えおろーぐ

えおまっぷ
せりふ分室
PERSON :

エリック

patch 2.x
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
話しかけないでくれたまえ。
今、吾輩は、エーテルを測定する装置の
画期的な設計を構想中なのだ。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
……来たな! いやいや、名乗らなくてよい!
[player]だろ、聞いてるぞ。
吾輩は、ひと呼んで「超自然探求者・エリック」!
研究テーマは……
「古戦場のエーテリック解析に基づく戦史の再構築」だ!
例えば、君は「古戦場」というと、何を想像するだろう?
どこぞの野原か? 荒野か? だが、違う!
それは、まったくもって誤りだ!
戦場とはどこにあるものだ?
有史以来……人々は、あらゆる地で、戦闘を行ってきた。
それを斬新かつ革新的に解釈することこそ吾輩の使命!
つまりそれは、君の使命でもある!
本来は、吾輩の護衛であり、崇高な研究に心酔する、
「モンク」の「ウィダルゲルト」が同行すべきなのだが……
どこをほっつき歩いているのか、ちっとも戻ってこない。
彼はアラミゴ出身の「モンク」であり、
「チャクラ」を解放し「気」を操ると評判の男だ。
……だが、戻ってこないのだからしょうがない。
君に来てもらうしかない事情が、よくわかっただろう?
さて……前置きはこのくらいにしよう。
今回、吾輩に同行してもらう古戦場は、
中央ザナラーン「シラディハ遺跡」。
ここが重要である理由は……
亡国「シラディハ」の歴史が物語っている!
間抜けな顔だな……さてはシラディハを知らないな?
湧水の王と称されたララウェフ・シラ・タタウェフ王亡き後、
シラディハは混迷期に入り、ララウェフ王の推進し……
……成功を……増税で……各地で……が爆…………乱れた。
そこにつけこんだのが……………………………………だ!
…………………………なので……………………のうえ……
……ともかく………………………………だが………………。
しかし……………………だから………………………………
…………はじめ………………………………おいて…………
…………い……おい! 君! 聞いているのかね!?
すさまじく興味をそそられる逸話だろう?
現在の研究者の中には、異なる見解を示す者もいたのだが、
論文を発表する直前、行方不明になってしまったと聞く。
だが、古戦場を解析すれば、真相が明らかになる!
それも、いの一番に! 真実を知ることができるのだ!
どうだ、わかるか、これが浪漫だ、吾輩の研究だ!!
さあ、中央ザナラーン「シラディハ遺跡」へ行くぞ。
[player]、君は現地に先行し、
この「エーテル計測器」を設置してくれたまえ。
万が一、吾輩の戦史講義を聞き洩らしたなら、
遠慮なく吾輩に再び問いかけるがいい。
いいか? もう一度、吾輩に話しかけるんだぞ?
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
うむ、よくぞ問うてくれた。
吾輩のありがたい講義を聞き逃さないよう、
その皺の少なそうな脳に、しっかりと刻み込むのだぞ!

今回の講義は「亡国シラディハ」についてだ。
「湧水の王」と称された王、
「ララウェフ・シラ・タタウェフ」の亡き後、
「シラディハ」は混迷期に入った。
ララウェフ王の推進した経済改革は概ね成功するも、
その大幅な増税によって社会不安が増大し、
さらに大干ばつが重なって、各地で不満が爆発。
シラディハは大いに乱れた。
……そこへ付けこんだのが、
同じく大干ばつで苦しんでいたウルダハだ!
時の王「ササガン・ウル・シシガンIII世」、
現在の第二期ウル朝の王たちの遠い祖先なのだが……
ともかく、彼は大軍を率いてシラディハに侵攻、
ララウェフ王の治水事業により発見された、
水源地を奪取しようとした。
しかし、シラディハ王侯貴族たちは、これを逆手にとって、
ウルダハの侵攻を国難として大々的に宣伝、
都市民をまとめ上げ、ウルダハに徹底抗戦した。
これにより、両戦力は完全に拮抗し、
戦争は次第に長期化しはじめたのだ。
だが、皮肉なことにシラディハ王侯貴族は、
自分たちの民意誘導の成功を素直に喜べなかった。
財政が、戦争長期化によって再び傾きはじめていたのだ。
こう着状態にある戦況を打開するため、
シラディハがとった作戦とは!
……なんと恐ろしきかな!
「兵士をゾンビーに変える」というものだった!!!
しかし、戦いのさなかで「シラディハ」は、
ゾンビーの制御を失ってしまうという失態をおかした結果、
その都市民の大半は、ゾンビーの群れとなってしまったのだ。
大義名分を得たウルダハは、
これを「ゾンビーをザル神のもとに帰す聖戦」と称して、
「シラディハ」の門を封鎖し、ゾンビーを殲滅した。
「亡国シラディハ」についての講義は以上だ!
戦史には、多くの教訓と格言が詰まっている。
歴史から学び、今を生きる糧とすることを忘れてはならんぞ。
中央ザナラーン
でかしたぞ!
これで、この地のエーテルを測定すれば……むっ!?
やはり出たか、古戦場には魔物がつきものだからな。
[player]、
君の出番だ、しっかり頼むぞ!!
中央ザナラーン
とっとと蹴散らして、とっとと計測を済ますのだ。

いいぞ、その調子だ!
データがどんどん流れこんでくるぞ!

手強そうなやつが現れたな、これぞ古戦場!!
さあ、しっかり働いてくれよ!

