えおろーぐ

キノコの胞子に、いろんな錬金薬を混ぜ混ぜして、
コトコト煮込んで、魔法薬を作っているんすよ！

ほぁ……！？
あんた、自分と取引してくれるっすか……？

といっても、自分は今、何もできないブタキノコ野郎っす……。
得意の魔道具製作をしようにも、
「インビジブルインク」を「アンチロウ」たちに奪われて……。

ああ、えっと、「アンチロウ」っていうのは、
自分たちと同じン・モゥ族でありながら、仕事嫌いな連中っす。
名誉も何もなく、遊び惚けて、野盗まがいの生活をしてる……。
自分も、散歩の帰りにカツアゲされたんすよ！

……そうだ、もし腕に自信があるなら、
奪われた「インビジブルインク」を、
取り戻してくれないっすか！？
それほどのことをしてくれたのなら、
とっておきの魔道具を作ってあげるっす！！

奪われた「インビジブルインク」は、複数あるんす。
南にあるアンチロウの根城「コラード菌床」から、
ひとつでも多く奪還してほしいっす！

アンチロウの根城は、南にある「コラード菌床」っす。
あいつら、よそ者を見つけるとすぐに襲い掛かってくるから、
気をつけるっす！

あばばば……！
許して、許してほしいっす……ティターニア様ぁ！

あ、ああ、あんたっすか。
「インビジブルインク」は取り戻せたっす？

わわっ！　これ、ほとんど全部そろってるっす！
すごいすごい、感謝感激っす！

久々にティターニア様の声が聞こえちゃって、
ますます気落ちするとこだったけど、
おかげで、ちょっと元気がわいてきたっすー！

……あれ？　もしかして、あんたも妖精王の声を聞いたんす？
それは……お互い、不運だったっすね……。

普通、どんな生き物も、罪喰いになった時点で知性を失うっす。
ティターニア様も例外じゃないんすが、
本能だけが、半端に残っちゃったみたいなんす。
それで、「遊びたい」とか「ここから出せ」とか……
そういう強い執念が、封印の隙間から漏れ出して、
ときどき誰かのもとに届いちゃうっす……。

本当はみんな、わかってるんすよ。
あの声を、永遠に無視し続けることなんてできないって……。

っとっと、話がそれたっすね。
あんたの素晴らしい仕事ぶりに、相応の働きをお返しするっす。
サラサラサラリ、サッサカサ！　はい、持っていくっす！

実は、またまたお願いしたいことがあるんすけど、
お力を貸してくれないっすか……？
も、もちろん取引にふさわしいだけの対価はあるっす！

どうもっす……！
「キノコ入りの小包」を「姿見の湖」にいる、
「背の高いフーア族」に渡して、錬金薬を貰ってきてほしいっす。

フーア族は、変わったヤツが多いっすけど、
中でもアイツは、ずば抜けておかしいやつなんっすよ。
妙に背も高いし、ヤバい感じがプンプンするっす……。
むっちゃ良い錬金薬を作ってくれるんで、取引してるんすけど、
正直、苦手なんで、なるべく会いたくなくって……。
どうか、こんなキノコ野郎の自分の代わりにお願いっす！

「キノコ入りの小包」を「姿見の湖」にいる、
「背の高いフーア族」に渡してほしいんっす。
どうか、こんなキノコ野郎の自分の代わりにお願いっす！

どうっすか？
錬金薬、貰えたっすか？

お、これっすよ！　代わりに行ってくれて、感謝感激っす！
アイツ、変な奴じゃなかったっすか……？

この錬金薬には、キノコの成長を促す効果があるっす。
ヒトの錬金術師にしか造れないもので、
かつてはフッブート王国の人々から仕入れていたらしいんすよ。
でもアイツ、フーア族なのに、
ヒトの薬を作れちゃうなんて、凄いヤツっすよね。
なんだか、いろいろと不思議なヤツっす……。

アイツと話してると、なんだか頭が痛くなってくるんで、
これからも、誰かに代わりに行ってもらうとするっす。
とにかく、ありがとっすよ！

は～、いい取引をさせてもらったっす。
やっぱり、名誉ある仕事はいいものっす。

……そういえば、さっき長老が戻ってきてたっすよ。
あんたたちの評判を聞いて回ってたんで、
何か話があるかもしれないっす！

ウィド＝インク長老なら、奥の焚火のそばにいるはずっす！

『夜は愉快、我らは歌う』

昔のン・モゥ族が、フッブート王国と交流していたように、
外の国のヒトたちと、よい取引ができればと思ってるんす。
まだ見ぬ、素敵な錬金薬を手に入れたいんすよ！