東ラノシア
[ 21.6 , 21.1 ]
おや、興味深い香りを纏っていますね。
この香りは……この地ではない、そう、遠く……遙か遠くの……
東方の香りでしょうか……東方からご帰還されたのですね。
薔薇の香りは、ほぼすべてのワインが持っているので、
おそらく香りではなくもっと側面的な何かではないでしょうか。
薔薇というと一般的には異性へのプレゼントですよね。
そういえば、花をあしらったおしゃれなボトルがあるって、
聞いたことありますよ。
ビルギレントさんならご存じかも。
この香りは……この地ではない、そう、遠く……遙か遠くの……
東方の香りでしょうか……東方からご帰還されたのですね。
薔薇の香りは、ほぼすべてのワインが持っているので、
おそらく香りではなくもっと側面的な何かではないでしょうか。
薔薇というと一般的には異性へのプレゼントですよね。
そういえば、花をあしらったおしゃれなボトルがあるって、
聞いたことありますよ。
ビルギレントさんならご存じかも。
東ラノシア
[ 21.6 , 21.1 ]
花をあしらったおしゃれなボトルですか?
ビルギレントさんならご存じかもしれませんね。
ビルギレントさんならご存じかもしれませんね。
東ラノシア
[ 21.6 , 21.1 ]
ダルマスカワインですって?
それはまた無理難題をふっかけられましたね……。
ダルマスカワインを生産していたワイナリーはほぼすべて、
帝国軍との戦渦に巻き込まれて焼失したと聞いています。
現在、流通しているものがあるとすれば、
戦乱以前に出荷されたものだけですので、
少なくともこの30年、市場には出回っていませんよ。
コレクターは絶対に手放さないでしょうね。
あとは国外に脱出したダルマスカ人がひょっとしたら……。
それはまた無理難題をふっかけられましたね……。
ダルマスカワインを生産していたワイナリーはほぼすべて、
帝国軍との戦渦に巻き込まれて焼失したと聞いています。
現在、流通しているものがあるとすれば、
戦乱以前に出荷されたものだけですので、
少なくともこの30年、市場には出回っていませんよ。
コレクターは絶対に手放さないでしょうね。
あとは国外に脱出したダルマスカ人がひょっとしたら……。
東ラノシア
[ 21.6 , 21.1 ]
ダルマスカ人といえばドレストさんが脱走兵でしたね。
彼に聞いてみるのはいかがでしょう?
彼に聞いてみるのはいかがでしょう?
東ラノシア
[ 21.6 , 21.1 ]
何か手がかりを見つけることはできましたか?
東ラノシア
見てください。
ワインは一滴も残っていませんが、
幸いなことにコルク栓がされたままとなっています。
飲み干した後にわざわざコルク栓を戻したのか、
それとも、少し残ったワインを保管するために栓をしたものの、
蒸発してしまったのか……ただそのおかげで……。
ワインは一滴も残っていませんが、
幸いなことにコルク栓がされたままとなっています。
飲み干した後にわざわざコルク栓を戻したのか、
それとも、少し残ったワインを保管するために栓をしたものの、
蒸発してしまったのか……ただそのおかげで……。
東ラノシア
おお……おお……この香り……
わずかなカカオとシナモン、そして……ローズマリー、
なんと芳醇な……万華鏡のような艶やかさを感じる……。
わずかなカカオとシナモン、そして……ローズマリー、
なんと芳醇な……万華鏡のような艶やかさを感じる……。
東ラノシア
間違いない、これはダルマスカワイン名産地として名高い、
レアモンデの高級赤ワイン「ウァーレンス」!!
かつて一度だけ味わったことがあります!
レアモンデの高級赤ワイン「ウァーレンス」!!
かつて一度だけ味わったことがあります!
東ラノシア
……とはいえ、この空のボトルだけでは駄目ですよね。
ゲゲルジュさんの宿題をクリアすることにはならないし。
ゲゲルジュさんの宿題をクリアすることにはならないし。
東ラノシア
それにしてもこのボトルから漂う香りは素晴らしいですよ。
彼の地のワインを詰めたら、少しはダルマスカ風味に
なったりしませんかね……な~んて、あはははは。
彼の地のワインを詰めたら、少しはダルマスカ風味に
なったりしませんかね……な~んて、あはははは。
東ラノシア
な、何を言ってるんですか!
そんな詐欺みたいなこと……い、いや、詐欺そのものですよ!
生産者のひとりとして断じて認めることはできませんよ!!
そんな詐欺みたいなこと……い、いや、詐欺そのものですよ!
生産者のひとりとして断じて認めることはできませんよ!!
東ラノシア
ちょ、ちょっと、待ってくださいよ!
東ラノシア
[ 21.6 , 21.1 ]
私としてはお勧めしかねますが、
そのボトルをゲゲルジュ氏へ持って行くかどうかは、
どうかご自身で判断なさってください。
そのボトルをゲゲルジュ氏へ持って行くかどうかは、
どうかご自身で判断なさってください。
東ラノシア
[ 21.6 , 21.1 ]
本物のダルマスカワインを手に入れたって本当ですか!?
