帝国に逆らうアラミゴ人反乱分子を根絶やしにしろ!
お気をつけをゼノス様、手練れです……。
フォルドラ・レム・ルプス
狙いはこいつらの様だが、渡せないな……。
戦い慣れている……!
明らかに、ほかの雑魚とは違う……何者だ!?
ゼノス様がおっしゃられた獲物を捕獲し、
只今帰還しました!
必ずや、ゼノス様のご期待に応えます……!
だが、それだけの手勢で落とせると思うなよッ!
貴様たちは、この場で私が始末するッ!
フォルドラ・レム・ルプス
あのときは後れを取ったが、ここで始末してくれる!
ゼノス様より頂戴したこの「ガンブレード」にかけて、
貴様を葬ってやる!
英雄と呼ばれるだけのことは、あるってことか……
だが、これならどうだ!?
ここで……ここで負けるものか!
ようやく栄光をつかみかけたのだ……敗者になどなれるものかッ!
敵の奸計に踊らされ、浮き足だってどうする?
ここで退くような敗者を、ゼノス様が許すものかッ!
ようやくここまで上り詰めたというのに……!
例の娘を連行するのを忘れるな!
只今、帰還しました!
何も成し得ぬまま、戦場ではない場所で死ぬことです……。
己の力で何かを勝ち得たという誇りとともに死にたいのです!
すべては、私の力量不足によるもの……
いかなる処罰も甘んじて受けるつもりです……。
私を罵るすべての者をねじ伏せるだけの力が……!
そのような力を得られるのなら、何をためらう必要がありましょう?
頭が……割れそうだ……。
私は……いったい……。
し、しかし、私はガレアン族では……。
ただちに部隊に合流し、反乱分子の迎撃に当たります。
もちろん、私自ら増援部隊を率いると志願した!
だが、禁じられたのだ!
そして、この基地のカノン砲で砲撃せよと……。
進言する覚悟はあるのか?
砲撃準備を急げ……。
それほどに我らの決意は固く、悲願は重いのだ!
さあ、貴様たちも覚悟を示せ……命令を復唱しろ!
我らアラミゴ人の未来のため、死んでくれ……。
自由の礎となるのだ……。
準備が整い次第、ただちに砲撃せよ……!
アンスフリッド、フルドルフ、エメリン……
ともに学び、訓練を受け、戦い続けてきた誇り高き仲間たち……。
皆が、私の下した命令で死んでいった。
その最期……手に取るように感じられる……。
奴らとて、本望だったことだろう。
アラミゴに生まれた若者たちが、生粋のガレアン族に、
蔑まれることなく生きていけるだけの力を手に入れようとな。
何かを欲するのであれば、対価が必要だ。
支払えるものがないのであれば、血であがなうしか道はない。
市民権を持ってなお、ガレアン族から差別されるのであれば、
何も言えぬほどの戦果を挙げ、権力を手にするほかない。
アラミゴに……帝国に支配された属州に生まれてしまったのなら、
そうやって、自由を勝ち取るしかないのだ!
今の私には、造作もないこと……。
皇族主催の狩猟祭に招待すると……
獲物の群れを率いて、アラミゴ王宮に迫るがいい!
フン、しかも正面からとは、どこまでも忌々しい!
……まぁいい、ここで決着を付けるぞ!
フォルドラ・レム・ルプス
貴様らの手の内が、過去が視えるッ!
フォルドラ・レム・ルプス
あ、頭が……貴様、いったい何をしたッ……!!
フォルドラ・レム・ルプス
「超越者」たる力で、貴様らなど超えてみせるッ!
フォルドラ・レム・ルプス
フォルドラ・レム・ルプス
私たちの自由のためにッ!
フォルドラ・レム・ルプス
フォルドラ・レム・ルプス
その程度の攻撃など、当たるものかッ!
フォルドラ・レム・ルプス
いや……私は……私は…………。
敗れるというのか……。
貴様らが解放軍など立ち上げて反抗しなければ、
アラミゴ人は、帝国の中で自由になれていたんだ……それをッ!
お前たちは負ける……。
蛮神をも超える力を手にしたゼノス様の前にな……。
お前たちは、狩られるために猟場に解き放たれた獲物……。
全部、仕組まれていたんだよ!
全部……全部、無駄だったんだ!
髑髏連隊の犠牲も、お前たちの仲間の犠牲も……
何もかも……全部ッ!
絶対に……。
フォルドラ・ルプス
揃いも揃って、敗者を嘲笑いに来たのか?
いや、それともようやく、
私の願いを聞き届ける気にでもなったのか?
この無駄な命を終わらせてくれるなら、歓迎してやるぞ。
フォルドラ・ルプス
フォルドラ・ルプス
もう生きている意味なんて、これっぽっちもありはしない!
仲間たちは、ほかならぬ私の手で死に、
そして、私はお前たちに敗れた……!
もう生きている意味なんて……!
教えて、教えて?
教えて、教えて?
クズなんかじゃないもん!
死んだ父さんと同じ、アラミゴ伝統の刺青なんだから。
いくら市民権を持っていたって、生粋のガレアン族からは、
蛮族と呼ばれ、同じ帝国人とは見てもらえない……。
だったら、軍に入って、
誰にも文句を言わせないほどの力を手にするしかないんだ。
父さんのように、ならないためにも……!
覚悟はいいね!
私たちは力を手に入れる……。
どんなに苦しくとも、たとえこの中の誰かが死のうとも……
その屍を踏みしめて少しでも上へ……自由を掴むために!
フォルドラ・ルプス
フォルドラ・ルプス
フォルドラ・ルプス
フォルドラ・ルプス
私たちのほんの一部だけだろうがッ!
知った風なことを、二度と口にするな!
私は、お前たちが考えるような女じゃない!
結局は父を殺した奴らを、父を見捨てた奴らを、
見返してやりたかっただけだッ!
……こんな紛い物の力にすがってまでなッ!!
フォルドラ・ルプス
なんで……平然としていられるんだ!?
わけのわからない、他人の人生を見せられて……
苦しんで、裏切られ、身勝手な想いを託されてまで……
どうして、お前は歩みを止めない……どうしてッ!
フォルドラ・ルプス
フォルドラ・ルプス
この化け物をな。
フォルドラ・ルプス
誰のためでもなく、私のために消し去ってやるッ!
フォルドラ・ルプス
リセと言ったな……足手まといだ、去れ!
お前に蛮神と戦う力はないのだろうが……!
フォルドラ・ルプス
私の周囲に集まれッ!
フォルドラ・ルプス
愚問だ、私のことに構うな……!
フォルドラ・ルプス
護りは任せろ、だから、お前たちで……!
い、いつまでも持ちはしないぞ……!
グハッ……はぁ、はぁ、はぁ……
げ、限界が近い……!
フォルドラ・ルプス
フォルドラ・ルプス
牢に戻る。