あんな恐ろしいドラゴン族が、橋に2匹もいるとは……。
あんなに恐ろしいドラゴン族に、橋にたむろされては、
たまったもんじゃない……そもそも、私は狩りに向いてないのだ。
ナナシから話は聞いた。
冒険者ギルド……なかなか、興味深いもののようだな。
思う存分、探求できそうでもあるし、参加させてもらうぞ。
テイルフェザーでは、チョコボを食うためでなく、
乗用にするために育てるそうじゃないか。
あれほどウマい鳥を、乗用にするのは忍びないが、
私も探求する者として、雛鳥を飼育してみることにした。
成鳥になる前に、同胞に食われなければいいがな……。
聖フィネア連隊の者たちは、わざわざ自分から、
ドラゴン族に立ち向かってゆくそうじゃないか。
それも、揃いも揃って、立身出世のためだという。
ヒトは死の危険を冒してまで、地位や名声を得たいようだ。
理解できん……自分だけの「やりたいこと」はないのだろうか?
イディルシャイアから、使いの者が来る度に、
あの滑稽なマスクに笑わされる。
だが、ヒトと共生しているとは驚きだ。
彼らの柔軟性は、我らも学ぶべきところがある。
今や、ヴァスの塚も、ヒトなしでは立ちゆかんからな。
不浄の三塔へ使いに行く度に、恐怖で寿命が縮みそうになる。
まさか、彼らと取引することになるとは……。
しかし、そんなドラゴン族が、
我々の敵ではないと思うと、こんなに心安らぐことはない。
あとは、「繋がりし者たち」の脅威さえ去ればいいのだが……。
そもそも、私がこの役目を引き受けたのは、
思う存分、探求をするためだった。
それが今や、このギルドの運営自体が、
私の「やりたいこと」になっていると気が付いたのだ。
これからも、我々のギルドの依頼を引き受けてもらいたい。
テイルフェザーから依頼が届いているぞ。
例によって「メリアエの若枝」を収集してほしいのだ。
スモーキングウェイストで、メリアエの若木を伐倒してくれ。
そしてその、しなやかで弾力のある枝をもぎ取ってくるのだ。
必ず見つかるとは限らんが、3ヶ所も見回れば充分だろう。
メリアエの若枝は、もぎ取ってきてくれたか?
2体ぶんも取れたか……ご苦労だった、感謝する。
ヒトは、この枝をチョコボを狩るための矢にするそうだな。
よほど矢を作るのが好きと見える。
食えもしないメリアエなど、我々にとっては、
狩りに邪魔なだけだったが、思わぬ需要があるものだ。
ほかにも需要がないかと、ヒトに「ナンカの卵」を勧めてみたが、
気持ちが悪くて食えたものではないと、突き返された……。
最高のご馳走を気持ち悪いだなんて、ヒトとは不可解なものだな。
というのも、テイルフェザーからの依頼でな、
「煙草」という香がほしいと頼まれたのだよ。
ヒトの中には、その煙を好んで吸う者がいるというではないか。
我々は、ドラゴン族や虫を追い払うために香を用いるが、
自らが好き好んで煙を吸う習性はない。
まったく理解に苦しむが、ヒトの冒険者にならわかるだろう。
そこで、この依頼をキミに任せたい。
まずは、スモーキングウェイストへ赴き、
自生している「ケムリ草」を、3株ほど採ってきてくれ。
「ケムリ草」は生えていたか?
おお、あったのだな。
この葉をファイアクリスタルで乾燥させてから、
細かく刻んでと……シシシシシ。
よし、これで依頼の品の完成だ。
この刻み煙草を、テイルフェザーの、
「ルーパル」と「グリモルド」というヒトに渡してほしい。
ふたりとも煙を吸う習性があって、今すぐ必要らしい。
身体にはよくなさそうだが、私の知ったことではない。
それでは、よろしく頼んだぞ……シシシシシ。
シシシシシ……失敬、ご苦労だった。
私も探求する者として、煙草とやらを試してみたのだが、
あまりに煙たくて、つい咳き込んでしまったのだ。
やはり、身体に害がありそうだ。
私の知ったことではないが、ほどほどに控えた方がいいと、
今度、伝えておこう……シシシシシ。
テイルフェザーで一大事が起きている!
