紫炎のランバード
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西ラノシア
…………気に入りました。
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西ラノシア
「人」の器をはるかに超える、その力。
この私に……
この私に……
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西ラノシア
ひさしぶりですね、シ・ルン。
最後に会ったのは、20年前でしたか……?
最後に会ったのは、20年前でしたか……?
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西ラノシア
「紅の疾風」……懐かしい。
身内の手にかかって消滅した、悲運の部隊でしたね。
身内の手にかかって消滅した、悲運の部隊でしたね。
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西ラノシア
いいえ。
最後の隊士である君も…………
最後の隊士である君も…………
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西ラノシア
いま、ここで死ぬ!
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西ラノシア
フッ、雑魚が増えたようですね。
興がそがれました……いずれ、また会いましょう。
興がそがれました……いずれ、また会いましょう。
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モードゥナ
よく見れば、替え玉……アリアとかいう娘ですね?
なるほど、一杯喰わされたようです。
なるほど、一杯喰わされたようです。
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モードゥナ
……変わりませんね、シ・ルン。
もう、うんざりなんです。
もう、うんざりなんです。
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モードゥナ
「抗う力」で、多くの人を救ってきましたね。
君も、私も、仲間たちも……それで、何かが変わりましたか?
古の「赤魔法」は、もっと偉大な可能性を秘めています……。
赤魔法は、魔力の源に制限をかけるかわりに、
肉体を魔力の加速器と化して放つ、強力な魔法。
では仮に、制約を捨て、自然界の膨大なエーテルを用いたら……?
君も、私も、仲間たちも……それで、何かが変わりましたか?
古の「赤魔法」は、もっと偉大な可能性を秘めています……。
赤魔法は、魔力の源に制限をかけるかわりに、
肉体を魔力の加速器と化して放つ、強力な魔法。
では仮に、制約を捨て、自然界の膨大なエーテルを用いたら……?
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モードゥナ
そのとおり……赤魔法が示す可能性。
そのすべてを解き放てば、人は究極の大魔法をも行使できる。
なのに「肉体」という牢獄が、魂の飛翔を拒む……。
そのすべてを解き放てば、人は究極の大魔法をも行使できる。
なのに「肉体」という牢獄が、魂の飛翔を拒む……。
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モードゥナ
20年前…………
私は古の秘術に、その限界を超克する可能性を見出しました。
己の肉体を造り変え、より大いなる魔力を御する方法をね。
……代価は、安くありませんでしたよ。
肉体の再構築のため、十数年の眠りを要したほど。
私は古の秘術に、その限界を超克する可能性を見出しました。
己の肉体を造り変え、より大いなる魔力を御する方法をね。
……代価は、安くありませんでしたよ。
肉体の再構築のため、十数年の眠りを要したほど。
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モードゥナ
あらゆる制約を超えた、究極の自由……!
黒でも白でも赤でもない、そのすべてを超える魔法の力!
黒でも白でも赤でもない、そのすべてを超える魔法の力!
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モードゥナ
「紅の疾風」の仲間たちは、幸運でしたね。
究極への第一歩……最初の実験の、犠牲になれたのですから……!
究極への第一歩……最初の実験の、犠牲になれたのですから……!
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モードゥナ
私の術は、あらゆる禁忌と無縁……。
君の魔法では、私に抗えない!
君の魔法では、私に抗えない!
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モードゥナ
やはり、恐ろしい男です……。
かすり傷を負わせるのが、やっとだとは……!
ですが…………
かすり傷を負わせるのが、やっとだとは……!
ですが…………
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モードゥナ
傷ひとつで、充分です。
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モードゥナ
私の得た力のひとつ……獲物の生命を喰らう「ソウルスティール」。
この死の棘で、ひとたび傷を負った者に……等しく死をもたらす。
この死の棘で、ひとたび傷を負った者に……等しく死をもたらす。
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モードゥナ
おや……まだ息がある……?
