えおろーぐ

お前、帝国の将軍を倒したっていう冒険者だな。
……ウマい儲け話があるンだが、乗らないか？
報酬は古代文明の遺産。
かけてもらうのは、お前の命と腕前だ。
……英雄なら、そういう仕事は慣れたもンだろ？
度胸と力に自信があれば、これほど儲かる話はないぜ。
もちろん仲介料をせしめるつもりもない……
お前の儲けは、オレの儲けになるンだからな。
興味があるなら、今すぐ聖コイナク財団の調査地に行って、
「ラムブルース」って男から話を聞きな。
素晴らしい働きに期待してるぜ？

おいおい……
はじめる前から、ハードルをあげてくれンなよ。
まあ、どうやっても期待以上だろうがよぉ！

本日づけで、配属になったぜ。
さあ、オメガの調査といこうか……ガーロンドォ……！

それが兵器オメガの思惑だとも知らず、
「次元の狭間」へ進入した俺たちは、
奴の検証につきあうことになった……。

検証……ずばり、最強を決める戦いだ。
相手は、オメガが観測したあらゆる歴史、伝承から再現された、
奴のライバルたりえる存在たち……。
勝ち抜いたあかつきには、なンと！
オメガ大先生と直接対決できるらしいぞ。
嬉しいなぁ、オイ！

►いいなぁ
そうかぁ？
こンな野暮ったい制服、自己流に改造しなきゃ、
とてもじゃないが街を歩けないぜ！

ま、なンでもいいさ。
準備が整ったなら、ピーリングストーンズの南……
「ヤーンの大穴」に向かうとしようぜ。

オメガ大先生が、お待ちかねだ！

クク……。
お前もちょっと見てみろよ。
見覚えのある残骸が浮いてるぞ。

透けてもないし、異常もなし……と。
だが、よその様子は少し変わったか？
あの卵みたいな「被検世界」の数が減っていやがる……。

……だとよ。
そンじゃ、今回も準備運動からはじめるか！

おい、アルファが罠に掛かっちまったぞ！
しばらくは動けないか……！

この程度の小細工じゃ、
歓迎されてる気にならないがな！

その前に、お客サンだ。
再会は簡単じゃなさそうだぜ？

大勢でゴキゲンだなぁ、オイ！

ハッ！　大型新人は、イキってなンぼ！

上等だ、いくぞ！

合流……って、おいおい……。
お前らの方も、ずいぶン手こずってるなぁ？

クク……。
念のために準備していた「アレ」……
試運転には、ちょうどいいじゃあないかッ！

待たせたなッ！
XLVIII式魔導甲冑「アイアン・ネロ」、
そして、次世代ガンハンマー「マイティ・ミョルニル」だッ！

オレ様の快進撃に震えな、ガーロンドォ！

さぁて、いよいよ小細工抜きの計測ってとこか？

ふう……。
今の状態じゃ、稼働時間はここらが限界か。
ま、十分だろうさ……。

さて……準備はこンなもんかね。
さっそく被検世界「シグマ」とやらの攻略をはじめようぜ？

映ってるのは……顔か？
前回の城も摩訶不思議だったが……
また輪をかけてアヤシイな！

ククク……！
最初はどんな相手かねぇ。
せいぜい楽しもうぜ、英雄殿？

さあさあ、オレたちも楽しい仕事の時間だぜ！
どんな難題が相手だか、胸が躍るなぁ？

解析してみたンだが、あの強烈な光には浄化の力があるらしい！

おおっと、亡霊どもの反応を検知したぞ！
どうにかして、浄化するこったな！

アッハッハ！
ハナから大した相手だったなぁ！
なかなか見応えのある絵面だったぜ、英雄殿？

おいおい……簡単に言ってくれンなよ？
お前の思いつきを、この短時間で実現するのが、
どンだけ大変だと思ってるンだ。

この、ネロ様、が！！
理解ある聡明な超秀才だからできました、だろぉ？

……………………これだから天才は。
張合いもありゃしない。

ほらよ、できたての「チョコボの筆」だ。
詳しい原理は省くが、相手の特性にあわせて、
こちらも「絵を描いて」空間に干渉する……そのための道具だ。
描くときには、当然「絵具」がいる。
どンな色で、何を描いて、どう攻略に使うか……
そこは、お前のセンス次第だな。

それにしたって、ガーロンドォ。
少しでも仲間を労う気があるンなら、
ケトルに水くらい入れておけよ……。
おかげで、ろくに休憩もできなかったね。
まったく……部下がいないと、そンなこともできないのかねぇ、
生粋のおぼっちゃまは！

絵筆の形にする必要はなかったンだが、
ちょうど、いい羽根をもってるのが近くにいたからな……。
渾身の新作なンだ、「チョコボの筆」をうまく使えよ？

ククッ、ご立派なアトリエだ……。
いろいろと、おもしろそうなもンがあるなぁ？
お前も「チョコボの筆」で楽しむといいさ！

悪霊もお株を奪われて散々だろうよ。
ククッ、楽しい実験だったな！

動作したというか、させたというか……。
ま、オレたち裏方の作業も、そこそこ楽しかったぜ？

だが、そいつは対象を今回の空間と相手にかぎったから、
どうにかこうにか実用できたンだ。
使い回しが利くとは思うなよ。

そういうことなら、オレはパスだ。
あいつらよりも大事なカワイコチャンが、
データの海の中で、お待ちかねなンでね。

さて、お次だ……。
3層の相手は、強いだろうが、それだけだ。
遊び甲斐は……なしだな。

問題は、その次……4層のヤツだ。
この手の「めちゃくちゃ」に規則を見つけることにこそ、
知識とセンスが発揮されるンだが……。
フン……突拍子もない行動、あるいは嘘まみれの行動でも、
最後は必ず、世の法則に従って実行されるンだ。
とすれば、そこを細緻に検知できれば……。