「ギサールの野菜畑」を、害虫が荒らしているのだ!
ギサールの野菜は、今や我々にとって貴重な食糧源!
すぐにコンガマトーに乗って、虫除けの香を「散布」してくれ!
コンガマトーの手配は、「ムシカイ」に頼むといい!
これで、害虫に食われずに済む、感謝するぞ。
ところで、ギサールの野菜を育てるルイゾネが、
害虫を追い払う我々のことを、「益虫」呼ばわりしおった。
不本意なことだ……いったい、我々のどこが「虫」だというのだ?
是非とも頼みたい依頼があるのだ。
周知のとおり、我々はテイルフェザーとの取引を始めてから、
お互い行き来することが多くなった。
だが、その道中を狙って、
凶暴な獣が襲ってくる事態が多発している。
同胞にもヒトにも双方に被害が出ていて、放ってはおけん。
そこで、チョコボの森を3ヶ所ばかり見回ってほしいのだ。
獣が襲いかかってきたら、返り討ちにしてもらいたい。
相手が何だろうが遠慮はいらんぞ……シシシシシ。
これで、ギルドの面目が保たれたぞ!
いや、実を言うとだな……
我々の力を誇示しようと、猛獣退治を引き受けたのだが、
相手が凶暴なベアーと聞いて、みんな怖がってな……。
誰も依頼を受けようとせず困っていたが、
さすがは腕利きの冒険者だ、器が違うというもの!
同胞も少しは見習ってほしいものだな……シシシシシ。
今回は、キミにしかできない依頼を任せたい。
グナースの塚に潜入して、物資を収集してもらいたいのだ。
「グナースの食糧壺」を3つに、「フカフカの黒土」を3袋ぶん、
その両方があれば充分だろう……。
どちらも、テイルフェザーへと納品するものだが、
塚の警備が厳重になった今、潜入を任せられる者は少なくてな。
危険を伴う仕事だが、どうか頼むぞ……シシシシシ。
グナースの食糧壺と、フカフカの黒土を収集してきてくれたか?
おお、助かったぞ、感謝する。
さっそく、テイルフェザーへ納品させるとしよう。
こんなものが、ヒトにどう利用されるのか不思議であろう?
グナースの食糧壺は、チョコボの雛の餌とされる。
「繋がりし者たち」の雑兵向けの練り物は、分かたれた我々には、
食えたものではないが、栄養価が高いので雛鳥に最適なのだ。
そして、フカフカの黒土は、ギサールの野菜の肥料となる。
なにせ「繋がりし者たち」は栄養価の高いものを食べているだけに、
奴らの排……おっと。
いや、なんでもない、忘れてくれ。
ヒトの冒険者よ、これからも頼りにしているぞ……シシシシシ。
ヒトは、巨大な対竜カノン砲を作る技術を持っていながら、
火薬というものには、あまりに無頓着なようだな。
なぜなら、聖フィネア連隊の火薬は、
小型の火砲に使うならともかく、カノン砲用には爆発力不足なのだ。
そこで私が手を加えてやったら、射程が伸びたと喜ばれてな。
それからというもの、火薬の調合の依頼が来るようになった。
今回は、その素材集めを協力してもらいたい。
アヴァロニア・フォールンで「アヴァロニア赤砂」3袋ぶんと、
スモーキングウェイストで「枯木の丸太」を3つ、
収集してきてくれ。
アヴァロニア赤砂と枯木の丸太を、取ってきてくれたか?
ありがたい、恩に着るぞ。
この枯木の丸太を木炭にして、アヴァロニア赤砂と混ぜる。
それを、聖フィネア連隊から得た火薬に添加すれば完成だ。
アヴァロニア赤砂は、かつてドラゴン族が一帯を焼き払った際に、
生じたものと思われる強い火属性を帯びた物質でな。
これを混ぜ込むことで、爆発力を高めるのだよ。
どうだ、グナース族の技術も侮れないだろう?
こうして優れた知識と技術を、外界の者たちと交換し合えば、
お互いに発展していけることだろう……シシシシシ。
聖フィネア連隊から、定番の依頼が来ているぞ。
竜避けの香となる銀露草の収集だ。
アヴァロニア・フォールンに生えている、
「銀露草」を4株ほど採ってきてもらいたい。
「繋がりし者たち」がうろつく一帯ゆえ、気をつけてな。
銀露草は、無事に採ってこれたか?
