えおろーぐ

折り入って頼みたいことがあるのだが……
話だけでも聞いてもらえるだろうか？
実は最近、「青魔道士」と名乗る男が、
「青魔法」なる術を修得できるという触れ込みで、
怪しげなクリスタルを、冒険者相手に高値で販売しているらしい。
それが本物であれば問題ないのだが……
購入した冒険者たちから、何ひとつ修得できなかったと、
何件もの被害届けが寄せられているのだ。
そこで、これから事件の捜査に向かうのだが、
私は冒険者界隈のことには、いまいち疎くてね。
冒険者である君に、商品の真贋を確かめてもらいたいのだ。
届け出どおり、男が売るクリスタルが、
何ら効果のない偽物ならば、すぐさま私が逮捕する。
逆に本物なら、君は新たな術を修得できるわけで損はないはずだ。
協力してくれるんだね、感謝する。
それではさっそく、「青魔道士と名乗る男」が出没するという、
中央ラノシアの「サマーフォード」へ向かおう。

どうやら、この先で「青魔道士と名乗る男」が商売しているようだ。
まずは、隠れてその手口をうかがうことにしよう。

うーむ、やはり詐欺の臭いがプンプンする。
それに、都合よく登場したマムージャ族も怪しい……。
こっそり尾行して、尻尾を掴んでやろう。

マーティンとかいう男は、低地ラノシアの方へ向かったようだ。
このまま、尾行を続けよう……。

くだんの、マーティンとかいう男は、
ここモラビー造船廠に寄って、腹ごしらえしていたようだ。
それも、造船師に余った弁当をせびって、恵んでもらっていた。
稼いだギルがあるはずだが、よっぽど金に汚い男とみえる。
ともかく、さらに尾行を続けるとしよう……。

こんなひとけのないところで、いったい何を……？
怪しい、怪しすぎる……。

なるほど、そういうことだったか……。

イエロージャケットだ！
青魔道士を騙った詐欺容疑でお前を逮捕する！

嘘をつくな！
襲ってきたマムージャ族とグルだったってことは、
大方、売っていたソウルクリスタルとやらも偽物だろう？

クリスタルに……記憶を込める？
うーん、やはり冒険者界隈のことはよくわからん。

すまないが、そのソウルクリスタルとやらが本物かどうか、
君に判断してもらえないだろうか？

ど、どうなんだ……？

どうなんだ？
青魔法とやらは修得できたのか……？

君が「水鉄砲」とやらを放つことができたら、
詐欺ではなかったことの証明になるが、果たして……。

待て、確かに詐欺じゃなかったことは認めよう……。
だが充分な説明もなしに、商品を売っていたことは否めない。
そこには、極めて作為的なものを感じる。
よって逮捕こそしないが、金輪際くだんの商売を禁じる！
破った場合は、そのときこそ捕まると思え……！

冒険者殿、捜査への協力に感謝する！