ウエッ……！
なンだこりゃ、しょっぱいぞ……！？

……そういや、アルファがさっき、
ケトルのそばにカードを置いてやがったな。
それのせいか……？

ああ……お前か……。
戻ったなら……とっとと検証を再開すンぞ……。

ケトルの中身が、それはそれは濃い塩水だったもンでね……。
うっかりコーヒーを淹れて、酷い目にあった。
おかげで気分が悪い……。

当然だ……お前にそンな面白要素を期待しちゃいない……。
水を補充したのはアルファだ……。
それも、あの不思議カードを使ってな。

チョコボに味が理解できるかは不明だが、
次回は……まあ……ウマい水を湧かせてもらいたいもンだな。

……そンなことより。
次の戦闘のサポートは、ガーロンド……お前がやれ……。
オレはその隙に……4層の準備をしたいンでね……。

しばらく……放っておいてくれ……。
4層のための仕込みを、しなきゃならないもンでね……。

勝ったか……じゃ、いよいよ次だな…………。

さぁて……。
被検世界「シグマ」で最後の戦い、
はりきっていこうじゃあないか……。

クク……。
道化に世界が翻弄されるなンて、まさに喜劇だな？
……だが、そいつは確かに一度世界を滅ぼし、
人々を征服して、神になったと記録されてる。
それを成し遂げられる悪人は、そうそういるもンじゃない。

そいつ……魔導士「ケフカ」との戦いは、
奴が重ねた嘘や邪悪、取りこンで利用した力……
そういったものすべてとの対峙になるだろうよ。

間に合うかって！？
当然、間に合わせてある！
オレ様だからなぁッ！

道化の化粧は、本性を隠す……。
この手の悪党には、正直に挑むと不利ってもンだ。
なにせ、相手は騙しのプロ。
予備動作を見て、お前が対応したところで、
やすやすと裏切ってくるだろうよ……。

そこで、だ……。
こっちはレベルチェッカーのプログラムを組み換え、
「シグマ」内部を最高精度で観測……。
相手の挙動と、起こるであろう事象に差異があった場合、
どうにかお前に教えてやるよ……。
ま、どうしたって、タイミングはシビアだろうけどな……。

なンと、五分五分だッ！
ちょっとでも相手が予想を超えてきたら、まるで役立たず！

ククク、最高にスリリングだろ？
命がけの策比べ……ぶっつけ本番テストといこうぜ、英雄殿！

なンだったかな……ケフカの言葉……
『みんな壊れてしまえ、すべてはいずれ壊れゆく』か。

それに、誰かが言い返したらしい……。
『でも、人はまた、新しいものをつくりだすこともできる』と。

……ケフカのデータと一緒に、転がってた記録だよ。
言い返したのが誰かまではわからないがな。

►気に入ってる？
……さてね。
だが、ダメだと言われていたものを覆すのは、悪くない。
さ、とっととオタノシミを始めンぞ。

►夢は生まれ続ける
……ハイハイ、さすがは英雄殿。
いつかの誰かも、そうやって……
まっすぐに、人の生を肯定したンだろうさ。
まあいい、とっととオタノシミを始めンぞ。

►……
……なンでもないさ。
とっととオタノシミを始めンぞ。

こっちは、いつでもいい……。
命がけのオタノシミを、はじめようぜ？

フザけた野郎だ……！
何か仕掛けてくるつもりだぞ、注意しやがれ！

ま、ちょっとな……。
お前たちが感動の面会をしてる間に、
俺にも、手荒いお客サマが来たンだよ…………。

お前たちについて回るなンて、願い下げだぜ……。
それに……見ただろ、今の戦いをよ……。
クク……俺様の大勝利だ……！
未曽有の強敵を、俺の技術でくだしてやった……！
かの英雄すらラットにした実験……最ッ高に気持ちがいい！

おい、ガーロンド……。

…………次は、お前だぞ。

いつまでも、不戦勝を気取ってンなよ……。
俺はやった……なら、次はお前の技を見せる番だ……。
それでオメガがどうなろうが、
世界がどうなろうが、知ったことか……。

技術は自由のために、なンて社訓を掲げるなら……
お前が一番自由でなくて、どうすンだよ……。

おいおい、そンなザマで仕上げができるのか？

俺たちがオメガを起動させた直後にはじまった、
神龍とオメガの対決……。
あれについての情報を分析すると、ひとつの推測に行きつく。

オメガは、神龍の放った雷撃にだけ、
受け止めることもできずよろめいた。
……雷が、あいつの弱点なンだ。

で、そンなもンを造ったわけか。
もとになっているのは、ミドの設計図……
それも、交信雷波塔がらみだな？

……それで？
お前は、何に怖気づいてンだ？

……まったく。
お前、本当に余計なことをグダグダと考えるようになったな。
いよいよフケてきたか？

……やっぱり、お前、ヘンな奴！

だが、そうだな……
それならオメガの奴は、さしずめ学生時代のお前か。
お前が、今の自分の方がいいってンなら……
当然倒せンだろ、その装置でな。

……チッ、長く出歩きすぎた。
具合がすこぶる悪いンで、俺は戻るぜ。

そして、探求の旅ははじまった……か。
そうだな、はじまりはそれでこそだ。
さぁて、俺は……
次は何で、悔しがらせてやろうかね。