これは見事な銀露草だ、感謝する。
その様子だと、やはり「繋がりし者たち」が現れたようだな。
きっと、奴らも銀露草を狙ってきているのだろう。
今まで、いくらでも生えていた銀露草だが、
最近、「繋がりし者たち」との争奪戦が始まっているのだ。
ドラゴン族との戦いに備え、連中も備蓄を増やしたいのだろう。
銀露草は我々にとっても、生命線であるから、
テイルフェザーの協力のもとで、栽培も始めている。
すべてを採りつくしては、本末転倒だからな……シシシシシ。
なんでも、「酒」という発酵させた果汁を飲んで、
わざと能力を鈍らせることを楽しむそうじゃないか?
いったい、どういうつもりなのかわからんが、
聖フィネア連隊から、その「酒」の製造を頼まれた。
我々なりに作ってみたところ、これがなぜか大好評でな。
追加の注文が止まらんので、ヒトの冒険者にも、
「酒」の製造を手伝ってもらいたい。
まずは、素材集めからだ。
チョコボの森の北東に落ちている、
「完熟の七天樹の実」を、3つほど拾ってきてくれ。
「完熟の七天樹の実」を、渡してくれるか?
よし、これはいい具合に熟しているぞ。
少し待ってくれ、あっという間にできるからな。
果実の発酵を促すには、この方法が一番なんだ……
クチャクチャ……ングング……
ジュクジュク……モグモグ……ペッペッペッ……。
シシシシシ……あとは、しばし寝かせて発酵させれば完成だ。
だが、気の短いヒトの騎兵が、ここまで取りにきている。
この寝かせておいた「七天樹の果実酒」を渡してくれ。
聖フィネア連隊との取引が始まってからというもの、
銀露草の需要も増す一方だ。
そこで、我々はテイルフェザーの協力のもと、
銀露草の栽培を始めたのだが……
何が原因なのか、天然物に比べ効果が薄いことがあってな。
不良品を納品したとなれば、我々のギルドの信用に関わる。
そこで、いちど試用して効果を確認してから、
出荷することに決めたのだ。
今回は、その試用を任せたいと思う……シシシシシ。
コンガマトーに乗って、スモーキングウェイストの南へ赴き、
「荒ぶる邪竜の眷属」に、竜避けの香を「散布」してみてくれ。
眷属を、3度ほど追い払えれば効果は充分と言えるだろう。
「ムシカイ」から、コンガマトーを借りて試してきてもらいたい。
これで心置きなく出荷できる、感謝するぞ。
今は、栽培できる銀露草は僅かで、天然物に頼っているが、
いずれは、すべて栽培でまかないたいと思っている。
実を言うと、ギサールの野菜も栽培してみたのだが……断念した。
なんせ、葉が茂る前に同胞にすべて食われてしまうのでな。
……シシシシシ。
ヒトは我々グナース族より寒さに強いというが、
聖フィネア連隊の露営地は極寒で、ヒトでも過酷らしいな。
そんな連隊から、寒さを凌ぐ毛皮が欲しいと依頼がきたのだが、
いかんせん襟巻一枚の我々には、毛皮の良し悪しがわからん。
そういうわけで、テイルフェザーの狩人の力を借りることにした。
「グリモルド」というヒトと協力して依頼をこなしてくれ。
我々には、手に負えん依頼だったもんで、丸投げしてしまった。
なんと、仕掛けた肉に釣られて「繋がりし者」が現れただと?
シシシシシ……ならば、やはりヒトの冒険者に任せてよかった。
同胞も、仕掛ける前に肉を食ってしまいかねんからな……。
おお、ヒトの冒険者よ、いいところに来てくれた。
イディルシャイアへと荷車を運ばせた、
「トレッカー」という同胞が、一向に戻ってこないのだ。
……どうも、嫌な予感がする。
トレッカーは、完全には「分かたれ」ていない者でな。
もしかしたら、途中で自我を失ってしまい、
途方に暮れているのかもしれん。
すまんが、低地ドラヴァニアへと至る道で、
「トレッカー」を探してきてくれないか?
