もう少し悩むかと思ったが、存外早かったな。
……して、どうする。
この首と刀、どちらを求めにきた?
そいつは、この首より、よほど得がたいだろうに……。
だがよい、民がデカい夢も見られんようでは、
主君など、いる意味もないからな!
それに…………。
それに、ここから見ていたが、シリナを助けてくれたな。
あれはわしの恩人だ、深くお礼申し上げる。
そなたらの人柄や強さは、すでに察して余りある。
これからともに戦っていけることが、楽しみでならん!
よろしくな!
面をあげよ、説明を頼む。
反乱軍の戦支度を整えておけ。
留まっている「暁」の客人も、そなたがいれば動きやすかろう。
わしは、ここら一帯のアウラ族を従えてから戻ろう。
じき「合戦」だ、長くは待たせん。
考えてもみろ、わしらは、先の反乱で帝国軍に大敗した。
今は相手の戦力も下がっていようが、こちらはさらに酷い。
ならば、戦力を増してから再戦に挑むが道理だろう。
「合戦」に勝ち、この草原の勇士たちを陣営に加えるのだ!
命を救われた恩、一宿一飯の大恩を返さず去れるものか。
義を果たせぬ不埒者は、人の将たる資格なし!
事実、この背はいまだ、父のそれほど逞しくはなかろう。
されど成す、ゆえに力を貸してほしい。
わしらが遂げるは、驚天動地の大革命だ!
ドマの国主を務めてきた一族の、現当主だ。
しかし、知ってのとおり、ドマは帝国の属州になって久しい。
わし自身も、先の反乱で父上が亡くなったことにより、
なしくずしで当主を継いだ若造だ。
ゆえに、今はただ、
ドマ奪還を目指す、ひとりの同志と思ってはくれんか。
そなたと同じ戦場に立ち、ともに戦ってゆきたい。
……と、口でいうより、態度で見せねばな!
よい風も吹いている、さっそく行くとするか!
そなたら、「終節の合戦」のことは知っておったようだな。
わしも療養中に聞いただけだが、
つまるところ、あれは一帯の地主を決める戦よ。
勝者となった部族には、あらゆる権利が認められる。
ドマへの出兵を願うことも……
まあ前例はなかろうが、道理の内だ!
手段がないわけではないと聞いておる。
そなたらに話したかはわからんが……
実は、シリナの属するモル族も、
今回の合戦に参加することになっておってな。
わしは、モル族に加勢したいと申し出て、
その一員として合戦に出る方法を聞こうと思っておる。
……ということで、だ!
さっそくモル族の住まう「モル・イロー」へゆこう!
彼らは遊牧の民だが、今はここより北に居を構えておるぞ。
この先に見える天幕の集まりが「モル・イロー」だ。
一番大きな天幕の中に、
族長である「テムルン」婆がおる。
まずは彼女に、話を通さねばな!
あの「テムルン」婆が相手とならば、
偽りなく望みを申すのがよいか……。
わしは、故郷の解放に、この草原中の猛者を借りることにした。
それを成すべく、「終節の合戦」に参加したい。
わしらを、モル族の闘士として、改めて迎えてはくれんか?
わしらを加えれば、きっとひっくり返せるぞ。
わしらの功績になんぞなるものか。
それでは、ドマへの出兵など、到底容認されんだろうよ。
長く世話になっておるわしでも、理解しきれておらん。
ただ、巡りあわせという概念ならわかる。
此度のこの巡り、必ずや良い結果を招こう。
なあ、[player]!
ならば厚意に甘えて、一度休息せよ。
いざというときに力が出んと、困るからな。
この草原では、乳飲み子ですら食うために働くのだ。
わしらも大いに狩って、大いに食うぞ!
せっかくだ、ひとつ勝負でもしてみるか!
シリナから、「肥えたオオイタチ」を呼び寄せるために、
「家畜の臓物」を6つもらっておる。
これを、そなたとわしで、3つずつ仕掛けよう。
「肥えたオオイタチ」は、人の住処には寄りつかん。
よりひとけのない場所の方が、誘いやすいだろう。
加えて、水浴びをしに川にくることもあるそうだ。
互いに、ここぞと思った場所に「家畜の臓物」を仕掛け、
より多く「オオイタチのスジ肉」を得た方が勝利……
どうだ、ただ狩るより気合も入ろう?
よーし、では参るとするか!
ゴウセツは審判役を頼む。
無論、オオイタチ以外の肉では、いかんからな!
待たせてすまんな。
だが、とってきた肉の量なら負けんぞ!
それ、6体分だ!
よい場所に仕掛けたと思ったのだがなぁ。
だが、それほどの結果を収めるとは、
そなたが敵の気配を察し、仕留めることに慣れている証よ。
まこと、ドマは頼もしき同志を得たものだ!
引き分けとは、また稀有なことよ!
勝負がつかんのは悔しいが、これも何かの宿命かもしれん。
そなたとは、よき同志として、肩をならべていきたいものだ。
この勝負、わしがいただいた!
しかし、これがそなたの実力とは到底思っておらん。
能ある鷹は爪を隠す、と言うしな。
いずれ、その真価を見るときを楽しみにしておるぞ!
シリナには、[player]から、
まとめて肉を渡してやってくれ。
見た目こそ優美でないが、素材がよいのでウマイ!
そして何より、力がつく!
それで半死半生から蘇ったわしが言うのだ、間違いないぞ。
今日は思い切り食って、試練とやらに備えようではないか!
そなたが積極的に輪に入ろうとする姿勢が、
何より嬉しいはずだ。
父を亡くし、敗走を重ねながら、わしらは戦った。
最後ときたら、無様なものよ。
わしもそなたも、手を伸ばすことすら能わずに、
山中を転げ落ちた……。
小さいころから、さんざ負かされてきたからなぁ。
この首ひとつ差し出して、民が恩赦を得られるならば、
惜しむ気などあるものか。
それでも、民は立ち上がり、戦うための刀を欲した。
さればわしは、刃が欠けて砕けるまで、
ひたすらに前を切り拓こう。
よせやい、そなたに稽古でつけられた傷とタンコブの方が、
よっぽど多くて重傷だったぞ!
幼名で呼ぶなと、言ってるだろうに!
そなたの前とあらば、余計に締りが悪い。
折角の勝利も格好がつかんわ。
……ああ!
では、次はそなたも交じれ!
わしばかり見定められても、つまらんからな!
►よろしく、シュン坊
だーから、それはよせと……!
親からもらった大事な名だが、いつまでも童子扱いはさせん!
よし! かくなる上は、わしと勝負だ。
一本取ったら、そなたの秘蔵の過去も聞かせてもらうぞ!
►本番さえ
おう、しかと胸に刻んでおこう。
そのためにも、切磋琢磨だ。
次はそなたも交じれよ!
そなたも準備は万全だな、[player]。
いよいよ、「終節の合戦」の参加者となるべく、
試練とやらに繰り出すとしよう!
どうすれば「終節の合戦」の参加者となれるのか、
わしらに教えてくれ。
して、その「バルダム覇道」の入り口はどこだ?
そなたらこそ、合戦やドマの行く末がどうあれ、
困りはせんだろうに。
だが、ここに来て遠慮はせんぞ。
困難な道ゆきなればこそ、そなたらを容赦なくつきあわせる。
もとより、今のままでは、そなたらに返せるものがないのだ。
勝って、勝って、這い上がって……
文句も要求も、そのあとに聞こう。
「バルダム覇道」を目指してゆくぞ!
歩いておったら、こいつらに襲撃されてな。
ひとまず気絶させたところだ。
どこの部族も、合戦に向けて張り切っておるらしい。
わしらも、悠長にはしておれんな!
さあ、このチャカ・ゾーをすぎれば、
間もなくキオルエンの遺跡群だ。
これで襲撃が終わりとはかぎらん、そなたも気をつけて進めよ。
……どうやらこの先が「バルダム覇道」で間違いないようだ。
アジムステップの歴史においても、そうはあるまい。
見事越えて、草原にわしらの武名を刻むとしよう。
無論、わしも意気込みでは負けん。
見事越えて、草原にわしらの武名を刻むとしよう。
準備ができた者から突入し、
各自、怪鳥「ヨル」を従えて帰還してほしい。
これは、「終節の合戦」……
ひいてはドマ奪還までの通過地点だ。
ひとりも脱落せんよう、互いに心してかかろうぞ!
