えおろーぐ

た、助かった……！

本当に、ありがとうございます。
あなたが通り掛からなかったら、どうなっていたことか。

実は、大事な奥様のハンカチが、
風に飛ばされたのか、手すりの外側に引っかかっていて……
どうにか回収したものの、足を滑らせてしまったのです。

とんでもない！
奥様の……主のものであれば、なんだって大事な宝です。
それを失くしてしまうことで、奥様が一瞬でも悲しむなら、
私は何をしてでも、このハンカチを回収するでしょう。

もちろんです！
今の私のすべてといっても過言ではありません！

……私は最初、少し楽な暮らしがしたいという浅はかな理由で、
この街に入ってきました。
しかし、ユールモアにあったのは富だけではなかった。
ここにはいかなる争いも持ち込まれず、
住民は互いを慈しみあっている……。
奥様も、私に大変よくしてくださっています。
この時代に、こんな幸福な場所は、ほかにありません！

……って、ちょっと熱く語りすぎましたね。
ごめんなさい、本当に幸せなもので、つい……。
よければ、助けてくださったあなたのことを、
奥様に紹介させてください。
きっと、優しくねぎらってくださいます。

えっ……！？
奥様が寂しがっていたので、私を探してくださったと！？
ああ、なんという……！
急いで、ともに奥様のもとへ戻りましょう！

もう、奥様のお傍を離れません！

もう、奥様のお傍を離れません！

あ、あなたは……！

もしやあなたは、以前、
渡り廊下から転落しかけた私を助けてくださった方……！？

お、奥様に乱暴な真似はしないでください……！
どんな状態でも、その方は私の大事な主……
それに、怪我もしていらっしゃるんです！

お願いします……！
奥様に、乱暴なことだけは……！

ああっ、奥様に何を……！

これは……眠っていらっしゃる……？
もしや、奥様を落ち着かせてくださったので……？

は、ははは……はは……うっうっ……。
ありがとうございます……。
急におかしな様子になられて、本当に、どうしようかと……。

私は大事ありません……。
どうかこのまま、奥様のお傍にいさせてください。

自由市民の中にも立候補された方はいらっしゃったのですが、
体力や腕力が足りず、来られなかった方も多いのです。
代わりに、今も作戦の成功を祈ってくださっているでしょう。

ええ、存分に働けますとも！

この力、我が主のためのみならず、
大恩ある[player]さんたちのため……
今度こそ、真なる平穏のために振るいましょう！