テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
おぉ……ついに幻まで見えるようになったか……。
かような海底に、余人が訪ねては来まいからな……。
かような海底に、余人が訪ねては来まいからな……。
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
幻よ……いや亡霊よ……。
吾の命、喰いたくば喰っていけ……。
吾は今、「すらんぷ」の最中……。
働くことのできぬ吾など、藻屑以下の存在よ……。
いや……比べるだけ、藻屑に失礼かもしれぬ……。
吾の命、喰いたくば喰っていけ……。
吾は今、「すらんぷ」の最中……。
働くことのできぬ吾など、藻屑以下の存在よ……。
いや……比べるだけ、藻屑に失礼かもしれぬ……。
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
働くことのできぬ吾など……生きる価値なし……。
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
亡霊が、何やらざわめいている……。
この命を喰らわぬならば、どうか放っておいてくれ……。
この命を喰らわぬならば、どうか放っておいてくれ……。
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
……む? 何やら真っ当に励まされている?
もしや貴殿、幻や亡霊ではない……?
もしや貴殿、幻や亡霊ではない……?
テンペスト
いかがされたか。
……私の容姿に、何か気に食わぬところでも?
……私の容姿に、何か気に食わぬところでも?
テンペスト
だが、多少の不精は許されたし。
なにせここは、余人の入らざる海底の「あとりえ」。
このグレノルトが、俗世を離れ、仕事に打ち込む場なれば……。
……して、客人よ。
わざわざかような場所に訪れてまで、吾に何用か?
なにせここは、余人の入らざる海底の「あとりえ」。
このグレノルトが、俗世を離れ、仕事に打ち込む場なれば……。
……して、客人よ。
わざわざかような場所に訪れてまで、吾に何用か?
テンペスト
ふむ……オンド族から発注された、明かりとな……。
テンペスト
うわああああああぁぁぁ!
まだ何も浮かんでなぁぁぁいッ!
まだ何も浮かんでなぁぁぁいッ!
テンペスト
吾は藻屑……いや、ただのクズ……クズ以下のクズクズ……。
一端の職人ともあろうものが、納期も守らず、
成果も上げていないなど……仕事を舐めている……!
ああしかし、貴殿も聞いたであろう。
信仰に厚いオンド族にとって、
遺跡に明かりを灯すことが、どれほどの意味を持つか……。
なれば吾は、職人として、最適な明かりを提供せねばならぬ!
だというのに……だというのに……!
一端の職人ともあろうものが、納期も守らず、
成果も上げていないなど……仕事を舐めている……!
ああしかし、貴殿も聞いたであろう。
信仰に厚いオンド族にとって、
遺跡に明かりを灯すことが、どれほどの意味を持つか……。
なれば吾は、職人として、最適な明かりを提供せねばならぬ!
だというのに……だというのに……!
テンペスト
どんな明かりが良いか、ちっとも浮かばなぁぁぁい!
閃きが全然足りないぃぃ!!
閃きが全然足りないぃぃ!!
テンペスト
はぁ……貴殿は何か、
吾に閃きを与えるような品を持ってはおらぬか?
吾に閃きを与えるような品を持ってはおらぬか?
テンペスト
オンド族が、いにしえの存在に応えようとしているのなら、
灯す明かりもまた、歴史を火にして輝くような……
そんな品でなければならぬ。
例えるならば、そう、命の輝きを結晶にしたクリスタル……
だが、輝かしいばかりではなく、悲喜こもごもの、
動乱の歴史を歩んできたかのような……そんな感じの……何か!
灯す明かりもまた、歴史を火にして輝くような……
そんな品でなければならぬ。
例えるならば、そう、命の輝きを結晶にしたクリスタル……
だが、輝かしいばかりではなく、悲喜こもごもの、
動乱の歴史を歩んできたかのような……そんな感じの……何か!
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
駄目だ……
なにか閃きを呼び起こすような品を得なければ、
到底、明かりを作り上げられそうもない……!
例えるならば、そう、命の輝きを結晶にしたクリスタル……
だが、輝かしいばかりではなく、悲喜こもごもの、
動乱の歴史を歩んできたかのような……そんな感じの……何か!
なにか閃きを呼び起こすような品を得なければ、
到底、明かりを作り上げられそうもない……!
例えるならば、そう、命の輝きを結晶にしたクリスタル……
だが、輝かしいばかりではなく、悲喜こもごもの、
動乱の歴史を歩んできたかのような……そんな感じの……何か!
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
ああ……何も思い浮かばぬ……
もはや、ヤカンを打ち直す仕事から、
出直した方がいいのではなかろうか……?
もはや、ヤカンを打ち直す仕事から、
出直した方がいいのではなかろうか……?
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
そ、そ、そ、それは……そのクリスタルは……ッ!
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
美しさのみならず、悲哀や無常の理までも伝わってくる……
まさに、そう、激動の歴史を体現していると言っても、
過言ではない逸品……!
まさに、そう、激動の歴史を体現していると言っても、
過言ではない逸品……!
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
おお、おお、おお……!
視える……クリスタルが伝えし遺志の輝きが視える……!
望めども、決して集められぬ「輝き」が……!
視える……クリスタルが伝えし遺志の輝きが視える……!
