えおろーぐ

えおまっぷ
せりふ分室
PERSON :

ノアレポート

patch 2.x

ノアの調査記録

Lv
50
patch2.1
モードゥナ
古代アラグ文明の遺産である「クリスタルタワー」。
その調査団である我々「ノア」は、
ついに実地調査に乗り出すことになった。
先遣隊が巨大なクリスタルゲートを越える。
その先で我々を待ち受けていた最初の難関が、
8体の不気味な石像が並ぶ「八剣士の前庭」だ。
石像は、4つの属性を利用した防衛機構だった。
クリスタルタワーへ不正に侵入しようとする者を
排除する役割を担っていたのだろう。
この防衛機構もまた、古代アラグ文明が誇った、
魔法と科学を融合させた技術体系……
「魔科学」の産物であることは間違いない。
属性の力という魔法的な要素を用いて、
数千年後の現代でも稼働し続ける防衛機構を作るとは!
まさに驚異的な技術と言えよう。
……しかし我々は、超高純度クリスタルから作り出した
4つの「牙」によって、防衛機構を打ち破った。
かくして、クリスタルタワーへの道が拓かれたのである。
モードゥナ
[player]が率いる冒険者たちに、
「古代の民の迷宮」を掃討せよとの任務が下された。
「古代の民の迷宮」とは、
クリスタルタワーを囲むように造られた前門にして、
塔を防衛する城砦の役割を担った施設だ。
……内部にはまだ、防衛のための戦力が潜んでいた。
冒険者たちは、魔獣キングベヒーモスや
妖異タナトスなど、おぞましい存在と戦うこととなる。
魔獣の改造やキメラ生物の合成、
加えて異界ヴォイドの妖異を使役する技術は、
いずれも古代アラグ文明の得意とする分野だ。
その粋を結して守られている、クリスタルタワー。
「古代の民の迷宮」の先には、
果たしてどのような化け物が潜んでいるのだろうか……。
モードゥナ
「古代の民の迷宮」を防衛していた、
輝く曲刀を携えし戦士「ティターン」。
……在りし日に、アラグ帝国の革命を志した男である。
1000年以上も続いたとされるアラグ帝国の治世も、
常に平穏だったというわけではない。
特に末期は、皇帝の支配に対する反乱が絶えなかった。
中でも有名なのが、勇将ティターン率いる勢力による反乱。
アラグ帝国の記録に「悪鬼」とまで記されている彼は、
反乱軍を支持する民衆にとって、英雄であったと思われる。
しかし、最終的に勇将ティターンは捕らえられ、
「魔科学」による生体改造を施された上、
皇族のしもべに作り変えられた……と記録は語る。
すべては、反乱軍への見せしめのために……。
数千年の時を越え、今なおアラグの門兵として立つ彼の姿に
かつての巨大帝国の闇が垣間見えた。
モードゥナ
クリスタルタワーの中枢である「シルクスの塔」は、
開かずの扉に守られ、あらゆる者の侵入を拒んでいた。
調査が難航する中、「ノア」のもとに一組の男女が現れる。
アラグの装束で身を包んだ彼らは、
「ウネ」と「ドーガ」を名乗り、調査への協力を申し出た。
驚くべきは、その正体だろう。
彼らは、アラグ帝国が始皇帝復活のための試作として生み出した、
人造の生命体「クローン」だったのだ。
ウネとドーガの元となったのは、同名の人物だったらしい。
始皇帝「ザンデ」の血を引くアラグ皇族のうち、
皇血が最も濃く現れたふたりだったのだそうだ。
ふたりは皇族でありながら、偉大な魔道士だった。
ウネは夢幻の力を操ることを得意とし、
ドーガは比類なき強大な魔力の持ち主だったとクローンは語る。
慧眼の持ち主でもあったふたりは、
復活したザンデが「闇の力」に心酔していることを危ぶみ、
ザンデの野望を阻止するための鍵を、未来に残した。
それこそが、クローンの「ウネ」と「ドーガ」なのだ。
かくして、ふたりの協力により、
シルクスの塔へと続く扉が開いたのだった……。
モードゥナ
クリスタルタワーの象徴ともいえる巨塔……
その本来の名が「シルクスの塔」である。
そもそも「クリスタルタワー」という名称は、
塔の美しい外観にちなんでつけられた俗称だったらしい。
その存在は「聖典」などの文献に記されているものの、
第七霊災前の学会では、実在すると思われていなかった。
実在説を支持していたのは、「エリック」博士くらいだろう。
存在が伝説になるほどの長い間、
いかにしてシルクスの塔は隠されていたのか?
……その答えは「第四霊災」にあった。
第四霊災は、大地震の災害だった。
衛星「ダラガブ」から送られた太陽の力を、
シルクスの塔が受け止めきれず、地殻が崩壊したのだ。
地中に沈みゆく、シルクスの塔……。
しかし、ザンデの忠臣「アモン」の時魔法によって、
塔の時間が止められたのである。
塔が長い眠りから目覚めたのは、第七霊災の折……
対となるダラガブの起動に呼応してのことだった。
これが、クリスタルタワー再起動の真実だ。
しかし、目覚めたのは塔の機構だけではなかった。
シルクスの塔を上った冒険者部隊を待ち受けていたのは、