ドマで待つ民に合わせる顔がないわ。
互いに、よい成果を持ち帰ろう。
まこと、アジムステップの神秘よ!
合戦までは、しばし時間があるはず。
今のうちに敵陣を見ておくのも、悪くはなかろう。
何より、いずれは仲間に加える連中だしな。
……そんなわけで、少々寄り道をしても構わんか?
どこへなり、連れていけ。
そなたが族長とお見受けするが、何故わしらを拐わせた?
仲間に引き入れるためか?
しかし、まだまだ新参者のわしらには、
どのような働きを献上すべきか、見当がつかんなぁ。
伊達で玉座にふんぞり返っているわけではないようだ。
ではこの機会に、ブドゥガ族について学ぶとしよう。
兵法や戦力についても教えてくれると、助かるのだがなぁ!
わしの方は、えらく簡単な仕事でな。
ただ荷運びの手伝いをさせられただけだった。
見物のブドゥガ族が、ぞろぞろついてくるものだから、
多少やりにくくはあったがなぁ。
わしらが仕事を果たし、報酬として帰ることを望んだ場合……
それは聞き入れられるのだろうか?
もう少し学ばんとするのは、許されるか?
彼らは太陽神の子を名乗っているが、
以前テムルン婆から聞いた、アウラ族の神話はこうだ……。
二柱の神は、世界の支配をめぐって対立し、
代理闘士として、ふたりの人を生みだした……。
それが、最初のアウラ族。
太陽神の生みだした「明けの父」と、
月神の生みだした「暮れの母」と呼ばれる男女だったという。
父母はしばし戦いを続けたものの、やがて和解。
その様子を見届けた神は天に去り、地上は人のものとなった。
「明けの父」の血が濃い者は、白きアウラ・レンとして増え、
「暮れの母」の血が濃い者は、黒きアウラ・ゼラとして栄えた。
……そして、今に至るのだと。
太陽神アジムの子であると言うではないか。
これでは矛盾だ、得心がいかん!
合戦の準備を手伝うだけで帰っては、
シリナたちに面目ないからな。
信仰というのは、相手を知るのによい切り口だ。
その根底までは理解できずとも、理念の一端は知れよう。
ちょうど、さきほどの荷運びの際に、
語り部だという「ウドゥタイ」というご老人に会った。
皆が戻るまでに、訪ねてみんか?
わしに話を聞かせようとしてきたではないか!
……何かあったのか?
悪いがそなたも頼むぞ、[player]。
母がそなたを待っておるぞ!
目についたものは、すべて追い立てたと思うが……。
語り部として、オロニル族がなぜアジム神の子であるか、
そなたらの神話を語ってはくれんか?
なんとも浪漫あふれる話よ。
しかし、ならばなぜ、オロニル族は合戦に臨み続ける?
アウラ・ゼラの守護者ならば、傷つけるのは本意であるまい?
それが、数千年を経た、神々の想いの果てか。
翁よ、大変よい語りであったぞ。
わしは、オロニル族とドマは、
存外よい同盟が築けるような気がしてきたぞ。
彼らが護るために君臨するというのなら、
それを害さないかぎり、手を取りあうこともできるはず……。
まあ、合戦に勝ってからの話であろうがな。
では、玉座に戻るとするか!
皆も、さすがに仕事を終えていよう。
お次はどうなることか。
さては、さきほどの働きぶりが気に入られたか?
見ておきたかったのだがなぁ。
ゴウセツと[player]が行くなら。十分であろう。
わしも強豪と聞くドタール族を、見ておきたかったが……
そなたたちになら、任せられよう。
なんだかんだで、前回覇者は手ごわいらしい。
人というのは存外、小賢しくできておるものらしくてな。
大志を抱いて歩み出せど、困難にあうとまず後悔し、
次は無性に先を不安がって、
しまいには、夢そのものを否定する。
叶えたところで、良いことばかりではないはず、
もっと利口な選択がほかにある……とな。
人の多くが、その境地にあろうよ。
多かれ少なかれ、痛みを経てそこへ至ったのだから、
おいそれと責めることはできん。
ただ、その悶々とした苦しみを知った者が、
なお高みを見上げ、心を焦がしたなら……きっと気付く。
それはやはり、身命を懸けるに能う夢だとな。
その腕っぷしで、ガツンとな!
ちょうど母上の腹の中にいた。
独立しておったドマなんぞ、見たこともない!
……だが、父上や、散った者たちの願いだった。
そして今も、それを必死に掴もうとしている民がいる。
しかれば、その夢、わしが目指さずして誰が目指す!
これで、合戦前にモル族のもとへ戻れる。
[player]とゴウセツはとくに、
よくぞ務めを果たしてくれた。
わしも、ドタール族について聞きたいが……
それは道すがらだな。
なにせ、モル族の皆を、すっかり待たせてしまった。
急ぎ、「モル・イロー」へ戻るぞ!
だが、それぞれの部族で学んだことは少なくない。
それをもって……勝つぞ!
だが、わしにとっては、救われた恩に報いる戦いでもある。
必ずや、勝利とともに帰還するぞ!
全員、準備はよいか?
皆、先を急ごう!
蹴散らして、「無垢の土地」に触れよ!
攻撃が緩んだ……!
[player]よ、「無垢の土地」と契約を!
そなたを抑えんことには、契約は無理か……!
マグナイとサドゥ、両族長を討ち取るぞ!
そなたが「無垢の土地」と契約を!
そなたの奮闘には、胸が熱くなったぞ!
まっこと……天晴だ!
そなたも随分好かれておるなぁ。
新たな敵だが、よもやくたばってはおるまいな!
帝国軍よ、折を見誤ったなあ!
よし、合わせろゴウセツ!
邪魔は入ったが、「終節の合戦」の結果はでておる。
モル族のそなたから、ひとこと言ってやれ。
そなたらに頼みたいことがあってな……。
反乱軍に合流し、満を持して……ドマの解放だ!
なんと間の悪い男よ。
あれの話はいずれせねばなるまいが、
今はまず、勝利の喜びを皆とわかちあうべきであろうよ。
……まず、一番手はわしからだ。
[player]、そなたの奮戦のおかげで、
わしはモル族に救われた恩を返し、
故郷の奪還に向けて、一歩進むことができた。
……心より、感謝する。
そなたとの出会いは、苦境の底におったわしの……
ドマの、何よりの僥倖であった。
皆もやきもきするというもの。
まずは「テムルン」婆に顔を見せねばな!
そして大いに勝利を喜び、誇るぞ、[player]!
今帰ったぞ!
痛がるか喜ぶか、どっちかにせい!
疲れた顔は見せられんな!
皆の喜ぶ顔を見ることはできた。
わしらは、そろそろ次に進まねばならん。
ドタール・カーに行って、頼んでおくとするか。
ついでに、明けの玉座に寄ってもよいか?
あの気高き族長とも、今後について少し話しておきたくてな。
今後のことについて確認しておこうと、立ち寄ったのだ。
では、一度ヤンサに戻ったのち、
改めて反乱軍から使いを出そう。
前回の機会は、投獄でふいにしたからな。
頼りにしているぞ、草原いち勇敢なドタール族よ。
わしにとっては、一日千秋、長い時を過ごした場所であった。
……必ずや、また来るとしよう。
しかれば、必ず果たしてみせよう!
……世話になったな、シリナ。
……ゆくぞ、ゴウセツ、リセ、[player]!
懐かしのヤンサだ。
わしも使うのは久方ぶりだが、
ここが烈士庵の出入り口のひとつだ。
さあ、中に入って、皆に帰還を告げるとしよう!
……皆、久しいな。
わしばかり傅かれては、いたたまれん。
そなたも、楽にせよ。
そなたらの助力に、心から感謝する。
引き続き、よろしく頼むぞ。
ゴウセツから聞いていると思うが、わしらの方は、
草原のアウラ族の協力を得ることができた。
これほどの仲間が集っているとは、想像以上だ。
まこと、心強い!
あっはっは!
そなたがそう意気込んでおると、負ける気がせんな!
なにせ、曲者ぞろいの合戦を勝ち抜いた者の言葉だ。
►不安だな
確かに、まだ余裕のある戦とは言えん。
時の許すかぎり、戦力を整えていくのは必須であろうな……。
しかし、そなたの目には恐らく、
もっとも頼もしき勇士が見えておらんのだ。
不安が募るなら、ちと、姿見の前に立ってみるがよい。
この25年、幾度の艱難辛苦を是と為さん。
……勝つぞ、必ず!
