えおろーぐ

モモディさん……！
僕からの手紙は、もう読んでくれましたか？

押してダメなら引いてみろ、ですよ。
現にあなたは、文面からほとばしる僕の静かな情熱に、
自然と胸が高鳴ったはずだ！
ただ、返信を待つだけなんて、もどかしくて無理でした！
一刻も早く、あなたから色よい返事をいただきたくて、
こうして、はせ参じたというわけです！

おぉ！　そうでしたか……！
こんなに良いタイミングで届けてくれるとは、
君はとても良い仕事をしてくれました！！
さぁさぁ、モモディさん！
僕だけの宝石になってくれると、
その麗しい唇から、愛の言葉を囁いてください！

……やはり今でも、
その髪飾りを作った男のことが好きなのですか？

昔の話……。
本当にそうでしょうか？
あなたがつけている髪飾りは、
昔の想い人の手による品だと聞いたことがあります。
そして、霊災以降、それを身に着けるようになったと……。
未練がないとは、とても思えない！！
僕への対応がつれないのも、彼を想っているからでしょう？
……その人は、僕よりも財ある人なのですか！？

……なんとも、歯切れの悪い言葉です。
そうだ、あくまでモモディさんが、はぐらかすおつもりなら、
僕が贈り主の男よりも優れていると、証明してみせますよ！
冒険者さん、手伝ってください！
髪飾りの贈り主を探し出し、第三者の公平な目で、
僕とその男のどちらが優れているか、判定してもらいます！
ひとまず、その男の情報収集ですね……。
髪飾りを作ったということは、彼はおそらく彫金師！
まずは、彫金師ギルドに探りを入れてみましょう！

冒険者さん、この方に聞いてみましょう。
モモディさんと僕のためにも、協力願いますよ！

恋敵が、まだザナラーンにいたとは好都合です！
クレセントコーヴへ行きましょう！！

この人がモモロトさんですね。
モモディさんの期待と愛を受けながら、
それを投げ捨て逃げだした方ですか……。
ふん、ずいぶんとみすぼらしい男ですね。
どうしてモモディさんは、
こんなヤツからの髪飾りなんて大事にしているんだ。

な、なんて張り合いのない！！
僕ならば、どんな手を使ってでも、
モモディさんの期待に応えるというのに！！
……僕と彼、どちらが優れているかなんて、一目瞭然です。
冒険者さんに、判定していただく必要もありませんでした。
早くモモディさんのところへ帰りましょう！

モモディさん！
あんな男のどこに惚れたんですか……！
僕の方が、よっぽど素晴らしいじゃないですか！！！

あんな男が、あなたと釣り合うとは思えない！
僕と天秤にかけること自体が間違いでした。
冒険者さん、あなたもそう思ったでしょう！？
あんなヤツの贈り物をつけている理由が、
僕には、まったく理解できません！！

ではなぜ、霊災後になってからつけたのですか！？

すっ、素晴らしい……！
やはり、あなたは僕の見込んだとおりの女性でした！！
ああ、愛しています、モモディさん！
今度は、僕のとなりで、僕の夢を見守ってください！

そ、そんなぁ～！

そ、それは本当ですか……！
だったら、今すぐ帰って、
あなた好みの壮大な計画に、投資するといたしましょう！
冒険者さん、今回は礼を言います！
次は、僕とモモディさんの結婚式でお会いしましょう！