えおろーぐ

……貴殿が噂の解放者か。

我が名はフラン……！
ダルマスカ解放のために戦うレジスタンス「レンテの涙」の幹部。

フフン……ヴィエラを見るのは初めてか、解放者よ？

……なるほど、オーボンヌ修道院か。

貴殿らがオーボンヌ修道院とやらの遺跡を探している、
……というのは本当か？

ゴルモア大密林……彼の地は我がヴィエラの故郷にして聖地。
何人たりとも踏み込むことの許されぬ地だ……。
それを知った上で、行こうというのか？
しかも、貴殿は我がダルマスカの敵、ガレアン人に協力する者だ。
祖国を失った者にすれば、貴殿は侵略者の手先……。
にもかかわらず、我らが聖地を蹂躙しようというのか？

►ジェノミスたちは
国を追われたとて奴らガレアン人は、
我ら亡国の民にすれば怨嗟の対象。
恨んでも恨んでも、それでも足りぬ輩ぞ！

►敵はガレマール帝国
国家と国民は異なると？
その責任は民にまったくないと、そう言うのか？
……はたして亡命ガレアン人は本当にそう考えているのかな？

たかがモーグリ族のおまえがダルマスカ人？
ハッ、ダルマスカの誇りがその血に流れているとでも？

……取引をしようではないか。

そうだ、取引だ。

第一に、我々ダルマスカのレジスタンス「レンテの涙」は、
エオルゼア同盟軍及び東方連合の軍事支援を得たい。
……再び帝国と戦うためにな。
貴殿は「暁の血盟」の一員として各国とのパイプが太いと聞く。
ならば、我が申し出を代表者たちに伝えて欲しい。

第二に、帝国との開戦を前に、
弱体化した組織を強化するため、資金援助を得たい。
貴殿は東アルデナード商会とも協力体制を築いていると聞く。
あの商会、裏では帝国と商売をし多額の利益を上げているとか。
利益のために貴賤なし……ならば我らとも手を組めよう。

このふたつの要求を呑むようであれば、
ゴルモア大密林に眠る古代遺跡、
オーボンヌ修道院とやらへ貴殿たちをこの私が案内しようぞ。

大局の前に亡命ガレアン人など知ったことか！
利用できるものは利用する……。
そうでなければ帝国に勝利することなど夢のまた夢！

さぁ、どうする？
取引に応じるか、否や！

►努力はしよう
構わぬ、貴殿は我が申し出を伝えるだけで結構。
その結果について、貴殿に責を負わせるつもりはない！

►安全を保障しろ
我が言を疑うか！？
我らの敵はダルマスカを蹂躙する外道どもだ！
戦う気のないガレアン人に興味はない！

ブワジ！
彼らを送り届け、そして我らの申し出の行く先を見極めるのだ！
行けッ！！

このような甘い願いなど聞き入れられるはずもなく……。
戦いは熾烈かつ冷酷なのですよ、アーシェ様……。

無粋な妄想はそこまでにしてもらおうか、
亡命ガレアン人の劇作家よ。

いかにも、我が名はフラン。
「レンテの涙」のリーダーの命に従い、参上した。

……我らの要求は、残念ながら実ることはなかったが、
貴殿らの努力について我らも報いねばなるまい……。
それが我が主の命である。

……であれば、目当てのオーボンヌ修道院とやらは、
ゼイレキレ大河の中程の滝に隠された遺跡……
おそらく、この遺跡だと考えます。

こ、これが伝説の聖石の力……？
なんと禍々しい……。

あれが……聖石の力……？
いや、穴の向こうから感じたあのおぞましいエーテルは……
あれこそが……災いの元凶たる殺戮の天使だというのか……。

この鬱蒼としたジャングルが我が故郷……。
いや、故郷をとうに捨てた私が懐かしむのは違うか……。

……手当てしないと！
ブワジ、手を貸せッ！

……どうやらアルテマはあの修道院から外へ出られないようだな。
何故、出ることができないのか不明だが、
出るための術を探しているということか？　もしや聖石は……。

いや、少なくとも一度はアルマから「魔」を引き離したのだ。
聖石オティスとやらを破壊することはできたのだから、
貴殿はきっちりと仕事をこなしていたのだと思う……。

気になったのは、「魔」が語ったことだ。
自らを召喚した者の末裔を憑代にすると……。
ラムザ……貴殿ら親子の祖先があの「魔」を召喚……？

……とすると、あの「魔」を召喚した者とはいったい？

今の話が真実だとするならば、
聖天使アルテマを召喚した者の末裔とは……

どうやら、私は浅はかだったようだ……。

エオルゼア軍事同盟や東方連合の支援、
そして東アルデナード商会の資金援助など駄目でもともと。
それならそれでセカンドプランを実行すればよいだけのこと。

セカンドプラン……すなわち「聖石」を奪取し、
ガレマール帝国との来るべき戦いに「兵器」として投入する。
……フフ、我ながら甘すぎた計画のようだった。

心は決まった。
私が貴殿をオーボンヌ修道院へ……
その深部へ案内しようぞ。

早とちりをしないで欲しい。
私には、亡命ガレアン人の悲願なんぞ、どうでもよい。
だが、こんな「危険」が彼の地にあるのだとしたら見過ごせん……。
我が故郷・ゴルモア大密林のために……
ひいてはダルマスカ王国のために……
貴殿に課せられた使命が果たされるのを見届けようぞ。

