あっ、はい、「モル族」のシリナと申します。
何かご用でしょうか……?
ええ、もちろんわかります。
あの人なら…………
だけど、その、思ったよりも高くて、手持ちが……。
その草を今日の煮込みに使うべしって、神託が下ってるんです。
手に入れないわけには……!
急いで……がんばります……!
すみませんが、しばらく待っていてください……!
もしかして、手伝ってくださるんですか……?
あ、ありがとうございます……!
ふたりで集めれば、きっとすぐに集まりますっ!
「霊樹の根」は、この市の外に生息する、
「ステップドール」から得られるもの。
あなたは、2つほど集めてくださいますか?
終わったら、またここで。
くれぐれも、お怪我をなさらないようにしてくださいね!
おかえりなさい、そちらは大丈夫でしたか?
ああ……なんて優しい旅人さんでしょう。
あなたの行く道にぬかるみがなく、
訪ねた家には祝福されますよう……。
さあ店主さん、こちらはお代と霊樹の根です。
……これで、キンサイは買えますか?
入荷していることを見通しての託宣だったんだと思います。
あるいは、こうして新たな出会いに導くための……。
私こそ、買い物を手伝っていただいて……。
恐らく、このアジムステップ南東部の二大勢力、
「オロニル族」と「ドタール族」の人ですね。
彼らは独自の神話を持っていて、
自分たちを神の子孫と位置づけています。
威厳に恥じない戦いぶりで、ここ最近は常勝軍。
そのせいか、その……偉そうな人が……ちょっと多いです……。
とても勇猛に戦い、幾度も覇権を勝ち得てきましたが、
近年は、オロニル族に押され気味で……。
今来たのは、この市場を主宰する「ケスティル族」の人。
市場で喧嘩はご法度なので、騒ぐんだったら出入りを禁じる……
って言いたかったんだと思います。
彼らは言葉こそ嘘の温床と考えるので、とても無口なんです。
まず、アジムステップの各地方ごとに、
「戦の季節」という期間が定められています。
その期間は、上下関係を一旦白紙にし、
自由に戦の準備を整えることができる……。
その最終日に「終節の合戦」と呼ばれる総力戦があり、
そこで勝利した部族が、次の「戦の季節」まで、
一帯の所有者となるのです。
勢力を広げる気がないものや、市を持つケスティル族のように、
中立を保てる理由があるものです。
合戦には参加せず、草原の片隅でひっそり暮らすのが、
常だったのですが……今回は……。
心当たりがありますので、お話しします。
ずいぶん前に、祖母の言いつけで南の山間を見に行った私は、
傷だらけのヒエンさんを見つけました。
連れ帰って手当てをし、今ではよくなられたのですが……
彼は恩を返すと言って、働き手として残ってくれています。
本当にそれだけの理由なのかは、私にはわかりません……。
ですから、直接お話ししてみてください。
ヒエンさんとは、この市まで一緒に来たんです。
今頃は、お気に入りの場所にいると思うので、
地図に印をつけますね。
……あっ、ついでですみませんが、ヒエンさんに、
食事の支度があるから先に戻るとお伝えください。
それでは……キンサイの件、ありがとうございました!
ヒエンさんには、無事に会えたんですか?
みなさん、ちゃんと会えたんですね。
よかったぁ……。
「神託」を受けて、日々を暮しています。
祖母は、その神託を受けるシャーマンなんです。
確かに今回は、神託によって、
うちの一族も合戦に参加することになっています……。
でも、まず勝ちなんて見込めない、弱小の部族です。
みなさんの活動のお役には立てません……!
仲間として……いろいろと、ご案内しますね!
合戦に参加するなんて……って、毎日不安ばかりでしたが、
みなさんが来てくださって、少し安心しました。
みなさんが合戦の参加者となるには、
私たちの承諾を得るほかに、
越えなければならない試練があるんですが…………
何よりも先に、大事な、大事なことがあるんですっ!