そなたは良い目を持っておるのだな。
先の報告にもあったように、時間の猶予はない……
皆、すぐに支度にとりかかってくれ!
[player]、そなたにも皆の手伝いを頼めるか?
何をすべきかは、まず「アルフィノ」に聞くのが早かろう。
わしも、皆と策の仔細をつめるとしよう。
ドマ町人地も、今はどんな有様になっていることか……。
しかし、アルフィノは、そこに住まう民も国の宝なのだと、
きちんと理解して策を立ててくれた。
「暁の血盟」には、気持ちのよい若者が集っているのだな。
はは、近所に出てくるだけなのだがなぁ!
いやなに、作戦の前に、一度ドマ城を見てこようと思ってな。
護衛はともかく、時間があるならばそなたにも見せたい。
……同行を頼めるか?
よし、ではゆこう!
ドマ城を臨むには、西の「門前侍町」がうってつけだ。
有力な侍の武家屋敷も連なる、一等地……だったのだがな。
このとおり、戦で焼き討ちにされた。
再建が手付かずなところを見るに、
見せしめとして放置されたか……。
……ゆこう。
もう少し奥からの方が、城もよく見える。
これでも在りし日は、歩けば誰ともなし声をかけてくる、
往来の多い通りであったのだ。
……まあ、温かい言葉ばかりではなかったがな。
占領下の国主一族になど、帝国寄りであれドマ寄りであれ、
割りきれん想いがあろう。
それでも……それぞれが明日を憂い、弁を交わすは、
互いの命あってのこと……。
かような静けさより、いくらもよかったわ。
……っと、暗くなったな!
では先に進みがてら、「傷みの少ない武具」でも拾っていくか。
道具とて、ここに捨て置かれるよりは報われよう。
そなたは、この通路のつきあたり……
南西の区画を見てまわってくれ。
探索ののち、城に近い場所で合流しよう。
戦に使えそうなものは残っていたか?
鞘はついておるが、野ざらしであったなら、
すぐには使えそうもないが……。
薄れてはいるが、鞘の家紋に見覚えがある。
……ともに学舎に通った、同輩の家のものだ。
刃を抜くまでもなく、とは……
さぞや無念であったことであろうよ。
あれが、わしらが攻め上るドマ城だ。
属州となってからの大半のとき、
あそこには帝国軍の拠点が置かれてきた。
今は、代理総督ヨツユの居城だ。
登城したのも、数えるほどよ。
……それでも、天守閣からの眺めは忘れられん。
わしは、領土を一望して、なんて小さいと思ったのだ。
無論、あの場所からは見えん土地もあろう。
だが、それにしたってあまりに狭い……
見渡したらそれきりの場所が、ドマだった。
旅をしてきたそなたなら、わかっておろう。
……わしらが奪い返そうとしているものは、実は、小さい。
一国の盛衰などは、所詮、長い歴史のほんの一端だ。
……だが、人はそこに生きておる。
朝な夕な留まることなく、短き日々に一喜一憂しながら、
俯瞰すれば「たったそれだけ」の人生に懸命だ。
わしは、そこに命の在りようを見た気さえした……。
ゆえにヒエンという男の命もまた、
それだけのものを守るために、費やしてよいのだとな。
それを肌で教えてくれた、いと高き尊き城よ。
されども民なくば、そこからの景色は意味をもたん。
なればこそ、わしは…………ん?
いや、待てよ……?
アルフィノの策を、さらに必勝とする案を思いついたわ!
さっそく戻って、皆に提案するとしよう!
先に烈士庵に戻って、皆を集めてほしいと、
アルフィノに伝えてはもらえんか?
あわせて、コウジン族からも連絡役をよこしてほしい。
わしもすぐ戻るゆえ、よろしくな。
此度の作戦は、すでに聞き及んでいると思うが、
それにあたって、そなたら碧甲羅に相談がある。
まじないの類でも、道具を使ってでもいい。
そなたらは、水中から、ドマ城の城壁を崩せるか?
現状の作戦を、ひとつだけ変更したい。
作戦開始にあわせ無二江をさかのぼり、上流側の城壁を爆破……
水攻めが成れば、城内にいる敵戦力の大半を一掃できるうえ、
ヨツユの逃げ場も、天守閣の上部に限定される。
民が生きれば、城などまた建て直せよう。
ゆえに、今は民とともに、この戦を勝ち残ることのみ考えよ。
わしらの国が何かを失うのは、これで最後だ。
碧甲羅からの報を待って、作戦を決行とする。
各自、最後の仕上げを頼んだぞ。
付き合ってもらった甲斐もあったというものだ。
どうだ、こっちで一杯。
まったく、酔ったそなたは説教臭くてかなわん!
明日のことは、皆で十二分に話しただろうに……。
ドマ城の水攻めも、いい加減に腹をくくったらどうだ。
涙というのは、喜ぶにせよ悲しむにせよ、
結果という行き止まりが見えてこそ、零れるものだ。
わしらはまだ道半ば、終わりを察するには早すぎる。
然るうちは、お互い、ただ笑っていよう。
ここに至れたというのには、わしも同感だ。
この恩返しは、いずれ必ず。
まずは明日、そなたの力を存分に貸してくれ。
眠らんのなら、ほれ、そなたも付き合え。
酒盛りに誘っておいてなんだが、少しは休めたか?
……先程、碧甲羅から、準備完了の報が入ってな。
皆、すでにそれぞれの待機場所に向かっている。
あとは作戦開始の号令をかけ、
わしらも待機場所に向かうだけだが……
その面立ち、よいかと聞くまでもないか。
では、アルフィノ。
各部隊に作戦開始の連絡を頼む。
今のところ、ドマ城の帝国軍に変化はない。
奴らが動き始める前に、
我らドマ反乱軍、総力をもって仕掛ける!
……恐らく長い一日になるが、そなたも頼むぞ。
これは、わしらも負けておれん。
あとは我らが、城内に攻め込むのみ……。
アウラ族とコウジン族の協力で、敵将の逃げ道を断った。
ゴウセツ、ユウギリ、[player]!
いよいよ「ドマ城」に乗り込むぞ!
疾く、南西の崖下にある船着場へ移動せよ!
踏み入れば敵も必死に抵抗し、まさに死地さながらであろうよ。
だが、わしは此度の出陣に胸を張ろう。
これより御覧ぜらるは、我らきっての晴れ姿……
前人未到、驚天動地の大革命だ!
城内では、そなたの冒険者部隊とわしらで、二手にわかれよう。
担当の進入口が確保された方から、順に突入だ。
さすれば、敵戦力を分散させられる上、
片方が集中して足止めされたとて、もう一方が先に進める。
戦力差からして、長期戦にはできんからな……。
それぞれが天守閣の上部を目指し、
明朝にはヨツユを討って、決着をつけようぞ!
よし、ではゆくぞ!
いざ解放決戦、「ドマ城」攻めである!
そなたに釈明があるのなら聞こう。
城内で戦い続けている者にも、そう伝達せよ!
……そなた、己を不忠者と言ったな。
だが、わしも父も、そなたほどの忠臣を知らん。
つねに傍にあり、わしらの夢を、己の理想としてくれた。
その志は、わしらとともに、遥か先までドマを造ろう。
わしらが進むかぎり、ゴウセツはともにおる。
つらい役目を引き受けてくれたこと、まこと感謝いたす。
城が崩れたまま沙汰もなしでは、
仲間たちも民も、気が気ではなかろうからな。
あの笑みとともに、受け取っておる。
なればわしは、わしの役目を果たさねばならん。
大いに助かったと、よく労っておいてくれ。
この革命……そなたらなしには成し得なかった。
わしらが取り戻したものを、ともに見届けてもらえるか。
かつては、ドマでもっとも多くの民が集う街でな……
この国の今を、そなたの目にも収めていってくれ。
海賊衆にも、世話になったな。
……ああ、行ってこよう!
►胸を張れ
すまん、さすがに緊張しておったようだ……。
だが、ここに至って怖気づいては、示しもつかん。
行ってくるとしよう。
►代わりに行こう
ハハ、そう言われると、俄然ゆずれんという気が沸くな。
……ありがとう、行ってくるとしよう。
人も土地も傷つき、疲れ果てておる。
多くの者が命とともに託した、希望。
それらが同志を集わせ、革命を遂げる力となった。
25年の時を経て、今、この地に帝国の影はない。
やっと時代が変わる……いや、変えねばならんのだ。
力を、貸してくれ。
時間はかかったが……やっと、ここからだ!