望めども、決して集められぬ「輝き」が……!
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
うおおおぉぉぉ……!
製作意欲が、閃きが、とめどなく溢れてくる!
いける、いけるぞ、今なら……ッ!
製作意欲が、閃きが、とめどなく溢れてくる!
いける、いけるぞ、今なら……ッ!
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
客人よ、見事な品を拝見させていただき、感謝いたす!
さっそく明かりづくりに取り掛かるゆえ、
しばし、そこで待たれよ!
さっそく明かりづくりに取り掛かるゆえ、
しばし、そこで待たれよ!
テンペスト
……完成だ!
テンペスト
あのクリスタルから受け取った想いを、
こうして、オンド族の灯す明かりに変えてみた。
こうして、オンド族の灯す明かりに変えてみた。
テンペスト
吾ながら、会心の出来と言えよう。
これならば、あの遺構にも似合うはずだ。
これならば、あの遺構にも似合うはずだ。
テンペスト
……実のところ、吾が行き詰ったのは、
あの、「いにしえの者」が造ったとされる遺構の数々が、
己など遥かに及ばない境地にあるからなのだ。
吾は物作りを極めるため、
ノルヴラントに残る技術も知識も、貪欲に吸収してきた。
が、いずれを以てしても、あれほどには至らず……
いかにしてあれらの建造物を成形したのかさえ、
見当がつかぬのだ。
……まさに「ろすとてくのろじー」よ。
あれに魅せられて当地に居を構えた身ではあるが、
いざ添える道具を作るに至って、尻込みをしてしまった……。
あの、「いにしえの者」が造ったとされる遺構の数々が、
己など遥かに及ばない境地にあるからなのだ。
吾は物作りを極めるため、
ノルヴラントに残る技術も知識も、貪欲に吸収してきた。
が、いずれを以てしても、あれほどには至らず……
いかにしてあれらの建造物を成形したのかさえ、
見当がつかぬのだ。
……まさに「ろすとてくのろじー」よ。
あれに魅せられて当地に居を構えた身ではあるが、
いざ添える道具を作るに至って、尻込みをしてしまった……。
テンペスト
しかし、貴殿の持ち込んだクリスタルのおかげで、
「作りたい」という気概が、臆病風に勝ったわけだ。
詳しい由来はあえて聞かぬが、恐らく、
多くの想いを連れた旅をしてきた代物なのだろうよ。
見る者の心に、言葉はなくとも訴えてくる……。
「作りたい」という気概が、臆病風に勝ったわけだ。
詳しい由来はあえて聞かぬが、恐らく、
多くの想いを連れた旅をしてきた代物なのだろうよ。
見る者の心に、言葉はなくとも訴えてくる……。
テンペスト
うむ、うむ!
吾の閃きも、まだまだ途絶えることがなさそうだ!
どれ、そのクリスタルから感じ取れる物語を、
貴殿の装備として、仕立てて進ぜようではないか!
吾の閃きも、まだまだ途絶えることがなさそうだ!
どれ、そのクリスタルから感じ取れる物語を、
貴殿の装備として、仕立てて進ぜようではないか!
テンペスト
……っと、オンド族への納品も済まさねばな。
すまぬが、族長の「トルスィー・アース」のところへ、
この明かりを運んでほしい。
すまぬが、族長の「トルスィー・アース」のところへ、
この明かりを運んでほしい。
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
貴殿に、あのクリスタルを見せてもらったことで、
製作への意欲は高まる一方よ。
やはり、時折よその空気を吸うことは大事だな。
この海底の「あとりえ」は吾も気に入っているが、
いかんせん、内に籠りがちになる……。
いずれ、どこぞに別宅を持つことでも考えてみるか。
依頼を粛々とこなしているうちに貯まった金が、
それなりにあるのでな。
製作への意欲は高まる一方よ。
やはり、時折よその空気を吸うことは大事だな。
この海底の「あとりえ」は吾も気に入っているが、
いかんせん、内に籠りがちになる……。
いずれ、どこぞに別宅を持つことでも考えてみるか。
依頼を粛々とこなしているうちに貯まった金が、
それなりにあるのでな。
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
貴殿が持つ、抜け殻のようなクリスタル……
あれを見たときに思い浮かんだのは、
激しく、華々しくも哀愁を秘めた、「英雄」の人生よ。
それにふさわしき装いを仕立て、以て「英魂装備」とした。
また脳裏に閃く「輝き」を得ることがあれば、
種類を増やすこともできるであろう。
あれを見たときに思い浮かんだのは、
激しく、華々しくも哀愁を秘めた、「英雄」の人生よ。
それにふさわしき装いを仕立て、以て「英魂装備」とした。
また脳裏に閃く「輝き」を得ることがあれば、
種類を増やすこともできるであろう。
テンペスト
[ 34.2 , 25.7 ]
「英魂装備」は、歴戦の英雄を思い描いて作った装備……。
その真価を引き出すには、相応の力量がいる。
貴殿の実力がそれに見合っているようであれば、
このグレノルト、金銭などをもらわずとも、
自ずと手を動かすであろう。
その真価を引き出すには、相応の力量がいる。
貴殿の実力がそれに見合っているようであれば、
このグレノルト、金銭などをもらわずとも、
自ずと手を動かすであろう。