おおお! これは興味深い……貴重な計測値が取れたぞ。
中央ザナラーン
ウィダルゲルト! 来てくれたんだな!
[player]!
君もよくやってくれた、期待以上だぞ、うん!
紹介しよう、この男は、ウィダルゲルト。
格闘士ギルドがよこした護衛かつ、吾輩の理解者かつ、
最大の協力者、いわば一番弟子、つまり君の兄弟子だ!
たまに言うことを聞かんのと、
「チャクラ」だ「気」だと、非科学的なことに、
うつつをぬかすのが玉にキズだが……。
中央ザナラーン
ん? んんん?
もしや、あれはシラディハの痕跡では……!?
素晴らしい! これは素晴らしいぞっ!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
おお、帰ってきたのか。
吾輩は、早速、今回の計測結果の分析を
始めたところなので、用ならあとにしてもらいたい。

おお、「エーテル計測器」を回収してくれたのか。
いやいや、君は気が利くな。
……で、今回の調査はどうだったかね?
なに? 「モンクの証」を受け取っただと?
まったく、ウィダルゲルトの奴に感化されたのか。
まあ、弟子同士で仲がよいことは吾輩としても喜ばしい。
次は、ウィダルゲルトと手分けしての計測になるだろう!
君に割り当てる古戦場は、なかなかの危険地帯だ!
今のうちに、モンクの技とやらを磨いておくんだぞ!!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
おお! 間に合ってよかった!
危うく吾輩ひとりで、古戦場へと赴くところだったぞ。
今回はウィダルゲルトと同時に、ふたつの古戦場を調べるという
画期的な試みに参加してもらう。
君の兄弟子、ウィダルゲルトは、もう出発したぞ!
「エーテル計測器」は、設置してくれれば、
「エーテルの濃い場所」を探し出し、記録してくれる。
しかも、測定した値は、すぐさま吾輩に転送されるという優れモノ!
君やウィダルゲルトのような、脳が筋肉でできてそうなタイプは、
周辺の魔物と適当に戦って、測定結果を待っているがいい。
勝手にエーテル値が測定され、吾輩の研究データとなる。
そもそもエーテルとは、あらゆる「魔法」の原動力にして、
すべての「命」の源たる不可視の生命エネルギーであり、
生物が死んだとき、その命が宿すエーテルは霧散する。
だが時として、その一部が霧散せずこの物質界に…………
その一例が…………クリスタル…………その…………だが、
…………吾輩は「エーテル」に…………と踏んでいるのだ!!
わかりやすい例を挙げるなら……………………で…………
…………だから……………………を…………………………
……した……………………を「エーテルの門」と呼んでいる!
生命が激しく散ったとき、クリスタルは……
不可視のエーテルとして、残留エーテルはその量を増す!
その、激しく生命の散る場所とは……
そう!! 古戦場だ!!!
つまり、残留エーテルを調査すれば!!!
逆説的に、戦いの規模などが推測できるというわけだ!!!
そして、君やウィダルゲルトが騒ぐ「気」や「チャクラ」も
エーテルと関係がある……いや、エーテルそのものなのだ。
それを非科学的な名称で呼ぶのは、まことに腹立たしい!
古戦場に渦巻くエーテルは、周辺の魔物に蓄積している。
そんな魔物を倒せば、君たちのいう「チャクラ」も拡大し、
「気」とやらを、さらに強化することができるだろう。
最新鋭のエーテル理論、さすがの君も理解できただろう!
アラミゴに住む吾輩の妻子は「研究馬鹿のたわごと」とぬかし、
吾輩のもとから去っていったが……。
……うむ、前置きはここまでにしておこう。
君は、東ラノシアの「ブラッドショア」の担当だ。
適切な場所に「エーテル計測器」を設置し、
しばらくしたら「エーテル計測器」を回収して帰還せよ。
吾輩にはエーテルのデータが残り、
君たちの「チャクラ」は、大きく開かれるだろう。
これぞ一挙両得!
本来、ブラッドショアの歴史を理解した上で
任務にあたるべきだろうが、説明の時間が惜しい!
それでも、戦史を知りたいなら、吾輩に再び話しかけよ!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
今回の講義は「最新のエーテル学」についてだ。
そもそもエーテルとは、あらゆる「魔法」の原動力にして、
すべての「命」の源たる不可視の生命エネルギーであり、
生物が死んだとき、その命が宿しているエーテルは霧散する。
だが時として、その一部が霧散せず、物質界に残ることがある。
一例が、君も手にしたことがあるだろう「クリスタル」だ。
……ここまでは、その辺の学者連中でも知っていることだが、
吾輩の推理はその上を行く!
「エーテルが結晶化せず、
 その場に残留することがあるに違いない」
……と、吾輩は踏んでいるのだ!!!
わかりやすい例を挙げるなら、幽霊や人魂がそれだ!
死んだ人の魂が現れる?
へそが茶を沸かすとは、このことだ!
あんなもの、残留エーテルの発光現象に過ぎん!!
原理はこうだ……物質、あるいは生命が消失すると、
エーテルが放出される。
それは通常、エーテル界へ還るのだが、
エーテル放出量が瞬間的に増大し許容量を超えたとき、
還るはずのエーテルが物質界に残ってしまうのだ。
この許容量を、吾輩は「エーテルの門」と呼んでいる!
生命が激しく散ったとき、「クリスタル」として、
不可視のエーテルとして、残留エーテルはその量を増す!
その、生命の激しく散る場所とは……そう、古戦場だ!!!
つまり、残留エーテルを調査すれば!!!
逆説的に、戦いの規模などが推測できるというわけだ!!!
戦史研究家である吾輩が、
なぜ「エーテル学」にも精通しているか、
さすがの君も、これで理解できたことだろう。
「エーテル」はまだまだ、謎に満ち溢れたエネルギーだ。
新たなる解釈や実例が現れた場合「エーテル学」もまた、
大きく発展していくことになるだろう。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
今回の講義は「ブラッドショア」についてだ。
その「血塗れ海岸」という禍々しい地名からもわかるとおり、
この地では、過去に恐ろしい惨劇が起こっている。
今より半西紀……50年ほど前のことだ。
当時、ロータノ海を荒らし回っておったふたつの大海賊団、
「シルバーサンド一家」と「霧髭海賊団」とが、
ブラッドショア沖で大海戦を演じたのだよ。
今となっては、何が原因で戦いが始まったかはわからん。
だが、両海賊団の頭領同士が犬猿の仲だということは、
有名だったというから、対決は必然だったのやもしれん。
ちなみに、この「シルバーサンド一家」の頭領というのが、
現リムサ・ロミンサ提督の父、ブルーフィスであり、
後に彼女が同海賊団を引き継ぐことになるのだが……。
っと、しまった、話が逸れるところだったな。
ともかく件の大海戦では、双方合計でガレアス船7隻、
中小の艦も含めれば二桁をくだらない数の船が激突した。
そして、約半数になる4隻のガレアス船が轟沈し……
数百名規模の船員たちが、海に散った。
かくしてブラッドショアには、
大量の海賊たちの骸が打ち上げられ、
波打ち際が血で染まったと伝えられている。
戦史は時として、その地の名すら変えてしまうのだよ。
もっとも、今では大富豪ゲゲルジュ氏が移住し、
新大陸風に「コスタ・デル・ソル」と呼んでいるそうだがな。
さて、「ブラッドショア」についての講義は以上だ!
戦史には、多くの教訓と格言が詰まっている。
歴史から学び、今を生きる糧とすること、忘れてはならんぞ。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
む、ご苦労だった。
「エーテル計測器」を返してもらおうか。