????
その出航、しばし待った!
まったく、挨拶もなしにいつのまにか消えているとは、
水臭いにもほどがあるぞ!
そなたらに、どうしても伝えたいことがあってな。
心より、深く感謝いたす。
この大恩を返すためにも、とりいそぎ国勢を整え次第、
エオルゼアへ友軍を送りたいのだが……どうか?
忍びの里の者を使って、ドマの勝利を、
ほかの帝国属州に伝えるつもりだ。
各地で反乱の気運が高まれば、
帝国もドマばかりにかまけてはおられまい。
あのゴウセツに、合わせる顔がないからな。
そなたらの西での暴れっぷりにかかっておる。
……もう、迷いなく皆の前を歩めそうか?
そいつは、まっこと頼もしい!
あちらにいる民に、勝利の報せを届けるとともに、
総力を挙げて大恩に報いよと伝えるのだ。
くれぐれも達者でな……遠くないうちに、また会おう。
者ども、今こそ友に受けた恩を返すときぞ……!
奮戦せよ!
進め、自由のために!
祖国を取り戻すため命がけで戦った者のために勝利を祝え!
死んでいった者たちにも聞こえるように、天まで届くほどに!
あまりにも長く帝国の支配に苦しんできた。
それゆえの喜びであろうな。
わしにとっても、奴は父の仇であった……。
まこと、よくぞ討ち果たしてくれた。
そして、ハクロウたち人狼族を救ってくれたことにも、
感謝せねばならん。
アルフィノにも、あとで礼をいっておくとしよう。
これはいよいよ、礼のひとつもせんといかんな。
わしらドマの民が受けた恩は、
先日のアラミゴへの出兵だけでは、到底返しきれぬ。
そなた個人への労いともなれば、なおさらだ。
今はまだ、ご覧のとおりの有様だがな……
いずれこの街の復興が成ったとき、
民をあげて、そなたを歓待しようぞ!
アラミゴの方で忙しくしていると聞いておったが、
あちらはもうよいのか?
国を建てなおす難しさは、わしも日々実感しておるところだ。
こと為政においては、戦の只中にあったときの方が、
まだ単純明快であったと思うほどよ。
しかし、選択に悩むのは、自由を得た証でもある……。
いずれ、酒の肴として苦労話を笑い飛ばそうと、
リセにも伝えてくれ!
道半ばであるうちは、互いに笑っていよう……。
……決戦前夜にそう語ったのは、ほかでもない、わしだったな。
そして、崩れゆくドマ城にて、そなたは笑った。
それが答えで……希望であると、愚かにも信じておったぞ。
よくぞ……よくぞ、生きていてくれた。
よく戻ったとしか、言葉が出んわ!
何やら尋常ならざる事態になっているようではないか。
そして、これまでのことを聞かせてくれ。
やってくれるわ……。
ということか……。
何の咎めもなく、自由にさせるわけにもいくまいよ。
しばし、烈士庵に留め置くか……。
奴に引き渡し、しばし人目から隠すようにと伝えよ。
撃ってみせた男に寄り添い、慕ってみせるか……。
こうした事態に、仲間がはるばる駆けつけてくれるというのは、
実に頼もしいものよ。
考えねばならんことは多いが……
帝国軍については、まず相手の出方を見るしかあるまい。
せっかく遠方まで来たのだ、町人地を覗いていかんか?
復興もだいぶ進んできたのでな。
ようやく、ドマを離れた者たちを受け入れる余裕も出てきた。
エオルゼアで開拓団なる組織に加わっているドマの者たちも、
帰国を望んでくれるなら、いつでも受け入れるつもりだ。
わしが着いたときには確かにおったはずたが。
では、すまんが捜索と聞き込みはそなたらに任せたぞ。
なに、顔が知れた男ゆえ誰かしら目撃しているだろう。
奴の捜索は、そなたらに任せたぞ。
……いやに心が騒ぐのでな。
反乱軍でのこれまでの働きを思えば、酷なことはさせられん。
奴には、ヨツユと接触せずに済む任を与えるとしよう。
事の次第は、あらかたゴウセツから聞いた……。
それにしても、あのジフヤが怯えて逃げ出すとは……。
ヨツユがドマにもたらした闇は、今なお深いのだな……。
しかし、今はヨツユばかりにも構ってはおれん。
帝国軍に動きがあったようなのでな……
すまんが、今一度、そなたの力を貸してほしい。
忍の里から、緊急の報せが舞いこんできた。
ドマの国境付近にて、帝国軍の飛空戦艦が目撃されたらしい。
ヨツユの奪還に、さらなる部隊を差し向けたか、
はたまた、本格的な再侵攻に先駆けた偵察の類いか……。
いずれにせよ、ずいぶんと素早く動いてきたものよ。
カストルム・フルーミニスを目指しているようだ。
急ぎ現地に赴き、帝国軍の出方を見極めたい……。
ただし、相手を刺激せぬよう、手数は最小とする。
ユウギリ、そして[player]よ、
同行を頼めるか?
アルフィノは、人狼族のハクロウを知っておるな?
あやつと協力して、町人地を見回ってもらいたい。
飛空戦艦の飛来に動揺する者あれば、鎮めてやってくれ。
そして、万が一にも町人地が攻められるようなことがあれば、
民の避難誘導を頼む……。
烈士庵に残って、襲撃に備えつつヨツユを見張れ。
ゴウセツめ、ずいぶん素直に受け入れたものだ。
帝国の連中が、何を考えて飛空戦艦を派遣してきたのか、
確かめにいこうではないか!
飛空戦艦が、いかなる理由でドマへやって来たにせよ、
単艦行動であることは間違いなさそうだな。
忍の里からの報告によれば、
飛空戦艦は、まもなく目視できる距離まで接近してくるはずだ。
わしらも、基地の中で連中の到着を待ち構えるとしよう……!
どう見る、ユウギリ。
問答無用で叩き落とすわけにもいくまい。
ドマは礼節を知らん国ではないからな。
あちらの望みどおり、正々堂々、相対すとしよう。
それに、わしは興味がある……
わざわざ古風にも、狼煙を上げてみせた相手にな。
相応の礼節を以て応じるのが筋というもの。
そうだろう? 帝国の…………
これ以上は、立ち話でする内容でもあるまい。
貴殿らを客人として、我が館に招こう。
ドマ町人地まで、ご同行願いたい。
そなたも、町人地まで来てくれんか?
ユヅカ代官屋敷のそばにある「城下船場」から船が出ているのでな。
「ユウギリ」、城下船場にて渡し船の準備を……
くれぐれも粗相のないようにな。
大使殿らには、わしの館に入ってもらうとしよう。
そこなら、余計な人目もないからな。
改めて、よくぞ町人地へ来てくれた。
ここの町並みも、ずいぶんと復興しただろう。
復興の手始めに、ひんがしの国の「鬼師衆」に依頼し、
転魂塔……そなたらの言うエーテライトも建設したのだ。
会談の前に、そなたも交感しておくといい。
大使殿らにはすでに、わしの館に入ってもらっておる。
思いがけぬことになったが、これより館にて会談を行う……。
そなたにも、同席を頼めるか?
「暁」に属するそなたの列席は、
我らドマとエオルゼアとの連帯を示すものとなろう。
帝国相手の交渉ごととなれば、その程度の演出はしたいのだ。
アリゼーとアルフィノも、同席を引き受けてくれておる。
そなたらを利用するようですまんが、どうか頼む。
ありがたい……。
そなたが同席してくれれば、頼もしいかぎりだ。
►仕方ないな
政治の場は苦手か?
退屈だとは思うが、すまんな……。
「帰燕館の門兵」に声をかけてくれれば入れるのでな。
先に行って待っておるぞ。
貴殿は、全権大使として和平交渉に来たそうだな。
戦をしておる国同士が、平和を取り戻すために行うもの。
貴国の皇帝は、ドマを独立国と認めておらぬと理解していたが?
