えおろーぐ

おう、どうした？
俺の隊商に入りたいなら歓迎するぜ！

おっ？　見ない顔だな。
もしかして、うちの隊商に入りたいのか？

なんだ、公の客人かよ！
……ふむふむ、アム・アレーンにいる仲間に会いに行きたいと。
そういうことなら、任せときな！
ちょうど次の仕入れのために、あっちにいく予定だったんだ。
一緒に乗せてってやるから、準備ができたら声をかけてくれ！

おっ、準備ができたんだな？
それじゃあ、過酷な砂漠の旅にご案内といくか！

く～っ、やっぱりこっちの気候は厳しいな！
天を光が覆おうが、昼は暑く、夜寒いのが荒野ってもんだ。
お前も、対策はしっかりしておけよ。
さて……水晶公からの紹介状によると、
お前をアリゼーがいる「旅立ちの宿」って場所まで、
連れて行ってほしいそうなんだが……。
あそこは、ちっと遠くてな。
まずは手前にある「モルド・スーク」って集落を目指そう。
俺が仕事ついでに案内してやるよ！
じゃ、お前ら、ここは任せるぜ！
よぉし、まずは南西に向かって直進だ！

ちょいと待った。
お前は、はじめてアム・アレーンに来るんだったよな？
なら、「砂の川」を渡る前に、
そこでちょっと振り返ってみろよ！

ほら、そこでちょっと振り返ってみろよ！

……でっかいだろ？
ここらにまだ「ナバスアレン」って国があったころの城、
北方を守護する「カスール・シャル」さ。
これほどの城を造れるくらいだ、
ナバスアレンは、ノルヴラント有数の大国だったらしい。
が、「光の氾濫」によって、
首都を含めた領土のほとんどが消失……。
わずかに生き残った連中も、概ねよそに身を寄せた。
今じゃもう、国はおろか、好き好んで来る奴もいない。
あの立派な城でさえ、俺たち隊商のアマロ留ってわけさ。

でもま、何事にも例外はあるだろ？
これから行く「モルド・スーク」は、まさにそんな場所だから、
少しは楽しみにしてるといいさ。

……それじゃ、再出発だ！
ここから、さらに南西へ進むぞ！

よし、到着っ！
ここがひとまずの目的地、モルド・スークだ！

この集落は、「モルド族」の奴らが仕切ってるんだ。
「光の氾濫」以降、行き場を失った人の一部が流入したから、
ヒュム族なんかも住んでるけどな。
お前、モルド族に会うのもはじめてか？
うさんくさいし、体もくさいが、いい奴だぞ！
まずは族長の「ゲーンゲン」さんに挨拶しに行こう。
俺が仲介をしてやるよ！

こちらが、族長のゲーンゲンさんだ。

ゲーンゲンさん、
こいつが今話した、水晶公の知り合いです。

モルド・スークは「モルドの市」って意味でな。
その名のとおり、今となってはアム・アレーンで最大の、
にぎやかな市場があるのさ。
ここらの鉱山で採れる鉱石はもちろん、
ほかでは見かけない、おもしろい品も出回ってる。
アム・アレーンに好んで来る奴はいないって言ったが、
ここだけは別だな！
掘り出し物を探して、商人連中が集まってるよ。

ゲーンゲンさん、それ、毎回言ってるよな！
代々の教えだったっけか？

まあ、その信念があったからこそ、
種族をとわず、難民を受け入れてくれたんだろうさ。
ありがたいことだ。

さて……これからアム・アレーンで活動するなら、
お前も、この集落の連中と仲良くなっておくべきだ。
ここでは、新顔が来たときに、
ある儀式をして信頼関係を結ぶんだが……。

