えおろーぐ

怪我人……ではなさそうだね。
薬の受け取りなら、少し待ってもらえるかい？

このビラを見て、手伝いに来てくれただって？
いやぁ、助かるよ！
薬を増産しようにも、人手が足りず困っていたんだ。
薬の材料である「緋妖花の葉」と「緋妖花の蜜」を、
ホルトリウム園芸館の「レイニール」から貰ってきてほしい。
急で申し訳ないけど、よろしく頼むよ！

おかえり！
「緋妖花の葉」と「緋妖花の蜜」は手に入ったかい？

ばっちりだ、ありがとう！
ここにはいろんな人が運ばれてくるから、とても忙しくてね。
激務すぎて、せっかく新人が入ってきても、
すぐに辞めちゃうことが多くて、万年人手不足でさ。
人の命に関わる、大切で、やりがいのある仕事なんだけどね……。
ともかく手伝ってくれてありがとう、本当に助かったよ。
ここの世話にならないよう、君も気を付けてね。

私は、常日頃からこの医療館に籠りきりなんだけど、
ここからわずかに見える外の景色が闇色だと、ちょっと新鮮だね。
闇色……ふむ……新しい薬のインスピレーションになりそうだ。

何やら、隣の造兵館の方が慌ただしいようだけど。
……何かあったんだね。
私も、私にできることに集中しなくては。

ベスデンに、顔色が悪いと言われたって？
どれどれ……。

本当だ、まるで疲れたときの水晶公のようだね。
そんな君に、よく効くシロップをあげよう。

倒れかけの水晶公のために、
ライナがいつも手配するシロップだよ。
お酢をベースに、いくつか薬効に優れたハーブが入っている。
ほら、疲れが吹き飛ぶから飲んでごらん？
飲んだ後の顔色もみたいから、私の前で飲むんだよ。

ふふふ……恨むなら、勧めてきた男を恨みなよ。
ほら、仕返ししたいならもうひとつあげるよ。
これを「ベスデン」にも持っていってやるといい。

顔色がよくなったね。
「ベスデン」にもシロップを持っていってやるといい。

「闇の戦士」の君と、闇色のシロップを作る私……。
うん、勝手に親近感が湧いているよ。