えおろーぐ

……ほう、開拓団がらみの用事とな。
わかった、俺が聞かせてもらうとしよう。

ふむふむ……なるほど……。
ドマの当主殿には、ずいぶん気を使わせてしまったようだな。
だが、この提案……
冒険者ギルドに所属する者が東方で活動する際に、
支援をしてくれるというのは、素直に嬉しい。
冒険者たちは新たな旅路に胸ふくらませるだろうし、
ギルドの顔役連中も、大いに喜ぶだろう。
あとの金品は……突き返すのも失礼な話か。
ならば、ドマの人々を全員無事に祖国へ送り返すための、
旅費にさせてもらうとしよう。
そうでなくたって、彼らの働きには、
大いに助けられてきたのだ。
帰郷に異論はないどころか、心から祝福するよ。
……さあ、さっそく本人たちにも伝えてやるといい！
「ホウザン」たちなら、
ロウェナ会館の前で仕事をしていたはずだ。

ついに彼らが帰郷できるのか……。
さっそく「ホウザン」たちに伝えてやるといい。

おや、ドマの皆と話はできたのか？

相変わらず、生真面目なことだ。
だが、これまでも、その誠実さにどれほど助けられたことか。

見てくれ、レヴナンツトール……
「亡者の弔鐘」なんて呼ばれた地が、今やここまで発展した。
その一端を担ってくれたのは、遠くドマからきた友の、
誠実で堅実な働きぶりに違いない。

お前たちが故郷を追われたことを、よもや幸運とはいうまい。
だが、この出会いは、私やレヴナンツトール……
街を利用する多くの冒険者にとって、幸いなことだった。
……これまで、本当にありがとう。
帰路につくその日まで、この街を愛し、
その目に焼きつけていってくれると嬉しい。

あっはっは、それはいい！
ならばこちらも、この街を再び亡者の地にしないよう、
一層考えていかねばな！

……寂しくなるよ、引き留めはしないがな。
代わりに、餞別の品くらいは、持っていってくれるだろう？
とびきりの「レヴナンツトールの財宝」だ。
倉庫番に話はしてあるから、行って受け取ってくれ。

さて、今度は俺からお前に、折り入って頼みがある。
「ヨウザン」たちを探して、ロウェナ会館のテラスにいる、
フ・ラミン殿のところへ連れて行ってほしいのだ。

……なに、餞別の品がワインでは、
子どもたちは、おもしろくなかろうと思ってな。
「暁」に、ちょっとした仕込みをお願いしたのさ。
私もここで子どもたちを探してみるが、
あいつらを探しだすのは、お前の方がよほどうまい。
よろしく頼んだぞ！

「ヨウザン」たちを探して、ロウェナ会館のテラスにいる、
フ・ラミン殿のところへ連れて行ってほしいのだ。
よろしく頼んだぞ！