「終節の合戦」の参加者になるための道は、
とても険しいものです。
草原を駆け抜け、迫りくる巨大な敵を退けて、
語るに3日はかかる英雄バルダムの叙事詩もかくやの大冒険を、
していただくことになります。
その試練は、ときに挑戦者の命さえ奪ってしまう。
ですので…………
夕に赤き肉をたいらげよ、朝に白き茶を飲め。
かくして英雄は出陣す……といいますし!
ささやかな宴ではありますが、支度をするので、
しばらく待っていてくださいね。
嬉しいです、一族のみんなも喜ぶと思います!
リセさんは、むこうで仕事をしているドルベイを、
手伝ってあげてもらえますか?
料理に使う肉の調達を手伝ってもらえると嬉しいです。
今日の神託では、
「オオイタチのスジ肉」をふるまえとありました。
餌を渡すので、仕留めてきていただいても……?
「笑顔で鍋を囲め」なんて日もありますけどね!
どうぞよろしくおねがいします!
肥えたオオイタチは無事に狩れましたか……?
わっ、こんなにたくさん!?
す、すごいです……もしかして、草原の外の方は、
みなさん大食でいらっしゃるんでしょうか!?
これは、はりきって料理しないとですね!
例のキンサイもうまく使えるよう、がんばってみます……!
もしお疲れでなければ、リセさんと一緒に、
「ドルベイ」の仕事に加わってみませんか?
彼はみんなの兄貴分ですから、
モル族を知っていただくための、近道になると思うんです。
天幕の近くで、荷を点検しているのが「ドルベイ」ですから、
よかったら声をかけてみてくださいね!
みんなとは仲良くなれましたか……?
ふふ、そんなことがあったんですね。
では、手をすすいで、今度こそゆっくりしていてください。
温かい乳茶もありますから。
もう少ししたら料理ができあがるので、
ヒエンさんたちにも声をかけて、みんなで食べましょう。
いろんなお話、食べながら聞かせてくださいね。
無理もありません、とっても遠くから、
大事な使命を背負っていらしたんですから……。
もう少しゆっくり休んでいればいいのに……。
ふたりとも、食べ終わってすぐ、どこかに行っちゃうんだから。
私たちの料理が、お口にあったなら嬉しいです。
この一帯では「バルダム覇道」を越えた者だけが、
戦える人と成ったと認められます。
「バルダム覇道」は、その名のとおり、
伝説の英雄バルダムが踏破した、冒険の旅路……
アジムステップ最古の祭壇へ至る、祈りの道です。
最奥へ到達した証として、
そこに巣食う怪鳥「ヨル」の成獣を倒し、
手懐けることが、戦士としての成人の儀となります。
チャカ・ゾーという建物があります。
そこを越えて、さらに西へ……。
キオルエンと呼ばれる遺跡群のあたりに、
山間を通り抜ける道があります。
そこから先が、「バルダム覇道」です。
合戦に向けて戦力を増強しようと、
人拐いや物取りをする部族もあるでしょう。
くれぐれも気を付けて……
みなさん、必ず無事にお戻りください。
ひとつ大事なものをお渡ししそこねていました。
これを吹いてヨルが来てくれれば、
無事に手懐けられた証になります。
私が挑んだときなんて、それはもう、散々でしたから……。
私が挑んだときなんて、それはもう、散々でしたから……。
バルダム覇道の試練はどうなったんですか?
ヒエンさんや、みなさんは……?
遅かったから、試練で何かあったんじゃないかって、
心配したんですよ……!
でも、よかった……元気に戻ってきてくださって……。
それに、ヨルも無事に手懐けられたんですね!
これで、いよいよ合戦に臨むだけ……。
それについて、みなさんに大事なお話があるんです。
戦の季節の最終日、つまり「終節の合戦」の開始が、
間もなくに迫っています。
通例として、合戦開始は朝日とともに……。
いにしえより審判をつとめてきたガール族によって、
開戦の合図として、土がまかれます。
まかれた土は「無垢の土地」となり、
そこへもっとも早く到達し、支配した者が、
合戦の勝者となるのです。
時間との戦いになるので、出遅れるわけにはいきません。
至急、戦支度を整えてください……!
間に合ってよかったです。
我らモル族、「終節の合戦」に参じます!
準備は、よろしいですか?