むむむ……計測器が少々、壊れてしまっているな。
すぐに修理へ回そう。
そのために、吾輩はこの彫金師ギルドにいるのだしな。
この計測器は、吾輩が企画した緻密な設計図を、
「ガーロンド・アイアンワークス」が製図して、
彫金師ギルドが製作しているのだ。
ウィダルゲルトの調査結果も先ほど届いたので、
吾輩は、早速、今回計測結果の分析を開始する。
用があるなら、後にしてくれ。
いずれにせよ、計測器の修理と計測場所の選定には時間がかかる。
次の計測を心待ちにしながら、
鍛錬とやらに、せいぜい励むことだな。

不和から至る旋律

Lv
40
patch2.0
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
[player]! ハハハ、待っていたぞ!
素晴らしい、実に素晴らしい、この感動を伝えるため!
吾輩は昨晩、辞書を片手に、修飾語を列挙していたのだ!
何の話かわからんだと!? とぼける必要はない!
君が取得したデータの話だ! 実に正確! 実に見事!
君はエーテル計測の天才だ! その才能に敬意を表そう!
思い返せば、半西紀……「マルドティー真菌培養事件」以来、
吾輩は孤独に、この道を走り続けてきた。
そのことに後悔はない。
だが今、君たちのような弟子を持ち、吾輩は幸せだ!
茨の道行きは、かくも楽しいものだったか!
この感動は、まさに数値化不可能だ!
……と、いかんいかん。
吾輩としたことが、本題を忘れるところだった。
次なる古戦場の選定の最中、吾輩は妙なことに気づいた。
エオルゼアには、古戦場とされていない場所でも、
エーテルが乱れている場所が多数存在していたのだ。
これまでの吾輩は、
「エーテルが乱れている場所、すなわち古戦場」という仮説を
前提として研究を進めてきた。
だが今回の発見を鑑みるに、過去の人間が、
「エーテルの乱れている場所を戦場に選定した」という、
恐ろしい可能性に思いいたった!
ウィダルゲルトには、アラミゴとグリダニアの境界にして、
「紅葉戦争」の契機の地「ファインサンド平野」で
エーテル計測を行うよう指示してある。
君の仕事は、ふたつ。
ウィダルゲルトの「エーテル計測器」を回収すること。
奴ならば、南ザナラーンの「リトルアラミゴ」にいるはずだ。
そして、もうひとつの仕事は、エーテルの乱れている土地……
南部森林の「蛇殻林」にて「エーテル計測器」を設置し、
回収することだ!
吾輩は引き続き、エーテルが乱れた土地の割り出しを急ごう。
「紅葉戦争」を語るに外せぬ「ファインサンド平野」について
知りたければ、吾輩に再び話しかけるがいい。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
今回の講義は「ファインサンド平野」についてだ。
「ファインサンド平野」は、ベロジナ川西岸に広がる死火山の麓、
「ロズリト湾」を望む土地……
川から運ばれた細砂が積もって形成された堆積平野だ。
現在ではグリダニア領だが、
ここは以前、吾輩の故郷、アラミゴ領だったことがある。
1西紀前のことだ。
都市アラミゴで、強健王「マンフレッド」が即位した。
その王は、版図拡大による経済勃興、民意向上を掲げ、
後に「紅葉戦争」と呼ばれる戦の引き金となった、
大規模遠征を行った。
各都市は当然反発し、
特に地理的にアラミゴと接している都市グリダニアは、
槍の名手「バンシュロン」を総大将に大軍をもって戦った。
対するアラミゴの将軍は、
「ラールガー星導教」の熱心な信者であり、
都市民からの人気も高い勇将「ギルバルド」。
両者は各地で衝突し、互いに一歩も譲らなかった……
バンシュロンが病にて没するまでは。
バンシュロンは、勝者なく終わった、
「ファインサンドの戦い」の後……