コウジン族が召喚したという蛮神スサノオに関しても、
民の脅威とあらば、言われずとも対処はしてみせよう。
が、コウジン族とて、己が領域を侵される心配がなければ、
蛮神を呼びはせなんだろう。
現に紅玉海が荒れるまで、彼らは神降ろしを行ってこなかった。
今なお、紅玉海に兵を送り込み騒乱を引き起こすどこかの国が、
考えを改めぬかぎり、完全な封じ込めなどできようはずもない。
だが、帝国内が対立する二派で分裂しているのであれば、
和平交渉とやらの効力も疑わざるを得ん。
なぜ、わしらが彼女の身柄を確保していると?
ならばこちらも本音を言うが、一考に値する提案だとわしも思う。
が、考える時間はもらいたいものだな……。
交渉の期間中、貴殿らはドマの客人だ。
何人たりとも大使殿らに害を為さぬようにな。
わざわざ、わしらに話す利点は何もないからな。
今のところ、特に疑うべき理由はない。
が、かといって、何から何まで信じられるわけでもない。
特に交渉の場で、ヨツユの名を出してきたことには、
どうにも違和感を感じるのだ。
皇族でもなければ、ましてやガレアン族ですらない身……
硬軟あれこれと策を弄してまで、取り戻そうとする理由が見えん。
こうなると、あやつの記憶喪失もますます悩みの種よ。
本人が童のような状態とあっては、尋問しても意味はなく、
交渉材料としての価値も、どうなることやら……。
帝国のやり口などは、そなたのほうが詳しいだろう。
意見を聞きたい。
連れ去られたままの徴用兵らのことを思えば、
答えを先送りにもできんからな……。
そちらのふたりには、退屈なだけであろう。
外の空気でも吸ってきたらどうだ?
頭をひねるのは、アルフィノとわしらドマの者に任せてくれ。
大使殿の視察に付き合ってくれたと報告を受けている。
息抜きのはずが、とんだ手間をかけてしまったな。
だが、そなたらが大使殿と過ごした時間は貴重なものだ。
今は少しでも情報がほしいのでな……。
何があったか、教えてくれんか?
しかし、今後やつらの蛮行が活発化せんともかぎらん……。
哨戒の者たちに、警戒を強めるよう命じておこう。
しかし、大使殿もまたナマイ村の民を救うために戦ったとは……。
大使殿の戦う姿、決意を述べる様は、その目にどう映った?
なるほど……。
大使殿が心から帝国とドマの平穏を願ってくれているのなら、
こちらとしてもありがたいのだがな。
►偽善者
なるほど……。
大使殿の言動が、心からの発言ではないと感じたか。
その場合、あやつの真意がどこにあるのかが問題になってくるな。
►……
ふむ、そなたの慧眼を以ってしても、
大使殿の心をうかがい知ることはできなかったか……。
それだけ油断ならない相手ということだな。
だが、いずれにせよ帝国との交渉はつづけていくつもりだ。
神降ろしは言うに及ばずだが、コウジン族の蛮神召喚に対しても、
備えることができそうだと感じている。
彼らと連携してあたれば、不可能なことではないだろう。
さらに言えば、大使殿に花を持たせてやることで、
帝国内の和平論者を後押しできるなら、そうすべきであろう。
もうしばらく、わしに付き合ってくれるか?
かの者に眠る罪が、はたして何処へと行き着くのかをな……。
秘密裏に烈士庵から連れてこさせたのだ。
怒りと憎しみに故あれども、過去の行いが許されるものでもなし。
裁きを下すは主君の務め……。
あと半歩の踏み込みが甘く、仕損じたというなら、
やり遂げるのも、わしの役目よな。
ゴウセツよ、そなたがしばしヨツユの面倒を見よ。
捕虜交換のその日までに、記憶が戻らぬようなら、
ツユという名のひとりのドマ人として、新たな人生を歩ませる。
代理総督ヨツユとして捕虜の列に加え、帝国に差し出す。
徴兵された者らとの交換ならば、民も納得しよう。
大使殿も、そろそろ痺れを切らしているところだろうからな。
ドマ城崩落に巻き込まれ、九死に一生を得てからの旅路……
無理に無理を重ねた上に、気合ひとつで包み込むような、
生き方をしてきた男だからな……。
心配させまいとしているようだが、
どうやら刀すら、まともに握れんようだ。
少し、気にかけてやってくれ。
それも悪くないと、わしは思っておる。
あとは、わしの決定を大使殿へ伝えるのみだ。
すまぬが引き続き、そなたらも同席してくれ。
ようやく結論が出たところでな。
ただし、条件がある。
代理総督ヨツユの件だが、
確かに彼女はわしらが保護しておる。
が、少しばかり問題があってな。
どうにか生き延びたものの、記憶を失っておってな。
自分の名前すら覚えておらんのだ。
さきほど保護と言ったのもそれゆえよ。
わしらは、今のところ捕虜としてではなく、
ドマの民のひとりとして扱っておる。
捕虜交換の日までに記憶が戻れば、
代理総督として、帝国に引き渡そう。
団子を持っていってやるといい、喜ぶぞ。
ふたりきりというのが、大使殿の望み。
逸る気持ちはわかるが……今できるのは待つことのみよ。
蛮神対策や捕虜の引き渡し準備を進めておこう。
ナマイ村の民、イッセとアザミを守ってくれたそうだな。
彼らの命を救ってくれたこと、感謝いたす。
よしなに頼む。
わしは最後にひと仕事のこっておるのでな。
わしと一緒に外まで付き合ってくれ。
最後の大仕事、大使殿らの見送りといくぞ!
カストルム・フルーミニスから飛空戦艦へと帰艦するらしい。
それでは、わしらも向かおうぞ。
大使殿に何か言われでもしたか?
わしとて、端から大使殿を信用していたわけでもなし、
帝国内の民衆派とやらに期待もしておらん。
ただな、ユウギリよ。
わしは徴兵されたドマの民のために、
できるかぎりのことを、してやりたいのだ。
それを知った上で、わしは反乱を起こすと決めたのだからな。
わしは確かに主君として、一度は彼らを見捨てたのだ。
処刑もあり得ると知って、反旗を翻した……それは事実であろう。
だが、幸いにして、捕虜交換という形で、
彼らを故郷に帰してやれるとなれば……
相手が悪鬼であろうと、取引に応じる理由となろう。
あれはしつこいぞ……きっとな!
仇を前に毒のひとつも吐きたくなったか……。
やれやれ、いずれ来る再会に備え、警戒を強めねばな。
……しかし、それも今しばらくは先のこと。
大使殿の本性は留意しておく必要があるが、
状況としては、ひとまず落ち着いたと言ってよかろう。
ドマにいる帝国軍捕虜を集めたり、やらねばならんことは多い。
……が、それらは国内のわしらだけで対応できること。
そなたらからは、すでに十分な助言と力添えをもらった。
いざ捕虜交換に挑む段には、また協力を請うことになろうが、
それまでの些事は、わしらに任せてくれ。
この先、どれほどの大波がドマを襲うかわからんからな……。
次の来訪時、素直に捕虜交換が行えるという確証はない。
こうなると紅甲羅の襲撃も、どこまで「偶然」だったのか……。
こちらは粛々と捕虜交換の準備を進めるのみよ。
そなたも、しばらくは静養するといい。
……それとも、町人地復興の様子を見に来てくれたのか?
ならば、ドマの民一同、そなたを歓迎するぞ!
????
そこにおったのか。
今の話について、わしからも補足させてくれ。
そなたらや冒険者ギルドが迎え入れてくれたこと、
まこと、感謝しておる。
この大恩を返さんと、当人たちも粉骨砕身しておろうが、
民の受けた恩は、国の受けた恩だ。
なれば、まずわしが誠意を返すのが道理というもの。
いくらかの礼を用意させてもらった。
そなたに預けたのが、その目録だ。
それを持って開拓団の長を訪ね、
我が同胞の帰還について、話を取り持ってやってはくれんか?
そなたにならば、案ずることなく任せられよう。
町人地の再建案、楽しみにしておるからな。
遠いところを、わざわざかたじけない。
捕虜交換への立ち会いを含め、
大方のことは、文にしたためたとおりだ。
が、ひとつだけ報せていなかったことがあってな……。
かねてより体調が思わしくなかったゴウセツが、
少し前に倒れてしまい、床に臥せっておるのだ。
心配させたくないという、あやつの意向もあって、
すぐには伝えなかったのだが……。
せっかくここまで来てくれたのだ、見舞ってやってはくれんか?
それに、ツユも熱心に看病してくれている……。
彼女の様子も、気になるところであろう?