そして、もし自我を失っていたら、その名を呼びかけてくれ。
同胞を救ってくれたこと、恩に着るぞ。
トレッカーのように、塚には、
まだ完全には「分かたれ」ていない者もいる。
そういう同胞を後押しするのも、ギルドの役目だな。
こちらから届ける、ナンカの卵だけでは飽き足らず、
わざわざ、この地までナンカを狩りにきているのだ。
なんでも、獲れたての新鮮なものを食べたいらしい。
しかし、その血がよほどウマいのか、
ゴブリン族は、この地の羽虫によく刺されるという。
そういうわけで、ナンカ狩りに訪れたゴブリン族に、
虫除けの香を、身体に染みつけてほしいと依頼された。
この任を、ヒトの冒険者に頼みたい。
依頼人はアヴァロニア・フォールンの西にいる。
「ムシカイ」に声をかけて、コンガマトーに乗ったら、
「ゴブリン族の狩人」を見つけ、虫除けの香を「散布」してくれ。
しかし、この調子でゴブリン族がこの地を訪れるなら、
ほかにも、いろいろと依頼をもらえそうだな……。
イディルシャイアまで品を届けに行く手間も省けるし、
これは、いい傾向かもしれんぞ……シシシシシ。
よく来た ヒトの 冒険者 イディルシャイアの……
主要な依頼 卵集めを 頼みたい~!
シシシシシ……どうだ、ゴブリン族っぽかったかろう?
頼みたいのは、ほかでもない、今やゴブリン族の大好物になった、
ナンカの卵の獲得だ……我々の漁法を用いてな。
まずは、悲嘆の飛泉に沈めておいた「ヴァスのシカケ」から、
餌になる「ネイルシュリンプ」を入手してもらいたい。
そして、それをウィロームリバーの中流で撒くのだ。
この海老は、産卵期のナンカの好物でな。
あとは現れた獲物を、キミの腕で迅速に締めて、
ブヨブヨした卵をむしり取って、持ち帰ってくれればいい。
お帰り お疲れ ご苦労さん!
ナンカの卵は 獲れたのかい?
ブヨブヨ ビリビリ ナンカの卵!
どうも ありがと 冒険者 見事な働き 感謝する~!
シシシシシ……ゴブリン族の喋り方は癖になるな。
ところで、我々の狩場を荒らす「繋がりし者たち」だが、
「ナンカ」だけは食わないようで、狩ろうとしない。
ナンカの味こそ、我々「分かたれし者たち」にしかわからない、
自由と個性を象徴する味ということだな。
もっとも、我々の中にも、あの味を理解せん者もいる。
だが、それこそ個性というものだ……そう思うだろう?
なんでも、あの滑稽なマスクの口元には、
香草が入っているそうじゃないか?
それぞれが、好みの香草を入れて、
気分やら何やらに応じて、配合を変えるという。
実に興味が尽きん話だが、その香草に関する依頼が来た。
彼らが好む香草を、10種類ほど集めてほしいそうでな。
種類が多いので、何人かで手分けしてもらうことになった。
ヒトの冒険者に依頼したいのは、そのうち2種類!
アヴァロニア・フォールンの東で「ウィロームミント」と、
「ダンナーセージ」を、各3株ずつ摘んできてくれ。
ゴブリン族も、わざわざ出向いてきて、お待ちかねだ。
おお、これだな、感謝する。
グナース族の冒険者が集めたぶんと合わせて……
よし、袋詰めしたぞ……。
シシシシシ……この「香草の詰め合わせ」を、
そこにいる、ゴブリン族の配合師に渡してくれ。
それにしても…………
何度見ても、あのマスクは笑える。
我々グナース族には、たまらんのだが……
ヒトはおかしくないのか?
イディルシャイアから、この地に客が訪れている。
ヒトのトレジャーハンターたちが、宝探しに来ているのだ。
なんでも、古びた遺跡から宝を発掘したいらしい。
そこで高地ドラヴァニアに精通した、腕利きの護衛を
派遣してほしいと、依頼を受けたのだ。
ここは、魔物との戦いにも慣れたキミに任せたい。
不浄の三塔近くの遺跡へ向かい、宝探しをしている、
「トレジャーハンター」たち3組の、安全を確認してくれ。
つくづく、ヒトとは不可解よ……。
古びたガラクタを得たところで、いったい何の役に立つ?