新たな土に、必ずモル族の証を刻みましょう……!
私たちに勝利を!
草風のシリナ
先導しますので、急ぎましょう!
草風のシリナ
[player]さん、みなさん、南へ進軍を!
見えてきました!
この先に「無垢の土地」があります!
草風のシリナ
草風のシリナ
私たちは、絶対に勝つんだから……ッ!
私たちの、モル族の勝利ですっ!
草風のシリナ
あなたに害なす者を、草原の民は拒絶するッ!
草風のシリナ
このまま、全員撃退します!
この一帯は、モル族のものとなりました。
でも……私たちは、多くの変化を望みません。
私の大切な仲間のお願いを、聞いてあげてください!
これだけは、絶対に、絶対ですっ!
微力ですが、一緒に戦わせてください!
本当に勝ったんですね、私たち……!
それでも、一族中が勝利の喜びに浸っています。
みなさん、どうか彼らに声をかけてきてもらえませんか?
きっと、今か今かと待っているはずですから!
……その間に、この感謝の気持ちをどうやって伝えようか、
考えなきゃいけないんですから!
私も、とっても嬉しいです。
それで……この感謝をどう伝えようかと考えたのですが、
うまく言葉にならなくて……。
だから、一族の伝統にのっとって、これをお渡しします。
それは「モリンホール」という伝統的な楽器です。
私たちの間では、特別なことを成し遂げた仲間に、
あなたの偉業が歌となり、讃えられ続けますように……と、
願いをこめてそれを贈るんです。
モル族は、みなさんの英雄譚を歌い続けます。
どうかそのモリンホールをそばにおいて、時折でいいので、
草原であなたを讃える者がいることを、思い出してくださいね。
今度は私たちが、できるかぎり力になりますから!
今後のことも考えると、アジムステップとヤンサを繋ぐ道を、
使えるようにした方がいいかもしれませんね。
紅玉海を経由するよりも早いのですが……
ドマの戦火が激しくなってからは、
ドタール族によって、封印が施されているんです。
私たち草原のアウラ族は、戦いを繰り返しながらも、
長い間、この暮らしを続けています。
今回も、合戦によって多くの血が流れ、
大地は赤く染まりました……。
だけど……
赤は、昼と夜を入れかえる色。
終わりの色にして、新しきを始める色。
私たちは、流した血と因縁を過去にして、
新しい季節へと歩みだすんです。
殺されたところから生まれよと、最初の父母が言ったように。
お見送りも兼ねて、途中までご一緒させていただきますね。
少し、緊張します……。
この玉座は引き続き、オロニル族とブドゥガ族のみなさんで、
使っていただいて構いません。
オロニル族が協力してくれるとあれば、まさに百人力です。
よくわかりませんが遠慮します、結構です。
どうぞそのまま座ってください。
南東の、ヤンサに続く道の封印を解いていただきたいんです。
この洞窟の先が、みなさんの目指すヤンサです。
だから……私のお見送りもここまで。
出陣の合図をいただくまで、しばらくお別れです。
私からも……これを持って行ってください。
お守り代わりにと思って……。
ただ、どちらもとても苦しい状況だと聞きました。
そんな現実を前にしたら、あまりにちっぽけで、
無力かもしれないけれど……
そこに織り込んだ赤い糸に、祈りを込めたんです。
悲嘆しながら迎える朝焼けの先に……
始まるものが、ありますようにと。
紅蓮の解放者になれますようにと、心から祈っています……!
みなさん、どうかご無事で!
大丈夫、モル族はいつでも出陣できます。
みなさんから、それだけの勇気をいただいたんですから!
神託ではたしか…………。
ナマズを使っても、美味しいボーズができるんですよ?
なぜだか、ふとそんなことを思い出してしまいました。
あら、[player]さん、何かご用ですか?
……なるほど、事情はよくわかりました。
では、モル族に伝わる祭について、ご紹介しますね。
モル族では、ある年齢に達した子どもたちが騎手となり、
馬で草原を駆ける競馬を行います。
遊牧民である私たちにとって、馬は移動手段であると同時に、
生活の糧であり、家族でもある大切なもの。
大事に育てた馬の速さと、これを操る子どもたちの技を、
草原の神々に示し、大地の恵みに感謝を捧げる……。
これが、私たちモル族の祭なのです。
どうして、あんなにも美味しそうなんでしょうね。
私に何かご用でしょうか……?