やはり、君の魔力は侮れません。
その命数も、まもなく尽きる……。
最後に、君の疑問に答えてあげましょう。
私がガレマール帝国にくみする理由をね。
やはり、君の魔力は侮れません。
その命数も、まもなく尽きる……。
最後に、君の疑問に答えてあげましょう。
私がガレマール帝国にくみする理由をね。
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モードゥナ
この肉体のおかげで、私は己の限界を超えた魔力を行使できる。
ただし身体を維持するため、常に誰かの生命を喰らわねば、
ひどく腹が空く……。
暗殺団は、飢えを満たし、己の探究に没頭できる理想の環境……
その機会をくれた帝国の将ゼノスには、心から感謝しています。
ただし身体を維持するため、常に誰かの生命を喰らわねば、
ひどく腹が空く……。
暗殺団は、飢えを満たし、己の探究に没頭できる理想の環境……
その機会をくれた帝国の将ゼノスには、心から感謝しています。
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モードゥナ
「抗う力」は、何もあたえてくれませんでしたね。
……滅びに抗いつづけた君の20年は、ここで終わる!
……滅びに抗いつづけた君の20年は、ここで終わる!
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モードゥナ
……「抗う力」を継いだ者たちですか。
よろしい、全霊で抗うがいい!
よろしい、全霊で抗うがいい!
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紫炎のランバード
モードゥナ
強き者が、弱きを喰らう……それが、ただひとつの真実。
定めに抗うなど、絵空ごとにすぎません。
定めに抗うなど、絵空ごとにすぎません。
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紫炎のランバード
モードゥナ
ほう……意外と骨があるようですね。
そうでなくては、潰し甲斐がない……。
さすがは、シ・ルンの教え子……。
しかし、これはどうです?
さて……前奏は、ここまで。
シ・ルンを倒した「死の棘」……次の獲物は君です!
そうでなくては、潰し甲斐がない……。
さすがは、シ・ルンの教え子……。
しかし、これはどうです?
さて……前奏は、ここまで。
シ・ルンを倒した「死の棘」……次の獲物は君です!
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紫炎のランバード
モードゥナ
なッ……治癒魔法で傷をふさいだというのですか?
まだ、倒れぬとは……予想以上の力を秘めているようですね。
ならば再び、「死の棘」の餌食になってもらいましょう!
まだ、倒れぬとは……予想以上の力を秘めているようですね。
ならば再び、「死の棘」の餌食になってもらいましょう!
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紫炎のランバード
モードゥナ
そろそろ、フィナーレです!
古の秘術がもたらす強大な魔力の奔流……君たちに耐えきれますか!
フハハハ……逃げ場はありませんよ!
この世ならざる異界の獄炎に、魂を灼かれなさい!
古の秘術がもたらす強大な魔力の奔流……君たちに耐えきれますか!
フハハハ……逃げ場はありませんよ!
この世ならざる異界の獄炎に、魂を灼かれなさい!
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紫炎のランバード
モードゥナ
な、何ッ……!
まさか、異界の獄炎を滅するとは……!
バカなッ……!
魔力勝負で、私を凌駕する者がいるだと……!?
くッ……ここまでだというのかッ…………!
まさか、異界の獄炎を滅するとは……!
バカなッ……!
魔力勝負で、私を凌駕する者がいるだと……!?
くッ……ここまでだというのかッ…………!
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モードゥナ
それが20年間かけて見つけた、君の答えというわけですね?
認めましょう……抗うことを貫いた、君の心が勝利を呼んだ……。
きょう…………この日においてはね。
認めましょう……抗うことを貫いた、君の心が勝利を呼んだ……。
きょう…………この日においてはね。
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モードゥナ
しかし因果は時に、実に意地の悪いめぐりあわせを用意する。
なるほど………………この娘が、ね……。
なるほど………………この娘が、ね……。
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モードゥナ
フフ……君たちが、この皮肉な定めに抗うことができるのか?
見届け……られないことが…………………心残り、です……。
見届け……られないことが…………………心残り、です……。
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