あの、ゴウセツとヨツユが、
まるで、祖父と孫娘の如き様相ときた。
ドマに忠義を尽くし、無理を重ねて戦い続けてきたのだ。
寄る年波も、気合ひとつで乗り越えてきたが、
それもついに、限界がきたということだろう。
おそらく快復したところで、もう以前のようには戦えん……。
ゴウセツには、充分すぎるほど尽くしてもらった。
これを機に、ゆっくり休んでもらいたい。
ヨツユの振る舞いは芝居にあらず、記憶なきことを認める。
よって、彼女はツユとして、ドマにて新たな人生を歩ませよう。
少なくとも、もう一度、ツユとアサヒを対面させねばならん。
さりとて、捕虜交換の折にツユを伴えば、
ドマの徴用兵たちに、かつての代理総督を見せることになる。
大事な和平の場には、できるだけ混乱の種は持ち込みたくない。
捕虜交換に先だって済ませてしまおうと思う。
すまんが秘密裏に行うためにも、同行を頼めるか?
さて、そろそろ帝国の飛空戦艦が到着する頃合いだろう。
我らはツユを連れ出す準備をするので、船着き場で待っていてくれ。
そなたらは、船着き場で待っていてくれ。
ツユが……ツユが、館から姿を消してしまった!
いま、ユウギリが町中を捜し回っているが、
ことによると、町人地から出てしまったのやもしれん。
見慣れぬ……色白の娘を船に乗せなんだか?
そうか、娘は対岸に渡ったということだな。
まずいことになったぞ……。
このまま誰かに気付かれれば、大きな騒ぎとなろう。
ともかく、早急にツユを捜し出さねば……。
こちらの不手際で手数をかけるが、捜索に手をかしてくれ。
わしはクサカリの里方面へ向かうので、
アルフィノはカストルム・フルーミニスの辺りを頼む。
そして、[player]には、
「ユヅカ代官屋敷」へ行ってもらいたい。
あそこに棲みつくナマズオが、ツユを目撃しているやもしれん。
それでは、対岸へ向かい、
各々、捜索を開始することにしよう。
クサカリの里にツユの姿はなかったが、
そなたらしき姿を見かけたので、駆けてきたところだ。
ユヅカ代官屋敷では、何か手がかりはあったか?
いかん、村人に見つかれば、どうなることか……
村中を手分けして捜索し、見つけ出すぞ!
わしらは水田の方を捜すので、
そなたはこの先の広場をあたってくれ!
どうか皆、心を鎮めてくれ!
わしがこの手でヨツユを斬ったこと、皆も聞いていよう。
だが、天守の崩落に巻き込まれながらも、
ゴウセツとともに、九死に一生を得、生きながらえておったのだ。
記憶を失いながらも、な。
傷を負ったドマの民のひとりとして扱う。
むろん監視を付け、今後、無断で村にも立ち入らせん。
わしに免じて、今しばらくこの者の命を預からせてくれ。
一時はどうなることかと思ったが、なんとかなったな。
ツユの様子からすると、記憶が戻ったわけでもなさそうだ。
まあよい、ゴウセツも喜ぶことだろう。
さて、思わぬ遠回りとなったが、
目的の「カストルム・フルーミニス」に向かうとするか。
アルフィノたちも、そちらで捜索しているはずだ。
さて、厄介な大使殿との再会だな……。
大使殿も壮健なようでなによりだ。
様子を見てもらおうと思ってな。
すこぶる健康だが、記憶の方は相変わらずよ。
姑息な手を使いおって……。
やはり油断ならぬ男のようだな。
ともあれ、これでツユの件はひとまず落着となった。
ユウギリに送らせたが、彼女もこれで安心して、
ゴウセツに柿を食わせることができるだろう。
もっとも、ツユが先に戻っているので、
承知のこととは思うがな。
連れてきた両親と引き合わせてな……。
頭を抱えて苦しんでおった。
結局、それでも過去を思い出しはしなかったようだが……。
後は、予定どおりに捕虜を交換し、
徴用兵らを取り戻すことができれば、ひと安心よ。
これまで、いくらでも機会はあったはず……。
そのような単純な策とも思えんが……警戒はしておこう。
牢に入れず座敷を与えたのは、わしだ。
館の外に出ている可能性もある。
手分けをして、捜すしかあるまい。
アサヒとともに去った、と……。
自らの親を犠牲にしてまで、ヨツユを手にするか……。
何を企む……アサヒ…………。
一度、館に戻ろう。
皆を集めて、状況を整理しなければな……。
折を見て、荼毘にふすつもりだ。
ふたりにとっては、因果な里帰りとなったものよ。
この件、ゴウセツにはわしから伝えておいた。
あやつは一言返事をすると、首を垂れて黙ってしまった。
しばらく、そっとしておいてやってくれ……。
ヨツユは記憶を取り戻し、アサヒのもとへ去っていった。
帝国側に、かつてのドマ代理総督が戻ったわけだ。
元々、交換の日までに記憶が戻れば、
ヨツユは帝国に引き渡すという取り決めであった。
だが、アサヒが自らの親を犠牲にしてまで、
ヨツユを取り戻したことは、どうにも理解しがたい。
大使殿が、何かよからぬことを企てておるのは確実だろう。
このまま、捕虜交換が難なく済むとは思えん……。
もし、交換の折に不測の事態が起きたときは、
ドマの徴用兵たちを逃がすことを最優先としたい。
それゆえ、事前に避難経路を確保しておきたいと思う。
そして、もうひとつ……。
しかし、ドマ中から小舟を寄せ集めたところで、
大勢の捕虜を運ぶには、何往復もせねばならん。
ここは、大型の船で一気に逃がすのが得策。
となれば、海賊衆の力を借りない手はないだろう。
彼らの持つ関船ならば、一度で捕虜を運べるはずだ。
だが……交渉には、わしも赴くことにするぞ。
またも力を借りるとなれば、こちらも誠意を見せねばならん。
わし自らが出向くことで、それを示したいのだ。
筋違砦にいる、彼らの頭領「ラショウ」と話をつけにゆこう。
海賊衆がドマの傘下になれば、復興も大助かりだ……。
そなたらに折入って頼みたいことがあってな……。
ドマとしては、あくまで対等な立場での協力要請だ。
ラショウ殿の言っているのは、もっともなことだ。
それについては、きちんと答えねばなるまい……。
また、戻ってきた彼らの中には、すでに故郷の縁者が死んでいて、
行き場をなくす者もいるかもしれない……。
海賊衆には、そんな彼らの受け入れ先になってもらいたい。
新たな仲間を迎えにいくと思って、力を貸してほしいのだ。
海賊衆としても、人手が不足しているように見受けるが……どうだ?
3人で分担して点検すれば、すぐに済むだろう。
紅玉海で海水浴など、子供の頃以来だ。
おっと……点検を忘れたわけではないぞ!
波に揺られているのが、あまりに心地よくてな……。
わしが調べたところには、破損はなかったぞ。
そなた……どうやらドマ出身のようだな?
そう簡単に、抜けられるものなのか……?
ヤンサであれ、紅玉海であれ、これからは、
望んだ場所で生きられるよう、協力しようではないか。
さあ、「帰燕館」へ戻ろう。
帝国の施設の方も、避難経路を調べることができたようだ。
あとは、捕虜交換に臨むだけだな。
こちらが引き渡す帝国軍将兵の移送についても、
ハクロウが指揮してくれているのでな……。
わしらは、先行して出発しよう。
カストルム・フルーミニス近くの川岸にて、
海賊衆の小舟と合流するのだ。
さて、大使殿は何を企んでいるのやら……。
捕虜交換は、川向こうに見えるあの施設で行われる。
おそらく、大使殿は何らかの企てをしているだろう。
だが、ドマの徴用兵たちは、
何としても全員無事に連れ戻したい。
もしもの時は、ユウギリ……避難誘導を任せるぞ!
それでは、各々、抜かりなくゆくぞ!
どうにも気になるものでな。
かような心遣いがあるとは、思いもよらなんだ……。
大事の前の小事……あえて異を唱えまい。
大使殿と帝国へ帰るというなら認めよう。
クッ……蛮神相手では、足手まといになるだけか……!
すまん、今ひとたび、そなたの力を貸してくれ!
►今は退くべきだ
<チェック漏れ>
が、徴用兵たちの脱出を導くのを忘れるな!
今度こそ、誰ひとりとして見捨てるわけにはゆかんぞ!