お祭の方は、ずいぶんと賑やかにやっているようですね。
モル族の子どもたちも、行ってみたいと、
せがんでくるんですよ?
最初に神託を聞いたときには、
本当にナマズのような方が、いらっしゃるのか不思議でしたが……
こんなに美味し……素敵な方と出会えて、私も嬉しいです。
なんだかとっても、お腹が空いてきました。
さっそく柿を頂戴しようかしら。
みなさん、ご無事で…………。
わ、私、探しに行ってきます……!
安全な場所まで、行きましょう。
みなさんも、きっと心配しています。
待機しているサドゥさんやマグナイさんにも、
このことを報告しておきますね。
だから……どうぞ、ゆっくり行ってらっしゃい。
そっか、帰るべきところに帰れたんですね。
彼らの天に、いつまでも陽と月が輝きますように……。
ほかの部族のみなさんは、早々に帰っていきました。
役目は果たしたと……それだけ言い残して。
私も、こうしてみなさんにご挨拶できましたから、
そろそろ草原に戻ろうと思います。
みなさん、どうかお気をつけて……。
攻撃の激しさよりも、そこに渦巻く人の気持ちが怖かった。
[player]さん、どうかご無事で……。
ドマから使者の方がやってきて、
私たちにも、みなさんの勝利を伝えてくれたんです。
本当に……みなさんの願いが叶って、よかった……。
モルの家を訪れた勇士たちは、紅蓮の解放者となったと、
私たちの唄にも残さなければいけませんね。
そして、[player]さんに、
お初にお目にかかる方まで……本日はどういったご用件で?
その力が、東方を守るために必要だというのですか?
北の山中にある「楔石の虚」には、月神の力の根源たる結晶が、
奉じられていると伝えられています。
この草原も、いつまでも無関係でいられるとはかぎりません。
協力させていただきたいのですが……。
そこに宿る力を使うとなると、月神を強く信奉する部族から、
反発が起きるかもしれません。
そうなると、東方地域の連合にも、
不参加を表明する部族が出てきそうで……それが気がかりなのです。
ですから、まず「楔石の虚」の調査から進めてはいかがでしょう?
その上で利用できるとなれば、月神を奉じる部族に理解を求める。
東方連合の件は、これらの後に……。
モル族は草原の覇者ではありますが、
命を懸ける戦いを、頭ごなしに強要したくはないのです……。
強い信望を抱いている部族もいる……。
部族ごと、それぞれの営みは尊重すべきと思うのです。
強い信望を抱いている部族もいる……。
部族ごと、それぞれの営みは尊重すべきと思うのです。
となれば、やはり他部族への説得が必要になりますね。
皆さんがドタール・カーへ行っている間に、
ほかの部族へ使者を送りたいと思います。
でも、彼らがみんな力を貸してくれるとなると……
それは朗報ですね!
モル族としても、東方連合に参加するつもりです。
戦力としては微々たるものではありますが……
この草原を守るためであれば、精一杯戦います!
ほかの部族についても、参陣を呼びかける使者を送っています。
結果がまとまり次第、ご連絡いたしますね。
ですが、草原を守るために避けられぬ道となるならば、
多くのアウラ・ゼラが立ち上がることでしょう。
あの戦いの後、厳しい訓練を続けているようです。
勝負に敗れたのが、よほど悔しかったのでしょうね。
草原の民の代表として、精一杯務めを果たします。
武名を高めて、存在感を示したいという思惑もあるようですが、
それでも心強い限りですね。
武名を高めて、存在感を示したいという思惑もあるようですが、
それでも心強い限りですね。
多くの部族が、東方連合への参加を表明してくれました。
これを機に、草原の民が結束してくれればと思います。
東方連合伝いに、戦場で倒れたと聞きました。
あまり無理をなさらず、どうかご無事でいてください……。