<旧テキスト>
死の間際に「ナインアイビー」まで軍を引き、
土塁を築いて防戦の構えを見せることで、
アラミゴ軍をおびき出す作戦を立てていた。

<新テキスト>
死の間際に「ナインアイビー」まで軍を退き、
土塁を築いて防戦の構えを見せることで、
アラミゴ軍をおびき出す作戦を立てていた。

彼の没後、大将へ任じられたオスバーンは功名心が強く、
幻術皇に力を示そうと正面からの戦いに挑むことを決意する。
それを知ったギルバルドは、要所にひそかに兵を伏せた。
「キャンプ・ナインアイビー」から出立したグリダニア軍は、
アラミゴ軍による奇襲を何度も受け、
行軍が遅滞してしまった。
オスバーンは予定を取り戻そうと、兵を休ませなかったが、
「ファインサンド平野」のアラミゴ陣を望む丘で、
ついに野営することになった。
ギルバルドの狙いは、これだった!
彼は、6000の兵でもってそれを包囲し
間断なく矢を射かけた上に、水源への道を封鎖したのだ!
グリダニア軍の士気は、もちろん、大いに低下した!!!
オスバーンは状況を打破しようと3度の突撃を仕掛け、
その3度目は、自らが先陣を切ったが突破はならず……
自分を含めて数々の将を捕虜に取られた上、
時の幻術皇に借り受けた、
名杖「クラウストルム」を奪われてしまった。
この大敗により、グリダニアは消沈。
アラミゴの士気は高揚して、グリダニアは一時、
「東の葉脈」近辺まで追いつめられることになる。
功を挙げたギルバルドは発言力を強め、
彼が信仰していた「ラールガー星導教」もまた、
政治的な地位を高めた。
「ファインサンド平野」についての講義は以上だ!
戦史には、多くの教訓と格言が詰まっている。
歴史から学び、今を生きる糧とすること、忘れてはならんぞ。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
戻ったのか……?
ならば、2つのエーテル計測器をさっさと渡してくれたまえ。

