えおろーぐ

そ、その声は、本当にウィスカーなんじゃな……？
少しばかり待っておれ！

おぉ、ウィスカー……生きておったか！
しかし、その格好とお連れさんは…………。

なんとも、懐かしい話を覚えてくれておったのじゃな。
むろん今でも「地下水路の合い鍵」は、懐に忍ばせておるぞ。
ワシが廃王テオドリックに反抗した証しだからのう。
支配者に反抗するのは、どうやら一族の血らしいの。
ホレ、持って行け！

あと10年若ければ、ウィスカーと同じように、
アラミゴ解放軍の一員になっておったところじゃ。
お若いの……孫をよろしく頼みますぞ。

あと10年若ければ、ウィスカーと同じように、
アラミゴ解放軍の一員になっておったところじゃ。
お若いの……孫をよろしく頼みますぞ。

……お若いの、孫ともども連れ立って訪れるとは、
いったいどんな風の吹き回しじゃ？

……なるほど、確かに良い話じゃ。
寂れた集落を立て直そうにも、人手も金も不足しておってな。
異国に逃れていた同胞たちが戻ってくるなら、大歓迎じゃ！
……ただし、問題もあってのう。
塩を採ろうにも湖の周辺に、魔物が蔓延っておるのじゃ。
かつては、王に雇われた兵たちが、
民を守るために、定期的に魔物討伐を行っていたんじゃがな。
帝国軍は、市民権を持たぬ者のためになど、動こうとせんかった。

ほう、やってくれるか！
じゃが……ウィスカーよ、戦いの腕は上がっておるのか？

孫を含め、このような若者たちが、
アラミゴのために働いてくれていると思うと、嬉しくてのう。

戻ってきてくれたようじゃな。
……それで、魔物は討伐できそうじゃったかな？

それは朗報じゃ。
いつの間にか、たくましい男に成長しておったのじゃな。
ウィスカーよ……。
近頃、アラミゴの街の方では、勝利の熱狂に浮かれて、
復讐だ何だと、過去の清算ばかりに目を向ける者が多いと聞く。
そんなことよりも、大切なのは未来じゃ。
ソルトリーの明日を造るため、孫や解放軍と協力して、
同胞たちを迎え入れる準備を進めなければの！

しかし、アルフィノ君の賢さには驚かされるの。
あっという間に、工房の修復に必要な予算を計算してしもうた。

製塩業も軌道に乗って、ソルトリーも賑わってきた。
ひとえに、お若いのや、ウルダハの女王様のおかげじゃ。
アラミゴの復興のため、これからも皆で頑張っていくぞい！

よく来てくれた、お若いの。
まずはウィスカーに、復興した村を案内してもらってくだされ。

よく来てくれた、お若いの。
もうすぐで商談が終わるんで、ちょいと待っとくれ。

ウィスカーに村を案内してもらったようじゃな。
おかげさまでこのとおり、ソルトリーの製塩業は復興しましたぞ。
今日もウルダハの商家の娘さんが、視察に来ておってな。
おや、噂をすれば……

►ナナモ様
ハッハッハ、冗談が上手いのう！
じゃが、いくら復興事業の発起人とはいえ、ウルダハの女王様が、
このような辺ぴな村まで、足を運ぶわけがなかろう？

►リリラお嬢様
なんとまあ、お知り合いでしたか。
お若いのも、世界を旅しているだけに顔が広いのう……。

はい、ソルトリーは塩だけでなく、
採れた塩を使った加工品もひとつの産業でした。
村の名物を、ぜひウルダハの人々にも食べていただきたい。

は？　なんですと……？

は、はあ……その点につきましては、アルフィノという少年が、
契約書を細かく確認してくれましたので、問題ないかと。
しかし、何でまたそんなことを……？

は……はい……。

せっかく、お若いのが来てくれたのだから、
皆を集めて礼を言わせてもらおうかの。

ソルトリーは帝国との戦闘で完膚なきまでに破壊され、
廃墟同然となった村じゃった。
だが、いまはウルダハから同胞が戻ってきて、
商人も訪れるようになって、こんなにも賑わいを見せておる。
これも、ひとえにお若いのや、ウルダハの女王様のおかげじゃ。
一同感謝しておる、どうもありがとう。

しかし、戦争の爪痕は簡単には消せない。
製塩業のために必要なものを突貫工事で直したにすぎん。
多くの建物はまだ手つかずのまま。
完全に復興させるには、まだまだ時間がかかるじゃろう……。
だが、この恩に報いるためにも、
アラミゴの復興、皆で必ず成し遂げてみせるぞい！