……ということさ。
そして、このために使ってほしいと、
水晶公からの封書に、小遣いが入っていてな。

驚くなかれ、フッブート金貨だ！
いやぁ、俺も久々に見た！

フッブート金貨なんて高価なもの、普通は小遣いで渡さないぜ？
さてはお前……公の弱みでも握ってるのか！？

ここから見てたが、よくがんばって食べたな……。
ナイスファイトだったぜ……。

ガッハッハ！　根性あるなぁ、お前！
まあ、ローンロンが扱ってるのは、
おおむね悪いモンじゃないから、心配はするな！
さて……腹もふくれたことだし、
いよいよお前を目的地に連れて行きたいんだが……。
悪い、俺にも少しだけ時間をもらってもいいか？
このモルド・スークで、早めに済ませなきゃならない取引が、
いくつかあるんだよ。
おっ、手伝ってくれるのか？
ありがとな、そうしてくれると手早く済むぜ！
お前にメモを渡すから、
そこに書かれている3つの品を受け取ってきてくれ。
事前に代金は払ってあるから、もらってくるだけでいい。
それじゃあ、俺も自分の担当分をまわってくる。
またあとでな！

トーントンに頼んだ「食用サボテン」、
トールトルに頼んだ「鉄鉱石」。
「ナバスアレンの骨董品」については、
ミールミルに手配を依頼。
ムールムルからの受取になるとのこと。

うおっ、もしかして、そっちはもう終わったのか！？

ああ、確かに頼んだのはこれですべてだ。

いやぁ、初めての場所なのに早いもんだ！
お前のこと、水晶公と同じ出不精かとも思ったが、
こりゃあずいぶん旅慣れしてるな……？

しかし……こうなると、ちと困ったな。
実は、この店との取引で、手違いが起きててな。
これから仲介の商人も呼んで、
いろいろ問い詰めなくちゃならないんだ。
お前には、しばらく待ってもらうことになる……。

おお、テスリーン！？
ちょうどいいところに！

こいつが、お前んとこに滞在してる、
アリゼーに会いたいらしくてな。
案内したいが手が空かなくて、困ってたんだよ。

おお、そいつは助かる！

そういうわけで、一旦お別れだが、
うちの隊商は、しばらくここらに滞在してる。
お前の用事が終わったら、クリスタリウムまで送ってやるよ。

お前が無事に仲間と再会できるよう、祈ってるぜ！
また帰るときに会おうな！

よ、また会えたな。
……ただごとじゃない雰囲気だが、用事が終わったってんなら、
クリスタリウムまで送っていってやるよ。

お、おい嬢ちゃん、大丈夫か……！？
お前、泣いて…………

お、おうっ……！

無事、到着だな。
あっちでいろいろあったんだろうが……
ひとまずは、長旅おつかれさん。

夜に闇が戻ったことで、各地の需要が一変……てんてこ舞いさ。
それに、暗闇の中の移動は想像以上に危険が伴うときた。
……しかし、満天の星空ってのは、いいもんだな。

そうでなくたって、ユールモアの連中は気に食わねぇしな！
いつもいつも、こっちの足元みた取引しやがってよ！

おいおい……。
ユールモア軍がクリスタリウムに来るところを見たんだが……。
いったい、どうなってるんだ？

うおっ、お前、元気になったのか！？
こっちはずっと心配してたんだぞ……！

なに？　水晶公の話を聞きたいだって？
そうは言われても、あの人の素性については、
「お互いのために問わない」ってのが不文律だったからな。

目新しいことを知ってるとすれば、
うーん……やっぱり、ライナじゃないか？
あいつは、生まれて間もなく両親を罪喰いにやられてな。
何かと気にかけてくれた公とは……
まあ、容姿こそチグハグだが、祖父と孫娘みたいなモンなんだ。
だから、今回の件も人一倍こたえてるはずなんだが、
どうにか平静を保って「従者の門」の警備にあたってるよ。
よければ、あとで会いに行ってみるといい。

心配って言えば、アリゼーたちもだ。
前に、アム・アレーンから乗せて帰ってきたときも、
酷い顔をしてると思ったが……今回はなおのことだったぞ。

俺は、各地と荷物のやりとりをしながら、
心配すんなって励ましてこようかね……。
周りが湿気てたんじゃ、お前たちも力が出ないだろ？

うおっ！
すっかり元気そうじゃねえか！
へへっ、お前と砂漠を旅した日のことが懐かしいぜ！