よし、確かに受け取った。
……むむむ、君たちの測定結果から、
恐るべき新事実が判明しそうだぞ……!
だが、結論づけるまでには、時間が必要だ。
その間、君はモンクの技の鍛錬に励むといい。
ところで、何だね、さっきから君の袋が光っているが?
……なに、モンクの新しい技を覚えただって?
鍛錬にうってつけの課題ができたな、はっはっはっ。
これも、エーテルの力なのか、やはり素晴らしい。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
ぬぬぬぬ、君たちは……吾輩をコケにしたな!
入手した情報を解析し、天にも昇るほど興奮したが、
冷静に思考を重ねた結果、恐るべき推測にたどり着いた!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
君とウィダルゲルト!
まったく同じ場所で計測をしてきたろう!!!
……同じような計測値に、吾輩は悩みに悩んだ!
夜も眠らず、便所にもいかず悩んだ!
おかげで、真相に気づいた時には失禁寸前だった!
バカにしてるのか、君たちは現地で何をしてたのだ!?
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
……なるほど「チャクラ」か。
正確には「不可視のエーテル調整弁」。
科学的に呼称すればそうなる……名付け親は吾輩だ。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
やれやれ……ウィダルゲルトにも君にも、
しっかりと学術的解説をしておくべきだったと、
吾輩は今、激しく後悔している。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
ウィダルゲルトやモンクたちのいう「気」とは、
「エーテル」のことであり、同一のものだ。
これらは、生命エネルギーとも言い換えられる。
そのエネルギーの流れを自由に増幅させ、
コントロールするのが「不可視のエーテル調整弁」だ。
すなわち君たちのいう「チャクラ」なのだよ。
「気」などと呼ばず、エーテルと呼べばよいものを、
「ラールガー星導教」の連中は、選ばれた者にのみ扱えると、
選民思想のように名称を詐称しておる……これぞ宗教の本質。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
生命エネルギーであるエーテルを誰しもが持つように、
そのエネルギーを調整する機構もまた、皆に備わっておる。
「不可視のエーテル調整弁」がそれだ。
誰にでも開くわけではない、というのは確かに事実だが、
ウィダルゲルトや君は、すでに開くきっかけを持つのだ。
焦らずともよいものをウィダルゲルトのやつめ……。
まあ、今回は若気の至りということで大目に見よう。
吾輩も若い頃には多くの誤り……俗に言う勘違いをして、
何時間もの演説を行い、冷ややかな視線を浴びたものだ。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
そういえば、ウィダルゲルトは、
特に「第七のチャクラ」というものを重要視していた。
「モンク」の究極目的は、それを自在に操ることらしい。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
今回、君たちが同じ場所で測定したことに気づいたのは、
君たちのエーテルの流れ……。
つまり「チャクラ」がノイズとして記録されていたからだ。
おもしろいのは、そのノイズだ!
ノイズの波形は、古戦場のエーテルの波形と
共鳴していたのだよ!!!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
……つまり、こういうことだ。
特定のエーテル波形を持った古戦場に行けば、
それに対応した「チャクラ」が、より開く。
修行なくして、最初に君の「チャクラ」が開いたのは、
君の素養もさることながら、その波形との共鳴があったからだ。
その事実から導き出されるのは……
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
ウィダルゲルトの言う「第七のチャクラ」が実在するなら、
どこかに「第七のチャクラ」に対応した、
エーテル波形を持つ場所が存在するということになる!
「第七のチャクラ」という究極の「チャクラ」が存在するなら、
究極の「古戦場」が存在し……
究極に高まったエーテルがどこかに眠っているということ!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
……よし、決めた! 今度は、君たちが調査対象だ!
君には新たに「エーテル計測器」を渡しておこう!
吾輩が文献から導き出した古戦場、
エーテルの乱れが見られる場所……
東部森林の「ラークスコール」が、次の調査地だ!
君は、現地に「エーテル計測器」を設置し、
周囲の魔物と激闘を繰り広げてみてくれ。
エーテルにさらされた魔物を倒せば、
エーテルの波と共鳴して、君のチャクラはさらに開く!
吾輩は、その数値を次なる研究データとすればよい!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
ウィダルゲルトには……君とかち合わぬよう、
「イーストエンド混交林」に行ってもらう!
なんという優しさ! なんという完璧な比較実験!!
そうそう、君の目的地の歴史なら、本でも探せ。
「イーストエンド混交林」の歴史ならば、
吾輩が丁寧に教えてやろう。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
今回の講義は「イーストエンド混交林」についてだ。
アラミゴとグリダニアによる「紅葉戦争」の緒戦……
「第一次ティノルカ会戦」は、アラミゴの大勝利に終わった。
グリダニアは「東の葉脈」近辺まで、
撤退を余儀なくされた上に戦線は分断され、
散発的な抵抗活動が行われるばかりになっていた。
勝利を確信したアラミゴは、グリダニアへ降伏を勧告。
幻術皇の身の安全を保障する代わり、身柄をアラミゴに置く、
中央森林の一部と東部森林を割譲するなどの条件を提示した。
だが、グリダニアにとっては到底、呑めないものだった。
このとき、グリダニアにとって救いであったのは、
これを見た隣国イシュガルドが、重い腰を上げたことだ。
イシュガルドはリムサ・ロミンサ、ウルダハに呼びかけて、
アラミゴへ宣戦布告。
グリダニアへ向けて、大規模な援軍を派遣した。
とはいえ、イシュガルドが、
純粋な意味での「救い主」であったかというと、そうではない。
イシュガルドは、グリダニアがアラミゴに併合され、
東と南から攻め込まれることを懸念していた。
リムサ・ロミンサやウルダハにしても、
勢力圏拡大を目論むアラミゴをけん制する目的があったし、
グリダニアに恩を売る、という下心もあったわけだ。
ともあれ、4つの都市国家は連合軍を結成。
アラミゴとの全面対決に臨み、
「第二次ティノルカ会戦」が勃発した。
うち、最大の戦いが行われたのが「イーストエンド混交林」。
その前哨戦において、アラミゴは連合軍の斥候に、
別働隊の存在を察知され出鼻を挫かれていた。
そこでアラミゴは、イシュガルド騎兵に対抗すべく、
虎の子のパイク兵部隊を投入。
さらには、兵の士気を高めるため、
アラミゴ王であるマンフレッド自身も、
前線に立つことになった。
対する連合軍は、戦いが始まると総崩れと見せかけ、
アラミゴ軍を「イーストエンド混交林」におびき寄せた。
イシュガルドのチョコボ騎兵の機動性は、
森林地帯では損なわれてしまうが、これには、
アラミゴの長柄のパイク兵の動きを封じる、という目的があった。
この時、活躍したのがグリダニアの弓兵たちで、
戦場には彼らの歌う戦歌も数多く流れたという。
つまりは最近、噂になっている、
吟遊詩人なるものが活躍した、ということだ。
視界の悪い森での戦いに長けたグリダニアの弓兵らは、
次々とアラミゴ兵を射抜き、敵軍に多大な出血を強いた。
かくして大敗したアラミゴは兵を引いたが、
この戦いで、勇将ギルバルドは討ち死に。
マンフレッド自身も負傷したという。
「イーストエンド混交林」についての講義は以上だ!
戦史には、多くの教訓と格言が詰まっている。
歴史から学び、今を生きる糧とすることを忘れてはならんぞ。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
君とウィダルゲルトの計測結果が楽しみだ……。
なに、君はもう測定を終えたのか?
ならば、早く「エーテル計測器」を渡したまえ。