そなたが無事であったことは不幸中の幸いだが、
これで帝国との和平も崩れたか……。
神龍なる蛮神の力を手にした奴は、戦いに敗れ、
アラミゴの空中庭園にて、自刃したはず……!
わしもこの目で、奴の屍を確認したのだぞ!
徴用兵らは、我らがすでに脱出させているが……
こちらには、未だ捕虜たちを返還する意志はある。
両国の和平の可能性を途切れさせんためにも……。
どうか、気を付けられよ……。
命を賭けるに値する使命であると、そう感じているのだな?
アルフィノを我がドマ国の正式な使者に任命する。
この身分があれば、ただの旅人として赴くよりは安全であろう。
そなたがいてくれて、まっこと助かった。
蛮神を討伐してくれたこと、感謝する!
しかし、ヨツユが神降ろしに手を染めようとは……。
ゴウセツは言葉もなく、去ってしまったが、
その心中を思えば、致し方あるまい。
徴用兵らが戻ってきた喜びを分かち合おうではないか。
見ることができたのも、ひとえにそなたのお陰よな。
次から次へとよくもまぁ、それぞれに己が道を見つけるものよ。
これは、わしも負けておれんな。
わしは民とともに歩み続け、
幼子たちが笑って暮らせる国を築いてみせよう!
行ってしまったか……ゴウセツ…………。
さぁて、そなたらには、まっこと世話になったな!
改めて礼を言いたい、「帰燕館」まで来てくれ。
これで、復興にも追い風が吹くはずだ。
まこと感謝しておる……ありがとう。
この件に関しては、アルフィノの報告を待つよりない。
しばらくはゴウセツに誇れる国造りに、励むとしよう。
ゴウセツが、記憶を失ったヨツユに対して、
あんなにも肩入れしたことには、事情があってな……。
あやつは童返りしたヨツユに、亡き娘の姿を、
少なからず重ねていたに違いない。
妻子を失ってからのゴウセツは、
ドマという国に、人生のすべてを捧げてくれていた。
知ってのとおり、精根尽き果て倒れるまでな……。
あやつには、ツユとともに、
穏やかな余生をおくってもらいたかった……。
天のさだめは知る由もない……。
僅かな間だが、ツユという娘は確かに存在した。
そして、ゴウセツはツユとともに、
ささやかながらも、幸福なときを過ごしたのだ……。
ドマのことはもう心配せんでくれ。
帝国へと旅立ったアルフィノの無事を祈っておるぞ。
ドマのことはもう心配せんでくれ。
帝国へと旅立ったアルフィノの無事を祈っておるぞ。
彼はドマの使者として帝国へ向かわせたのだ。
わしにも責任があるゆえ、進展があれば報せてくれ。
町人地復興は、徴用兵の帰還が追い風となって進んでいる。
よかったら、町の復興を見ていくといい。
新たなドマの息吹を感じることができるぞ。
たった今、アリゼーから聞いたところだ。
言うまでもないことだが、捜索には全面的に協力しよう。
しかし、「ザ・バーン」とはな……。
彼の地は、かつて行われた蛮神召喚により、
エーテルを喰い尽くされ、永久焦土と化した土地。
幼少の折、わしが受けた帝国式の教育によれば、
ガレマール帝国を興した「ソル」帝は、
その不毛の地を目にしたことで、蛮神討滅を掲げたというが……。
決して、立ち寄るような場所ではない。
やはり、異常事態が発生したと考えるのが妥当であろうな。
となれば、現地を確認するのが筋だが……
距離と捜索の効率を考えれば、空を征くのが得策だろう。
わしや[player]には、ヨルがある。
ユウギリ、不足ぶんの大隼を準備せよ。
ただちに出立するとしよう。
繰り返すが、目的となる「ザ・バーン」は不毛の地。
二重遭難となっては、目も当てられん。
決して油断せぬようにな!
その環境に適応した生存能力の高い魔物もいると聞く。
亡霊が現れるという、怪談話もあるほどだ。
皆 聞こえるか!? 各々 地上に降りてやり過ごせ!
散々な目にあったが、こうして落ち合えて何よりだ。
アルフィノたちが乗った艦を落としたのは、
同じ「帝国軍」か……!
<チェック漏れ>
►信じよう
そのとおり、悲観的になるのは早い……。
アルフィノは強い男だ、そうであろう?
無事に戻ってこれたか。
ヨルや大隼も、よく飛んでくれた。
しっかりと労ってやらなければならんな。
どうも、そうはいかんらしくてな。
何やら異国からの使者が来ているというのだ。
相手の用件はわからぬが、内容次第では「暁」の意見を聞きたい。
では、共に「帰燕館」へ向かうとしよう。
わしは国主として、救出に全力を尽くす義務がある。
属州に派遣した忍びに連絡し、捜索を続けさせよう。
そうまで思いつめた顔をしていては、アルフィノと再会したときに、
頬がこわばって、笑顔が作れんぞ?
アサヒは「ドマ人が蛮神召喚を行った」のだと、
声高に宣言していた。
事実、帝国本国では、そのような噂が広まっているという。
ならば一連の出来事を裏から糸を引いていたという、
「ゼノスの顔を持つ男」こそが黒幕と考えねばなるまいよ。
アシエンとやらのおかげで、またもやドマは、
いつ帝国に攻められるやもわからん状態に、逆戻りしたわけだ!
皇帝親衛軍を動かしたのが誰であれ、
その動向を、皇帝本人が知らぬわけはあるまい。
となれば、すでに和平は破られたという前提で、動かねばな。
そなたの要件を聞かせてくれ。
確か、エオルゼア同盟軍からの要請があるのだろう?
洋の東西が連携して包囲網を作れれば、
帝国が、どちらか一方に的を絞ることを防げるからな。
帝国の再侵攻に備え、ドマの防備を固める時間がほしい。
なるべく早く、そちらに出向かせてもらおう。
「暁」の者らに、ぜひ意見を聞かせてもらいたい。
この後の軍議にも、出席してはくれんか?
リセも使者の役割、ごくろうだったな。
抜き差しならない状況とはいえ、元気そうな顔を見れてよかった。
その間、こちらはハクロウら国防に携わる侍衆を、
招集しておくのでな。
こちらは、その間にハクロウを呼んでおこう。
こちらも皆揃っておる……それでは、軍議を始めるとしよう。
ドマ奪還とて、わしらのみでは決して叶わぬ望みであった。
ならば、エオルゼア同盟に倣い、東方地域の連合体を創るのみよ!
アジムステップの遊牧民たちに加え、ひんがしの国やスイの民、
さらには隣接するナグサの諸派やダルマスカの民を糾合するのだ。
もちろん、すべての組織・国家が、
協力してくれるわけではなかろうが……。
自由を守りたいのは、みな同じ。
ゼノスの死に関する真相や、アシエンの暗躍などを伝え、
腹を割って話せば、連合結成とて絵空事ではあるまい。
ダルマスカの都、ラバナスタを自らの手で破壊したことで、
帝国軍は現在、東方における最大の補給地を失った状態なのだ。
無補給で帝国本国からドマまで、飛空戦艦を飛ばそうというなら、
最短ルートである、ザ・バーンの上空を通らねばならん。
よくあることだったのか?
ひとつ当てがあるやもしれん。
それを確かめるためにも、一度、アジムステップへ向かいたい。
彼の地に住む者にも、連合の件を打診せねばならんことだしな。
調査がてら、わしらで現地へ向かうこととしよう。
アジムステップには、わしと「暁」の者たちで向かう。
ユウギリとハクロウは、それ以外の地域へ連合参加の打診を頼む。
まずは、アジムステップの玄関口、「再会の市」へ向かうとするか。
できるなら、また草の上に寝転び、
ただただ流れる雲を見ていたいものよ。
高台に登って見る景色は、さらに雄大だぞ。
……そうだな、せっかくここまで来たのだから、
わしがこの草原でもっとも気に入っている丘に案内しよう。
そこで、思い出した「当て」について説明させてくれ。
この雄大な草原を見ていると、心洗われる!