……すまない、貴殿を騙すような真似をして。
だが、我々「レンテの涙」は……いや、全レジスタンスは、
汚い手段を取らねばならぬほど追い込まれているのだ……。
……これ以上、言い訳するのはやめておこう。
とにかく、あのガレアン人の若者を助けに行こう。
そして、我が故郷に眠る「災いの元凶」を退治するのだ！

貴殿らが探すオーボンヌ修道院とやらは、この先の遺構だろう。
だが、用心するがいい……このあたりは危険だからな。

こんなところでハーピーどもと遭遇するとは！
……護人の気配を感じぬわけだ！

さすがは解放者……光の戦士と呼ばれるだけはあるな。
それにしても、このミスト……いや、このエーテルは？

「オーボンヌ」という名のみが我が氏族に伝えられていた……
修道院かどうかは知らぬが貴殿が探す遺構はこれだろう。

……奥からただならぬ気配を……エーテルを感じるぞ？
あれが封印……？　アルテマへの道を阻む守護者というわけか！

以前、ここを訪れた時、あのような異形の守護者はいなかったはず。
……どうやら聖石を求める者に反応し実体化するようだな。

帝国の侵攻を受けた際、この遺構に難民を避難させたことがある……
ここが聖石という名の厄災の源だとはな……

またしても不審な人影……騎士に見えるが……
ルカヴィか？　それとも守護者か！？

自らの命を捨て守護者になるとは、なんという高潔の士。
我が氏族に課せられた使命に通じるものが……いや、それ以上か。

行き止まりのはずだが、この魔法陣は……？
……この紋様、まさか、転移魔法によるカオスゲートか？？

ここはいったい……？　オーボンヌの地下か？
いや、ここは別空間？　魔法によって閉ざされた亜次元か！？

……この気配、何かが潜んでいるぞ！　用心を怠るな！
それにしても、ここはいったい……？

そういえば長老から聞いたことがある……閉ざされし滅びの都……
名はたしか……ミュロ……ンド？　……そうだ、死都ミュロンド！

ここにも人影が……守護者なのか……！？
だが、この闘気の圧……先ほどの二人と比較にならぬほど強いぞ！

感じるか、解放者よ……！　守護者を倒したと同時に……
異様なミストが……邪悪なエーテルが奥から吹き出し始めたのをッ！！

クッ！　なんと濃厚なエーテルだ……！
この先に違いない……この奥にヤツはいるッ！！

ゼノスを討ちドマを解放した……というのは本当だったのだな。
私は貴殿を侮っていたようだ、
……失礼した、謝罪しよう。すまなかった。
そして、我が故郷に巣くうあの悪魔を退治してくれたことに、
我が一族に成り代わり礼を言おう。
ありがとう、深く感謝する……。

ゼノスを討ちドマを解放した……というのは本当だったのだな。
私は貴殿を侮っていたようだ、
……失礼した、謝罪しよう。すまなかった。
そして、我が故郷に巣くうあの悪魔を退治してくれたことに、
我が一族に成り代わり礼を言おう。
ありがとう、深く感謝する……。
それでは、私はここらでおいとまさせていただこうか。
……実は、先ほど、エオルゼア同盟と東方連合より連絡があった。
別途、願い出ていた難民受け入れの件、承諾を得たのだ。
ダルマスカにはレジスタンスに参加する者だけでない……。
子供や老いた者、怪我人など戦闘に不向きな難民が大勢いるのだ。
かつてドマの難民をエオルゼアで受け入れたと聞いてね……。
軍事支援は無理でもせめて難民だけでも保護してもらえないかと、
タタル殿とユウギリ殿に打診したのだよ。
快諾していただき、我々としては実に嬉しい限りだ。
この報告を我が「レンテの涙」の代表、及び各グループへ伝達し、
早速、移動の準備に取りかかるつもりだ。
全難民の移動は難しいだろうが、
戦禍を逃れられる者が少しでもいればダルマスカにとって幸いだ。
……我々も気兼ねせずに命を賭して戦えるというもの。
それでは、さらばだ、ハイデリンの使徒よ。
またいずれどこかで相まみえようぞ……！
運命が我らを導かんことを……！

リノ、おやめ。

貴殿は、厚意では資金援助しないと言った……。
だが、商売なら別だとも言った、そうだったわね？
だったら、ここが商売のしどころ……そう思わない？

私はこれからも、東アルデナード商会と、
イイお付き合いを望むわ……でしょ……。