素晴らしい、実に素晴らしいよ!
君の「モンクの証」とやらも、
実に、まばゆく光っているではないか!
君のデータを検証するのが楽しみだ!
それにひきかえ、ウィダルゲルトときたら……。
……何があったのか、聞きたい顔だな。
知りたいならば、もう一度、吾輩に声をかけよ!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
ウィダルゲルトに、君をよこすよう頼まれてな。
南ザナラーンの「リトルアラミゴ」へ行ってやってくれ。
……ところで君は、ウィダルゲルトを危ういと思わんか。
思うだろ、思うよな?
革命だ反乱だと、生産性のないことばかり考えて……
ウィダルゲルトのもとを訪れたら、君からもぜひ、
「人はもっと未来に生きるべきだ」と、
ガツンと伝えてやってほしい。
奴は、生まれのせいか、いろいろなものに縛られすぎだ。
……ああ、奴の活動のことなら、もちろん知っている。
奴は、吾輩が活動のことを知らないと思っているようだが……。
……吾輩も故郷を、アラミゴを愛しているからな。
さあ、急いでやつのもとへ行ってやれ。
……まあ、引きとめていたのは吾輩ともいえるが。
頼んだぞ。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
今回の講義は「モンクとラールガー星導教」についてだ。
「モンク」は「ラールガー星導教」の修行僧であり、僧兵だ。
アラミゴの地では古くから、
破壊と流星を司る神「ラールガー」が信仰されていた。
その最大宗派が「ラールガー星導教」……
ウィダルゲルトのやつが、所属している一派だ。
「星導教」の総本山である「星導山寺院」の僧侶たちは、
「破壊神ラールガー」に一歩でも近づこうと、厳しく、
そして過酷な、肉体と精神を鍛える修行を欠かさなかった。
これこそ「モンク」が操る体術のルーツだ。
彼らは体内のエーテル、彼らの言う「気」の流れを感じ取り、
これを練って破壊の力に変える技を編み出し、継承してきた。
しかし、それだけでは収まらないのが、人の世の常だ。
そうでなくては、吾輩もおもしろくない。
「星導教」の僧侶らは、やがて僧兵の側面を持つようになる。
これは、ギラバニア地方に戦乱が絶えず、
彼らが自分たちの寺院を守る必要にかられたからだ。
成立当初、ただの自衛集団であった「星導教」の僧兵たちは、
しかし、時代が下るにつれて、
勢力争いなどを繰り返すようになっていく。
神意を盾に、武力行使をいとわない「星導教」に、
頭を痛めた時の権力者たちは、
逆に、彼らを権力側に取り込んでしまうことを思いつく。
「星導教」と王権の癒着に伴い、
それが率いる僧兵や「モンク」たちは、
国軍と一体化していった。
彼らはアラミゴ君主の剣、あるいは盾として力を発揮し、
日増しに政治的な力を持つようになっていった。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
今回の講義は「星導教のその後」についてだ。
政治的な力を増した「星導教」は、国教に指定され、
政治や経済、文化に多大な影響をあたえたが……
そのあまりに強い発言力を快く思わない者もいた。
アラミゴ最後の君主にして、最悪の暴君……
廃王「テオドリック」もそのひとりだ。
王にとって、「星導教」は目の上のたんこぶでしかなかった。
そこで彼は、宗教勢力からの王権独立を狙い、
「我はラールガーの主人である星神ニメーヤから、
 王権を付与された」と、主張を始めた。
さらには、ラールガーやその他の神々の崇拝を禁じ、
ニメーヤの代理人である自分を信仰するよう強要、
また、これを王による絶対的支配の論拠とした。
「星導教」を含むラールガー信徒は反発し、
各地で反乱を起こしたが、しかしそれはむしろ、
テオドリックの思惑どおりだったといえる。
テオドリックは反乱を主導した高僧を捕らえると、
拷問の末、捕らえた高僧から、自身の廃位計画を聞きだした。
時に第六星暦1552年。
テオドリックは、大軍をもって「星導山寺院」を包囲。
非戦力の僧侶や信者、相次ぐ戦乱で焼け出された避難民、
地所耕作のために雇われていた農民問わず、
ひとり残らず排除した。
「星導教」の「モンク」や僧兵らは必死に防戦したが、
大軍勢にはかなわず、その主だった者は、
ほとんどが死んだと伝えられている。
……こうして、
「チャクラ」の完全なる使い手はいなくなったのだが……
希有な才能によって目覚めた君はともかくとして……
ウィダルゲルトのやつは、いったい、何なのか?
やはり、才能ゆえのことか?
ふふん、歴史は本当におもしろいな。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
おお、戻ったか!
ウィダルゲルトの様子などを聞きたいところだが、
今、吾輩は歴史的発見の論文執筆で大変忙しい!
論文を完成させ、学会で発表する日は近い!
それまで、君も、抑えきれぬ興奮を、
鍛錬にでもぶつけながら待っておれ!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
はっはっは! 愉快痛快!
あいつらの間抜け顔といったら!
「砂礫戦争」のアマルジャ族、
「グランドウェークの戦い」のアラミゴ兵もかくや!
あー、おかしいっ!
しかし、この天才的比喩表現が、
君にまったく伝わらないのは、とても残念だ!!
学究の徒らしく、結論から言おう!
学会は大成功だ! 誰もが吾輩の言葉に悶絶!
地鳴りのような拍手とは、ああいうのを言うんだろう!
すべて、君とウィダルゲルトのおかげだ!