国難にひりついた気持ちが、少し落ち着くというものよ。
ある伝承のことでな。
稀人 ナーマに乞いて 北の山にて月の欠片賜り
魔の忌み地 大地より放逐せん』
『かくて 滅びの刻去りて 稀人 ふたたび訪れん
稀人 ナーマに祈りて 北の山に月の欠片埋め
血滴る贄 天へと贈らん』
「シリナ」に、伝承について仔細を尋ねてみるとしよう。
草原の覇者である彼らに、東方連合の話もしたいからな。
いや……草原の覇者となったからか、
むしろ、凛々しい顔つきの勇士が増えたようにも思える。
この草原……いや、東方に住まう者みなに関わることだ。
月神の力宿る欠片がどれほどのものか、調べさせてほしいのだ。
この足でも調査に赴けそうだな……。
もうひとつ、東方連合の件については?
わしも、そなたら遊牧民たちの信仰を蔑ろにしたくはない。
自ら戦陣に加わる意思あらば、
その頼もしさは、万倍にもなろうからな!
穏便に済ませられるなら、それが一番だ。
それが、どれほどの力なのかはサッパリだ!
ここは専門家に任せよう。
詳しくシリナから聞くとしよう。
月神を強く信仰しているというのは、どの部族なのだ?
ここは、真正面から腹を割って話すのみよ。
ドタール・カーへ向かい、「サドゥ」に会うとしよう。
正面から誠心誠意ぶつかれば、きっと理解してくれよう。
東方諸国の防衛のため、そなたらに協力してほしいことがあるのだ。
ドマの国主としては、わしが相対すべきと思うが、
ドタールの族長、直々の指名となるとな……。
ゴウセツに一対一の真剣勝負を申し込んだものだ。
一切手加減されず、脳天に打ち込まれてばかりだったがな!
そなたが介入するというのなら、わしらも黙ってはおれんなぁ!
ヤ・シュトラ、わしらの力を見せてやろうぞ!
ヤ・シュトラ、わしに癒しの術を頼む!!
ヤ・シュトラは、マグナイの相手を!
ここは、わしが男を見せるときよ!
そなたらが味方となれば百人力だ!
結果として、素晴らしい成果を上げることができた。
……合わせて、女人の恐ろしさの片鱗を味わったがな。
モル族の勇士たちの力、心より頼りにさせてもらおう。
そなたには、世話になったな。
また、時がきたら招集を願う使いを送ろう。
となると、アジムステップで成すべきことは……。
さすがは北洋の賢人にして、エーテル学の権威ということか。
神器の研究を含めて、ヤ・シュトラには感謝が尽きんな。
そなたと[player]のおかげで、
帝国軍に対する防衛策にも、光明が見えてきたというものだ!
本来なら、一休みさせてやりたいところだが……
すまないが、このままドマへの帰還を優先しても?
それでは、ドマ町人地へ戻るとしよう!
それぞれの報告を聞くとしよう。
費用を含めての仔細については、こちらで話を付けておこう。
東方連合の要請については、どうであった?
検討してくれている勢力には、わしから再度文を送っておこう。
わしはアラミゴに向かい、エオルゼア同盟との会議に臨む。
あとは任せたぞ!
おかげで助かった……!
また、アラミゴで会おう。
ただちに、アラミゴに向かうつもりだ。
また、王宮で会おう。
この場に招いてくれたこと、
ドマの国主として、深く感謝したい。
帝位を巡って、内乱が発生していたな……!
……やらない手はないと思うが、どうか?
この件のみ、原因や解法を導き出せていないのが不気味だな。
アシエンの仕業として、狙いはいったい何だ……?
東方連合に加わった各組織の代表たちに集まってもらい、
今後のことについて、話し合いを行っていたところだ。
そなたの尽力によって説得できた、アジムステップの遊牧民……。
ただ、ダルマスカの抵抗勢力は現在、分裂してしまっているので、
連合への正式な加入は連帯を取り戻してからとなっている……。
自由を脅かす帝国には徹底抗戦するということで、
皆の意見は一致している。
喜ばしい限りだが、帝国の動きがこうも早いとは……。
アラミゴ攻めも、そう遠くないといったところか。
それも、永久焦土地帯に防壁を築けるか否かにかかっておる。
飛空戦艦での侵攻を防げぬ限り、奇襲の危険は残り続けるのでな。
東方の守護者とされる存在にあやかり、「青龍壁」と名付けた。
魔大陸へと赴いたことのある[player]に、
その効果の程を、見極めてもらいたいのだ。
「青龍壁」の展開を急ぐ。
各代表との軍議の詰めは、そなたとハクロウに任せるぞ。
ヨルと大隼を用意したので、「烈士庵」近くの高台へ向かおう。
ザ・バーンへ出立するとしよう!
我らドマも後顧の憂いなく、アラミゴに援軍を送れるというもの。
これより「青龍壁」の起動実験を開始する!
起動準備、かかれ……!
我らが「青龍壁」の効果を確かめられるというもの。
趣味の悪い話だ……。
ひとかどの武人であると聞いていたが、
思わぬ展開になってきたものだ。
「青龍壁」の最終調整は、技術者たちに任せて、
ドマへと戻るとしよう。
ひとまず別室に運んで治療師に診せてはいるが……。
どっこいアルフィノは生きて戻ってきたのだ。
目覚めさせる術を突き止めて、救い出してやるのみよ。
アルフィノの分まで「暁」の役目を果たすことであろう?
飛空戦艦での侵攻の恐れがなくなったいま、
東方連合の兵をアラミゴに送り、エオルゼア同盟に合流させよう。
彼らを中心に乗組員を選抜しつつ、大型船の手配は、
東アルデナード商会に協力を打診してみるつもりだ。
むろん、軍事行動への協力は断られるやもしれん。
だが、少なくともアルフィノの移送には助力を得られるはずだ。
信頼できる癒し手を同行させ、必ず送り届けよう。
そなたは、東方連合で転送魔法が扱える者を募り、
先遣隊としてエオルゼア同盟に合流してくれ。
しばらくはドマを空けることになるな……。
留守中の指揮は、ハクロウ……お主に任せるぞ。
皆で奪還したアラミゴは、何としても護りたいものだな。
アラミゴへの援軍についても、準備を開始しておる。
先のドマへの和平交渉も、
もともとは、かの君が提言してくれたのだったな。
とはいえ、ゼノスの正体がアシエンである可能性が高い以上、
どの道を通ろうとも、蛇の道は蛇、かもな……。
それが、要点となりそうだな。
支配された民は圧政に怯え、
明日をも知れぬ身に、皆、震えていた。
政治嫌いというが、彼女の率直さは大きな武器となろうよ。
核心となる、アシエンの話題が出ることはなかったな。
神々への信仰が禁じられた帝国にあって、
唯一、崇敬の対象となり得るのが、彼というわけだな。
呆れ果てたといったところか?
確かに、国として宗教を否定しておきながら、
元首を神のごとく崇拝させるとは、大きな矛盾だ。
思えば帝国式の教育は、合理的な一方で矛盾点も多かった……。
会談が再開したら、そこを突いてみるのも一手かもしれん。
►……
<チェック漏れ>
そこで教えられた歴史は、こうだ。
世界を救うべく、その討滅を国是に掲げた。
そして、全土統一に向けて動き始めたのだ……と。
が、帝国の拡大は、ザ・バーンの荒廃を見る以前からのもの。
さらに言えば、近年の神降ろしは、いずれも帝国成立後に、
行われている……これでは辻褄が合わん。
やれやれ、予想を遥かに上回る規模での陰謀であったな。
とはいえ敵の正体が知れたいまとなっては、ただ戦うのみよ!
もはや、わしらは祖国を護るためだけでなく、
世界の未来を賭けて戦うこととなったな。
それも、負け戦を勝ち戦にするために来たのだ。
相手が強敵であろうが、戦うのみよ!
戦意は旺盛なれど、多くの兵にとってエオルゼアは異郷の地。
そなたらが同行してくれれば心強いのだが……。
我らは南へ、そなたは北へ!
どれ、わしも混ぜてくれんか?
わしも負けてはおれんが、もうこの辺りには、
敵軍の姿は見当たらんようだ……。
どうかそなたは、気をしっかり持ってくれ。
いったい、何が起きているというのだ……。
本隊の到着には今しばらく時間を要するゆえ、
陣の備えを万全にしておきたいのだ。
あやつが来たときに、無様な姿は晒してはおれんぞ……!
が、これまでの苦難の道のりを思えばッ……!
こ、このままでは……おおおおおおッ!!
わ、わしの身代わりに、リセが……!!
いや、まだだ……リセを援護せねばッ……!
我らでは敵わずとも、ここは支えてみせるぞッ……!
これがアシエンの力……!?