伝説のアラグ帝国始皇帝……ザンデだったのである。
モードゥナ
アラグ帝国の始皇帝「ザンデ」。
その存在は、アラグ史を語る上で欠かせないだろう。
彼によってアラグ帝国の礎は築かれ、
以後、1000年以上にわたる繁栄がもたらされた。
現存する記録にも、彼の伝説的な偉業を称えるものは多い。
しかし、栄華を極めた帝国にも、やがて陰りが見えはじめる。
魔科学が発展しきると、革新的な発明はなくなり、文明が停滞。
人々の間には退廃的な思想が蔓延した……。
そうした緩やかな衰退を感じて立ち上がったのが、
魔科学の天才「アモン」だった。
彼は帝国に更なる繁栄をもたらすべく、革新的な試みを行う。
そう、始皇帝ザンデの復活だ。
試作の後、現在のモードゥナにある「ザンデ霊廟」から
ザンデの遺体を掘り起こしたアモンは、見事に彼を復活させた。
ザンデ復活によって、アラグ帝国はにわかに勢いを取り戻した。
南方大陸メラシディアに遠征し、征服を果たしたのも、
復活したザンデによる功績である。
まさに世界の覇者、王の中の王であったザンデ。
……だが、彼自身の思惑についてとなると、記録は沈黙する。
ある筋からもたらされた情報によれば、
彼は「人の命」が行き着く先……
すなわち「無」に取り憑かれていたという。
死を越えたからこそ、誰より命に囚われたのだろうか。
我々がザンデの心境をうかがい知ることは難しいが、
彼の選択は、歴史として刻まれている。
「闇の力」への渇望……そこに端を発した第四霊災……。
帝国の繁栄を願われて蘇った始皇帝は、
自らの手で、アラグ帝国の幕を引くことになったのだった。
モードゥナ
拐われた同胞を救出し、起こりうる脅威を回避するため、
調査団ノアは、冒険者部隊を「闇の世界」へと送り出した。
闇の世界とは、異界「ヴォイド」の旧き名だ。
それは、我々が生きる「物質界」と隣接して存在する、
別の世界だと考えられている。
本来、ふたつの世界は、決して交わることがない。
しかし、世界を隔てる境界が何らかの要因で薄れたとき、
裂け目が生じて、ふたつの世界が繋がりあう……。
古代アラグ文明はもちろん、歴史的に多くの魔道士たちが、
境界の裂け目「ヴォイドゲート」を人為的に開くことで、
異界に棲まう「妖異」の力を利用しようとしてきた。
だが、妖異は人の忠実なるしもべではない。
豊富なエーテルを求め、物質界への侵攻を狙う存在なのだ。
ひとたび制御を失えば、大被害は免れられないだろう。
ゆえに現代では、妖異の利用は禁忌とされている。
ヴォイド研究の盛んな呪術士ギルドでさえも、
厳重な制限のもとで、限定的に利用しているにすぎないのだ。
モードゥナ
混沌が支配する、闇の世界……。
そこに秩序があるとすれば、唯一「強さ」のみだろう。
強き妖異が弱き妖異を支配する、弱肉強食の世界なのだ。
そのため、歴代の妖異学者たちは、
雑多な妖異を力の強さで分類し、系統立てようと試みてきた。
これが、世にいう「妖異十二階位」というものだ。
始皇帝ザンデが契約したという大妖異「暗闇の雲」を、
この格付けに当てはめるとすれば、
間違いなく、魔王級の存在である「第一位」に該当するだろう。
それほど強力な妖異を、物質界に顕現させようとした場合、
途方もないほど巨大な「ヴォイドゲート」が必要となる。
……ゆえに、クリスタルタワーが利用されたのだ。
もしも「暗闇の雲」の顕現を許していたら……。
物質界のエーテルはすべて喰らい尽くされ、
ヴォイドと同様の、無の世界と化していたことだろう。
その危機を退けたのは、勇敢なる冒険者部隊と、
悠久の時を超えて使命を果たした、ふたりのクローンだ。
彼らはついに、ザンデの契約を破棄するに至ったのだった。
モードゥナ
ウネとドーガから託された血によって、
同胞である賢人グ・ラハ・ティアが、
クリスタルタワーを制御する権利を得た。
彼は権利を行使し、人々が塔を正しく活用する未来まで、
己ごとクリスタルタワーを眠りにつかせる道を選んだ。
……かくして、クリスタルタワーの封印は為されたのである。
グ・ラハ・ティアの決意は、我々に何を伝えたのか……。
それを記すには、知られざるアラグの歴史に、
触れておく必要があるだろう。
かつて、第四霊災を生き延びた人々は、
美しきアラグの軌跡であるクリスタルタワーが、
未来を生きる人々の幸せのために使われることを願った。
その願いは、アラグ帝国最後の皇女によって、
彼女の血とともに、ひとりの男に封じられたのだという。
時はすべてを押し流すもの……。
アラグの術をもってしても、封じられた血と記憶は薄れたが、
男の子孫は使命を果たし、現代まで伝言を繋げてきてくれた。
それはすなわち「希望を見出せ」という、
古代アラグ文明を生きた人々からの激励だ。
我々のクリスタルタワー調査は、これで一区切りを迎える。
しかし、受け取った激励を胸に、各々が歩み続けることだろう。
光り輝く、未来に向かって……。