吾輩の頭脳を遣わした神々と、ウィダルゲルトと君を
派遣してくれた格闘士ギルドに、賛辞を送らねばな!
ところで……ウィダルゲルトは、どこへ行った?
向学心が目覚めたのか、学会の会場にやつを見た。
だのになぜ、未だ吾輩に感動の言葉を述べにこんのだ!?
ああああああああああああああああああっ!!!!!!
なんたること……。
吾輩は戦争の後押しをしてしまったのか……
まずい、これはまずいぞ!!
そもそも吾輩は、前回の計測で君とウィダルゲルトの
眠っている「第七のチャクラ」と思しき波形を割り出し、
それと共鳴する波形を持つ場所を突き止めた。
……それはモードゥナ「銀泪湖北岸」。
かの地を調べ、そのエーテルの波から導き出される結論により、
今回の西紀の大発見を行ったのだ!
……これが、学会で発表した内容。
その学会の会場には、ウィダルゲルトの姿があった……。
これは、つまり「第七のチャクラ」を開く場所を、
奴に教えてしまったことに他ならない!
……そして、もともとウィダルゲルトは、
祖国アラミゴを取り戻すために、
ガレマール帝国の技術力に匹敵する「力」を欲していた。
「第七のチャクラ」は、奴が真っ先に考えつく「力」だろう。
……アラミゴの悲劇は、二度と繰り返してはならん。
「目に見える力」だけでは、だめなのだ!
まさか、君まで戦争に加担するつもりではあるまいな?
[player]!
ウィダルゲルトを止めてくれ!
奴は、十中八九モードゥナ「銀泪湖北岸」にいる!
……吾輩の言葉では、だめなのだ。
実の子にすら届かなかった、薄っぺらい言葉だ。
しかし君の言葉なら、あいつに届く……いや届けてみせよ!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
今回の講義は「銀泪湖」についてだ。
「銀泪湖」を含むモードゥナ一帯は、
古代から「霊的な力が強い」とされてきた場所だ。
例えば、アラグ帝国の初代皇帝「ザンデ」の墓は、
モードゥナの地下に作られた。
「銀泪湖」に宿る力で復活する、と考えられていたからだ。
「銀泪湖」にまつわる神話や口伝は数あるが、
その最も古いものといえば、「銀泪湖の龍神伝説」だろう。
深遠な洞察は民俗学者に譲るが、吾輩の知る話ではこうだ。
時神「アルジク」に続いて、妹「ニメーヤ」が渦より誕生し、
世に水の理が生じると、その中心に「銀泪湖」ができた。
水の理とともに湧き出でたこの湖は、途切れることなく、
魔力の湧き出る「魔力の源泉」であった。
二柱の神は、湖が悪しき者の手に渡らぬよう、
水の理とともに現出した幻龍「ミドガルズオルム」に、
守らせることにした。
後の人々はこの龍を「湖の守り神」として、
崇め奉ることにしたという。
その「守り神」というのが……
……ほれ、「銀泪湖」の中央に翼を広げる黒い屍だ。
なぜ、そんなことがわかるのかだと? まあ、聞け。
今から15年前のことだ。
我が祖国であるアラミゴを占領したガレマール帝国は、
飛空戦艦「アグリウス」を含む艦隊を「銀泪湖」に派遣した。
エーテルの流れが濃いこの地を、
押さえようとしてのことだったのだろう。
その時だった、湖面がみるみるうちに盛りあがり、
裂けたかと思うと、幻龍「ミドガルズオルム」が現れて、
帝国艦隊に襲いかかったのだ。
これが、今の世に言う「銀泪湖上空戦」だ。
激しい戦いの末……
「アグリウス」と「ミドガルズオルム」は相討ちになった。
「アグリウス」は墜落し、艦載青燐炉が破損。
結果、起きた大爆発により「ミドガルズオルム」は、
一瞬にして黒い屍と化した…………らしい、うむ。
「アグリウス」の残骸と、
それに巻きついた「ミドガルズオルム」の屍は、
後に「黙約の塔」と名付けられた。
宗教家や神話学者にとって、
神の存在証明に関わる興味の対象になると同時に、
多くの人には、帝国の軍事力の象徴として受け入れられている。
なぜ「ミドガルズオルム」が現れたのか、
あの龍は本当に「ミドガルズオルム」であったのかは、
謎のままだ。
吾輩などは、あの戦い自体、
「ガレマール帝国の大芝居だった」と推測しているのだが、
はてさて……。
しかし! 吾輩は今回の調査を通じて、
銀泪湖にはさらなる歴史が埋もれていることを突き止めた!
これこそが、吾輩の成した西紀の大発見だ!!
かの地のエーテル波は乱れており、それは前述した、
「銀泪湖上空戦」によるものだとばかり思っていたが、
そうではなかったのだ!
銀泪湖のエーテルの乱れはひとつではない。
「黙約の塔」が放つ不規則なエーテル波動のほか、
南東の地下奥深くより、さらに強烈なエーテル波を計測した!
これが、当時はまだ地中に埋もれていた、
「クリスタルタワー」だったのだよ!
古代アラグ文明の技術の結晶、「クリスタルタワー」!
霊災を機に地上に姿を現し、
この5年で天を衝く巨塔と化した……素晴らしい!
5000年以上の時を超えて、
蘇った伝説の巨塔……まさしく神秘ではないか!
君も一度でいいから、その目で拝んでみるといい。
……さて、今回の講義はこれでおしまいだ。
吾輩が「クリスタルタワー実在説」を発表した時は、
学会で大議論を巻き起こしたものだが……
霊災により、その正しさが証明された。
今ではアラグ文明研究の専門家集団「聖コイナク財団」が、
必死に研究を進めていると聞く。その結果が楽しみだよ。
モードゥナ
先ほどの光!
「第七のチャクラ」が、完全に開いたようだな!!
モードゥナ
成し遂げた者の顔をしている!
ありがとう! よくぞ、ウィダルゲルトを救ってくれた!
モードゥナ
やかましいッ!!
モードゥナ
ああ、殴ったとも!