危険を冒してまで無意味なことをするとはな……。
ヒトのことを理解するには、まだまだ時間がいりそうだ。
ドラゴン族と取引するとは、未だに信じられんが、
不浄の三塔から、切実な依頼が来ている。
意外にも、不浄の三塔のドラゴン族たちは、
寄生虫「フリー」……つまりノミに悩まされているのだという。
こういうときこそ、我々の虫除けの香の出番だ。
だが、ドラゴン族に接近することになるので、
同胞は恐れて、あまりやりたがらない……。
ヒトの冒険者よ、ぜひ力を貸してくれ。
「ムシカイ」からコンガマトーを借り、不浄の三塔へ向かうのだ。
そして、「悩めるドラゴン族」3体に対して、
虫除けの香を「散布」してやるのだ……頼んだぞ!
我々は本能的にドラゴン族をひどく怖れる。
ドラゴン族に食われてきた、古からの記憶がそうさせるようだ。
だが、「分かたれ」た我々は、
そんな呪縛からも、解放されなければならない。
そのために必要なのは、つまるところ……少しの勇気だろう。
おお、よく来たヒトの冒険者よ。
ちょっと、困った事案が発生していてな。
「ウーム・アラ」という名のドラゴン族に、
依頼された荷物を届けたいのだが……
ドラゴン族はすべて同じに見えてしまい、見分けがつかんのだ。
混乱した同胞が放棄してしまったので、キミに頼みたい。
不浄の三塔にいる「黄色い鱗のドラゴン族」に、
片っ端から、「ウーム・アラ」かと確認してほしい。
そして、ウーム・アラを見つけたら、
この「ウーム・アラ宛ての包み」を渡してもらいたいのだ。
不躾な願いで申し訳ないが、どうか頼む。
ドラゴン族は、本当に見分けがつかんから困る。
だが、ドラゴン族からすると、
我々グナース族の見分けがつかんという……
おかしな話だ、こんなにも皆、違うというのに……な?
不浄の三塔のドラゴン族から、
遊びに出たまま戻らぬ子竜の迎えを頼まれた。
容易なことと侮るなかれ、迎えにいった同胞は、
逃げられた挙句に、魔物に襲われ命からがら逃げてきた。
さすがはドラゴン族……子どもとて侮れぬ存在らしい。
この依頼を、キミに遂行してもらいたい。
不浄の三塔へ赴き、今回の依頼主である、
「たくましき母竜」から話を聞いてくれ。
子竜もさることながら、あの母竜が恐ろしくてかなわん。
子に何かあったら、我々などひと噛みだろうからな……。
ドラゴン族から、近頃、竜避けの香炉が多すぎて、
不浄の三塔にまで、煙が飛んでくると苦情が来ている。
しかし、我々は香炉は増やしていない。
忌まわしき、「繋がりし者たち」が、香炉を増設したのだ。
このまま、我々が疑われるのはたまらん。
潔白を証明したいので、キミに協力を求めたい。
どうか、スモーキングウェイストへ赴き、
「増設された香炉」4基すべてを、停止させてきてくれ。
「繋がりし者たち」が現れるかもしれんが、問答無用だ。
これで、ドラゴン族からかけられた疑いも晴れるだろう。
近所付き合いも、大変なものだ。
いつか、邪竜の眷属がいなくなり、
我々も、竜避けの香を焚かなくて済むような……
そんな日が来るといいのだがな……シシシシシ。
不浄の三塔のドラゴン族から、モーン大岩窟に棲息する、
下級眷属を間引くように依頼されてな。
どうやら邪竜の眷属たちが、兵として用いるために呼び寄せた、
古代獣ティラノサウルスが想定以上に繁殖してしまったらしい。
だとすれば、卵を奪えばいいと考えたのだが……
依頼を任せた「オソレシラズ」という同胞が戻って来ないのだ。
何かよからぬことが、あったのかもしれん。
すまんが、ヒトの冒険者よ、モーン大岩窟へと向かい、
「オソレシラズ」の様子を見てきてはくれんか?
ほう、「オソレシラズ」が私のことを現場知らずと、
抗議しているというのか……なるほど、ギルド運営とは難しいな。
古代獣と直接戦うよりは、安全だろうと思ったのだが……。
それはともかく「オソレシラズ」は、そろそろ改名すべきだな。
「ビビリ」「ヘタレ」「ハジシラズ」などにな……シシシシシ。