たしかに、ドレストさんから入手したワインボトルと同じ、
いえ、もっと力強い……芳醇な香りがしますね!
なるほど……そんなことが……。
私もあの偽ダルマスカワインのことが気になっていたんです!
でも、これでようやく軌道修正ができますね。
……というか、ゲゲルジュ氏がそんなにふっかけていたなんて!
今思えば、「スド・ビアンニャ」とダルマスカワインを交換と、
聞いた時に疑うべきでした……私も反省します……。
であれば、私もゲゲルジュ氏のところへご一緒しましょう。
間違って保存状態の悪いワインを渡してしまったと、私が言えば、
さすがのゲゲルジュ氏も耳を貸すでしょうから。
たしかに、ドレストさんから入手したワインボトルと同じ、
いえ、もっと力強い……芳醇な香りがしますね!
なるほど……そんなことが……。
私もあの偽ダルマスカワインのことが気になっていたんです!
でも、これでようやく軌道修正ができますね。
……というか、ゲゲルジュ氏がそんなにふっかけていたなんて!
今思えば、「スド・ビアンニャ」とダルマスカワインを交換と、
聞いた時に疑うべきでした……私も反省します……。
であれば、私もゲゲルジュ氏のところへご一緒しましょう。
間違って保存状態の悪いワインを渡してしまったと、私が言えば、
さすがのゲゲルジュ氏も耳を貸すでしょうから。
東ラノシア
申し訳ございません、ゲゲルジュさん。
ですが、先ほど申したように、
保存状態の完璧なダルマスカワインをお持ちしました。
ですが、先ほど申したように、
保存状態の完璧なダルマスカワインをお持ちしました。
東ラノシア
この香りを嗅いでみてください。
わずかなカカオとシナモン、そして……ローズマリー、
なんと芳醇な……万華鏡のような艶やかさを感じる……。
これはダルマスカワイン名産地として名高い、
レアモンデの高級赤ワイン「ウァレーンス」!!
盲目の私でもこのワインのラベルが見えます!!
わずかなカカオとシナモン、そして……ローズマリー、
なんと芳醇な……万華鏡のような艶やかさを感じる……。
これはダルマスカワイン名産地として名高い、
レアモンデの高級赤ワイン「ウァレーンス」!!
盲目の私でもこのワインのラベルが見えます!!
東ラノシア
ありがとうございます、ゲゲルジュさん。
それでは、早速……
それでは、早速……
東ラノシア
え……どうするって……そりゃ破棄しますよ!
完全に保存状態が駄目なんですから。
料理酒にも使えませんよ!
完全に保存状態が駄目なんですから。
料理酒にも使えませんよ!
東ラノシア
え……ど、どうされるんです?
東ラノシア
さては、保存状態が悪いのを伏せて転売する気ですね!
そんなこと……絶対に……させない!
そんなこと……絶対に……させない!
東ラノシア
無理です、駄目です!
東ラノシア
駄目だって言ってるじゃないですか!
東ラノシア
……それでは、失礼しまーす!
東ラノシア
[ 21.6 , 21.1 ]
想定外のハプニングはありましたが、
交換できたわけですから結果オーライでしょう。
それにしても、もうこんなことはこりごりですね……。
え……これを私に?
そんな、こんな高級ワインをいただくことはできませんよ。
……オーボンヌ修道院でそんなことがあったんですね。
ああ、お土産ということですか。
でしたら、ご厚意を無礙にするのも失礼ですね。
ありがとうございます!
いや、正直、本心としてはとても嬉しいです。
あの幻のダルマスカワインを再び味わうことができるんですから。
あとでビルギレントさんと一緒に楽しみましょうかね。
そして、このダルマスカワインからヒントを得て、
これに負けないような新しいワインを必ず完成させますよ!
もう1本、お持ちなんですね、どうされるんです?
ああ、そうか、ドレストさんへのお土産ですね。
ドレストさんもきっと喜ぶはずです。
少しでも心が安らぐとよいのですが……。
いつかワイン造りを手伝ってくれるといいですね。
交換できたわけですから結果オーライでしょう。
それにしても、もうこんなことはこりごりですね……。
え……これを私に?
そんな、こんな高級ワインをいただくことはできませんよ。
……オーボンヌ修道院でそんなことがあったんですね。
ああ、お土産ということですか。
でしたら、ご厚意を無礙にするのも失礼ですね。
ありがとうございます!
いや、正直、本心としてはとても嬉しいです。
あの幻のダルマスカワインを再び味わうことができるんですから。
あとでビルギレントさんと一緒に楽しみましょうかね。
そして、このダルマスカワインからヒントを得て、
これに負けないような新しいワインを必ず完成させますよ!
もう1本、お持ちなんですね、どうされるんです?
ああ、そうか、ドレストさんへのお土産ですね。
ドレストさんもきっと喜ぶはずです。
少しでも心が安らぐとよいのですが……。
いつかワイン造りを手伝ってくれるといいですね。