文句があるか、この石頭め! 心配させおって!
まったく、こうなる前に、言わねばと思っていたんだ!!
モードゥナ
ようく聞け!
「ガーロンド・アイアンワークス」のシド・ガーロンド……
彼が発表した論文によると、この地は「惑星の中心」だ!
……知っているかね?
世界は、丸い球……惑星「ハイデリン」というものの上に
へばりつくようにしてあり、我々はその上で生を営んでいるのだ。
モードゥナ
吾輩は、天文学者や生物学者ではない。
しかし超自然探求者として、はっきり言えることはひとつ。
惑星「ハイデリン」に満ちる生命エネルギー。
……つまりエーテルこそ、君たちのいう「気」だ。
世界の中心と「チャクラ」は繋がっているのだ!
それすなわち……
この偉大な世界と、君たちは同じ存在だということ!
その力は、時に日照りや嵐を起こして
荒ぶる必要もあるだろう!
だが、この偉大な世界がもたらすのは、それ以上の幸福だ!
大地を支え、命を生み育て、未来を紡ぎだしている!
君たちも、そうあらなきゃならんのだ!!
モードゥナ
ウィダルゲルト、お前のやろうとしたことは、
ガレマール帝国となにも変わらん。
「力」を「力」で奪っても、未来になど進めん!!
モードゥナ
……言わねばならんのだ……。
モードゥナ
言わねば、ならんのだよ!
たとえそれが、どんなに今は苦しく辛くとも。
たとえそれが、愛する妻や、我が子の耳に響かなくとも。
言い続けること、そして、これまでの戦史が語るように、
「力」では、なにも生まないということに気づくことでしか、
愚かな我々は、未来には進めんのだ。
モードゥナ
力を担う者は、偉大な世界と同じ重責を果たす義務がある!!
君がここ「内地」で学ぶべきは、過去ではなく未来だ!
未来を切り開く「力」を、どう使うかを学ぶべきだ!
……それが、祖国の人々を導く者の務めだろう?
モードゥナ
ありがとう、[player]。
すべて、君が協力してくれたおかげだ。
戦史研究家として、ひとりのアラミゴの民として。
心から、感謝する。
モードゥナ
[ 23.6 , 10.8 ]
正直なところ、あの石頭がそうそう砕けるとは思わん。
しかし、砕けてもらわなければ困る、なにしろあいつは……。
……おっと、これはまたの機会にでも話すとしよう。
とにかく、話を聞いてやってくれ。
でなければ、あいつの中で折り合いがつかんだろうからな。
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
「モンク」の道を極めたからこそ、歴史を顧みる重要性は増す。
それを理解した上で、吾輩に問うたのだな?
さあ、しっかりと刻み込むのだぞ!
ウルダハ:ザル回廊
[ 10.6 , 13.1 ]
アラミゴ最後の王・廃王「テオドリック」が、
暴君であったことは、「モンク」の講義で語ったとおり。
彼が最後の王となったのは、ある意味必然であったと言える。
では、その必然とはいかなるものだったか。
今回の講義では、そこに焦点を置いてみよう。
テオドリックが宗教勢力、すなわち「ラールガー星導教」の、
王権すらも侵すほどの力を疎み……
これを排除するため、
「星神ニメーヤから王権を付与された」などという、
世迷い事を主張したことはすでに語った。
しかし、それだけで堅牢なる都市、
アラミゴの体制が揺らぐはずなどない。
アラミゴを真に揺るがせたのは、宗教弾圧の後に顕著となる、
彼の奇々怪々な思惑のもとに行われた数々の愚行、
そして、人倫にもとる数々の蛮行だったのだ。
「星導山寺院」に対する焼き討ちの後、
宗教勢力からの抵抗が下火になると、テオドリックは、
異様な熱意をもって片端から王族を処刑しはじめた。
前王時代からの忠臣だろうが、おかまいなしに、だ。
とはいえ、「石を投げれば王族にあたる」と言われた
王宮であっても、そう毎日処刑を行っていれば、
処刑する相手もいなくなるのも当然。
王族……ことに王位継承権を持つ輩は、
ふた月もしない間に姿を消し、
テオドリックは、標的を貴族や議員、豪商へと移していった。
身の危険を感じた彼らは、テオドリックの妻である王妃に、
暴政を諌めてくれるよう訴えでて、それは聞きいれられたが、
肝心のテオドリックが王妃の言葉に耳を貸さなかった。
王妃も「やむなし」と思ったのだろう、
王太后や貴族連中と結び、彼を謀殺しようとした。
だが、ひとりの貴族が裏切り密告したことで謀略は潰え、
企てに参加した者全員が、処刑人のもとへ送られる結果となった。
この事件から粛清は激しさを増し、権力者から市井の者まで、
それこそ、アラミゴ中で血の雨が降ることとなったのだ。
この後は、なんとなく想像がつくだろう。
王宮で追従と密告が乱れ飛び、都市民は家に閉じこもる。
それを難癖つけて処刑しようとする王を、
諌めようとしては忠臣がたおれる。
耐えかねた都市民が一斉蜂起したところで、
王を守るべき近衛の連中が戦いもせずに、
反乱軍の勝利を称えたところで誰が文句をつけられよう。
……たとえその蜂起が、
帝国にそそのかされてのものであったとしても、だ。
ともかく、テオドリックは、
王宮へなだれ込んだ反乱軍に追いつめられた末に自害し、
ここに、アラミゴ王家の血は途絶えた。
……のだがな、実はひとりだけいるのだよ、
アラミゴ王家の血族が。
彼の名は「テオドレッド」。
赤子のころにその母の機転によって、
僻地にあった星導教の山寺に預けられた、
テオドリックの甥にあたる人物だ。
「アラミゴ最後の王」についての講義は以上だ!
歴史的事件の裏には、多くの教訓が詰まっている。
過去から学び、今を生きる糧とすることを忘れてはならんぞ。