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テンペスト
……隣、いいかな。
![](/static/img/common/noimage.png)
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テンペスト
キミは、外の時間を生きている子だね。
さては、エメトセルクを追ってきたのかな?
さては、エメトセルクを追ってきたのかな?
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テンペスト
おっと、警戒は不要だよ。
ワタシはただの影、ここに在って無いものだ。
ワタシはただの影、ここに在って無いものだ。
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テンペスト
名を、ヒュトロダエウスという……そう認識している。
ここが、ある時間を写し取っただけの幻影都市だともね。
ここが、ある時間を写し取っただけの幻影都市だともね。
![](/static/img/common/noimage.png)
テンペスト
ほかの影たちは、それに気づいていないみたいだけれど……
大方、エメトセルクがワタシを再現するときに、
雑念でも混じったのではないかな。
「ヒュトロダエウスだったら、真実を見抜くだろう」とかね。
ワタシたちは、これでも良い友人同士だったから……。
大方、エメトセルクがワタシを再現するときに、
雑念でも混じったのではないかな。
「ヒュトロダエウスだったら、真実を見抜くだろう」とかね。
ワタシたちは、これでも良い友人同士だったから……。
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テンペスト
とはいえ、結局のところはほかと同じ、
思い出のアーモロートを彩るだけの、にぎやかしにすぎないよ。
ふいに湧いた泡のように、不確かで脆いものさ。
だから、キミが気を張る必要もない。
待っている間だけ、ただ、ご一緒させておくれ。
思い出のアーモロートを彩るだけの、にぎやかしにすぎないよ。
ふいに湧いた泡のように、不確かで脆いものさ。
だから、キミが気を張る必要もない。
待っている間だけ、ただ、ご一緒させておくれ。
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テンペスト
……ここまで来ているキミなら、知っているかな。
ワタシたちは、「今日」のあと、大きな災厄に見舞われるんだ。
ワタシたちは、「今日」のあと、大きな災厄に見舞われるんだ。
![](/static/img/common/noimage.png)
テンペスト
最初、局地的にはじまったその災厄は、
やがて星全体におよび、正真正銘の終末と化した。
十四人委員会……まあそのときには十三人になってたんだけど、
ともかく彼らは、「星の意志」を創ることで綻びた理を直し、
災厄を鎮めようとしたんだ。
やがて星全体におよび、正真正銘の終末と化した。
十四人委員会……まあそのときには十三人になってたんだけど、
ともかく彼らは、「星の意志」を創ることで綻びた理を直し、
災厄を鎮めようとしたんだ。
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テンペスト
けれど、それほどの創造には、とても大きな力がいる……。
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テンペスト
だから、生き残った人類のうち、
約半数が自分の命を力として差し出した。
約半数が自分の命を力として差し出した。
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テンペスト
そうして生み出されたゾディアークによって、
望みどおり、災厄は退けられたよ。
……でも、この星からはすでに多くの種が失われ、
大地は死に、水は濁り、風さえも淀んでいた。
望みどおり、災厄は退けられたよ。
……でも、この星からはすでに多くの種が失われ、
大地は死に、水は濁り、風さえも淀んでいた。
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テンペスト
そこで、さらにまた半数がゾディアークに命を捧げ……
星を清め、木々や小さな命たちを芽吹かせたのさ。
星を清め、木々や小さな命たちを芽吹かせたのさ。
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テンペスト
そうして、再び命が巡りだしたとき……
人類は、いかにしてこの星を護り続けるかを再考した。
人類は、いかにしてこの星を護り続けるかを再考した。
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テンペスト
十四人委員会の出した結論は、こうだ。
世界を育み、それが再び十分に満ち足りたときに、
いくらかの生命をゾディアークに捧げる……。
それによって、
ゾディアークの中に力として取り込まれた同胞たちを、
地上に復活させ……皆でまた、世界を管理する。
世界を育み、それが再び十分に満ち足りたときに、
いくらかの生命をゾディアークに捧げる……。
それによって、
ゾディアークの中に力として取り込まれた同胞たちを、
地上に復活させ……皆でまた、世界を管理する。
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テンペスト
……だが、それを良しとしない人々がいた。
彼らは、ゾディアークに命を捧げるのをやめ、
新しい世界を、生まれ来る命たちに任せるべきだと言うんだ。
そして自分たちの命から、対のもの、ハイデリンを創り出した。
人類ははじめて2つに分かれて戦い……結果は知っているかな?
彼らは、ゾディアークに命を捧げるのをやめ、
新しい世界を、生まれ来る命たちに任せるべきだと言うんだ。
そして自分たちの命から、対のもの、ハイデリンを創り出した。
人類ははじめて2つに分かれて戦い……結果は知っているかな?
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テンペスト
……そっか。
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テンペスト
エメトセルクたちは、
まだゾディアークの名のもとに動いているようだね。
まだゾディアークの名のもとに動いているようだね。
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テンペスト
当初の計画よりも、だいぶ回り道になっているけれど……
きっとまだ、諦めていないんだ。
あれに何かしらの命を捧げ、同胞を取り戻すことを。
きっとまだ、諦めていないんだ。
あれに何かしらの命を捧げ、同胞を取り戻すことを。
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テンペスト
というか……根が真面目な彼のことだ、
厭だ厭だと言いながら、背負ったものを、
誰にも託せなくなっているんだろう。
厭だ厭だと言いながら、背負ったものを、
誰にも託せなくなっているんだろう。
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テンペスト
……残酷な役回りだよ、本当にね。
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テンペスト
キミの番が来たようだ。
どうぞ、いっておいで。
どうぞ、いっておいで。
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テンペスト
……ああそうだ、最後にもうひとつだけ。
キミのそばには……多分もうひとり、いるだろう?
キミのそばには……多分もうひとり、いるだろう?
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テンペスト
いや、姿形は見えていないんだけれどね。
うっすらと……本当に薄くだけど、もうひとつの魂が視える。
これを捉えられるのは、ワタシくらいのものかもしれない。
それで……キミだけは、
その子に干渉できたりするんじゃないかい?
うっすらと……本当に薄くだけど、もうひとつの魂が視える。
これを捉えられるのは、ワタシくらいのものかもしれない。
それで……キミだけは、
その子に干渉できたりするんじゃないかい?
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テンペスト
フフ……それは偶然じゃないよ。
キミとその子の魂は、同じ色をしている。
ワタシたちの時代において、ひとつだったのさ。
キミとその子の魂は、同じ色をしている。
ワタシたちの時代において、ひとつだったのさ。
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テンペスト
そんな不思議な色の魂は……
うん、いくつに分かたれていても、間違えようがない。
うん、いくつに分かたれていても、間違えようがない。
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テンペスト
まったく、実に「あの人」らしい運命だ。
エメトセルクも、彼女には思い入れがあるだろうから、
キミがそうだと、気づいているかもしれないね。
エメトセルクも、彼女には思い入れがあるだろうから、
キミがそうだと、気づいているかもしれないね。
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テンペスト
では、良い結末を。
懐かしく、新しいキミ…………
懐かしく、新しいキミ…………
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