そして、現在のカルテノー平原は、遺跡の保有権を巡り、
三都市が対峙している場所となっている。
エオルゼア都市軍事同盟は、この争いを亀裂とせぬために、
かの地で起こった対立の一切を、
外に持ち出さないという協定を結んだ。
……これが、「アウトロー戦区(法外戦区)」と
呼ばれる所以だ。
この無謀な「フロンティア計画」の出資者こそ、
件のテレジ・アデレジ……。
奴は、同地の状況を知る立場でありながら、
この計画を発表した。
おそらく、計画で集めた多くの難民を引き連れ、
彼らを人の盾として、各国の軍勢の間に入り込むつもりだ。
……「遺跡」を独占するために。
共和派……砂蠍衆の中でも、統率はとれていないでしょう。
完全に奴の単独での行いです。
我々は、これを「オメガ」と呼称している。
あまりに巨大なため、現在も地中に埋もれたままだがな。
遺跡に記された古代アラグ文字を解読したところ、
オメガは、「バハムートを捕らえし者」と示されていた。
……先の「カルテノーの戦い」のおり、
ガレマール帝国の将軍ネール・ヴァン・ダーナスは、
衛星「ダラガブ」の落下地点をカルテノーの地とした。
我々は、奴が「対バハムート兵器」とも呼ぶべきオメガを、
完全破壊するためだったのではないかと睨んでいる。
しかし、ガイウスのアルテマウェポンを見た時、
思い直したのだ……オメガは本物だと。
そして、それを武器に、ウルダハ……いや、
エオルゼア全土における発言権を確保するつもりだろう。
自分の限界を知るからこそ、外に力を求める。
……決して油断はできませんぞ。
先行統一組織を設立するという話ですか。
アルテマウェポンという共通の敵を前に、
まとまりかけていた統一グランドカンパニーの話も、
遅々として進んでおりませんからな。
さまざまな問題を抱える現状を考慮すれば、
アルフィノ殿が先導し、再びきっかけを作ったことは、
喜ばしいことではありませんか。
我らは「暁」に、蛮神問題を肩代わりさせてきました。
戦力増強を求める彼らの声を、無視することもできますまい。
加えて、資金提供は砂蠍衆のみにあらず、
件の砂蠍衆からの資金も、
ロロリトらを通していない、きれいな金です。
それに、あの冒険者がいる「暁」なのです。
間違った方向に走ることはないでしょう。
奴を捕まえねばならぬ法がございません……。
無理に捕らえれば、それこそ奴の思う壺……これでは……。
こうやって顔を合わすのは何年振りか!
こちらに顔を出すと聞いて、心待ちにしていたぞ!
それにしても……
貴様がクリスタルブレイブの隊長になったと聞いた時には、
さすがに驚いた。
お互い、大人になったということだろう。
イルベルドと吾輩は、同郷の出身でな。
幼い頃は、ふたりして己の腕を競い合ったものだ。
祖国のアラミゴが、ガレマール帝国に陥落された際、
ともに脱出したのだが、それっきりだった。
英雄とは、この冒険者のような存在を言うもの。
屍の上に立つ吾輩には、不用な肩書きだ。
貴様こそ、冒険者として、
ずいぶんと名を馳せていたようだな。
冒険者ギルドとの会合でも、よくその名を聞いた。
貴様との面会については、部下たちに、
クリスタルブレイブに属す旧友との再会の場と説明してある。
……連中も、特別に目を光らせたりはしていないだろう。
今のウルダハでは、下手に場所を変えるほうが怪しまれる。
ここで聞こう……。
あくまで、昔を懐かしむ会話として、な。
テレジ・アデレジの一件以来、ウルダハは揺れている。
帝国の密偵からの誘いに、心動く輩が出てもおかしくはない。
しかし、以前より潜り込んでいるとなると、事は大きくなる。
……万一に備え、帝国と手を組むための繋ぎとして、
共和派が自ら招き入れている可能性すらあるか。
状況は理解した。
信頼できる者を集め、こちらも調査を行おう。
そちらでも、引き続き内偵を頼みたい。
今度酒でも交わしながら、ゆっくり話すとしよう。
この皇太子の死が、帝位争いを複雑化させていたという。
帝国の支配体制は盤石となる。
未だ、この地に残留する第XIV軍団。
加えて属州となったアラミゴは、要塞化が進んでいるという。
奴らが本腰を入れて攻めてきたら……。
帝国の将、ガイウス率いる帝国第XIV軍団は、
あざやかな手際で、エオルゼアの要所を抑えた。
その手引きをしたのが、エリヌ・ロアユだったとは……。
今にして思えば、北ザナラーンの緩衝地を維持できたのも、
彼女の存在によるものだったのかもしれんな。
全面衝突を控えるように押し留めていた点も、
理にかなっているか……。
確か、当時その座についていたのは、
今や二代目皇帝となった、ヴァリス・ゾス・ガルヴァス……。
……こいつが彼女の雇い主か。
さらに尋問を繰り返さねばならんとはな。
……気が滅入る。
彼女に近い者は、すでに拘束してある。
これから、彼女も含め、話を聞くことになるだろう。
厳正な審査の上、対応しよう。
奴らに踊らされていたということか……。
エリヌ・ロアユの裏切りには憤りを覚える。
……確かに、彼女の未熟さがそれを招いたのかもしれん。
だが、為政者でありながら、その境遇を利用して、
国民のためではなく、己の利益のためだけに、
彼女を使ったことは許されざる行為だ。
聞いておるのだろう、共和派のネズミよ!
貴様らの所業は、決して許すことはできない!
いつの日か、貴様らを排除し、このウルダハを正しき道に導く!
……お二方とも、異論ないな。
主戦力になるほどの援軍は出せぬということだ。
それが最善だろう。
各国のグランドカンパニーに所属する冒険者を集い、
イシュガルド防衛の任についてもらいたい。
ナナモ様。
不滅隊から、少しでも多くの戦力を回したく存じます。
そこで、銅刃団の権限を一時的に拡大。
不滅隊が受け持っている治安維持に当て、余力ができた部隊を、
順次派兵するというのはいかがでしょうか。
ナナモ様……?
イシュガルドも、我々と同じエオルゼアの一部。
こういう時こそ、協力せねばなりません。
宴席に武装兵を送り込み、国賓を女王の許可無く退出させるとは、
貴様、何を考えている!
銅刃団の私兵化、王家主催の祝賀会での愚行……
度を越えた越権行為だ!
……さっさと撤収させろ!
……ナナモ様が……暗殺されただと……?
イルベルド……そこをどけ!
ナナモ様の安否を確認する!
ナナモ様……うおぉぉぉぉぉ!!
……この茶番には、裏がある。
逃げろ……。
ここから逃げ延び、世間に己の身の潔白を証明しろ!
そして、この事件の真相を突き止めろ!
これができるのは、貴様らしかいない。
……行けぇぇ!!