えおろーぐ

皆に指名されて断りきれず、長老となりましたが……。
日々、困りごとばかり持ち込まれ……
就任と引き換えにもらった対価が少なかったと後悔の嵐です。
あぁ、やはり、茸窟いちフカフカのキノコを、
ふたつではなく、3つ……いや4つもらうべきでした。
名誉ある取引を行う機会など、そうないというのに……。

こ、困りますったら困ります！
ヒトが急に……大勢でいらっしゃるなんて……

こんな……ああ……
嬉しくて困ってしまいますぅ～！

いっ、「石の杖」ですと！
ということは、城の封印を解くおつもりで！？

こ、こ、困りますったら困ります！
そんなことをして、ティターニア様が解き放たれでもしたら、
今度はどれだけの被害が出ることか！

私たちン・モゥは、古くからこの土地に住まう妖精。
ほかの種族とは違って、ここがどれほど荒れ果てようが、
出ていくことなど考えられませぬ……。
ゆえに、罪喰いに堕ちたティターニア様を封じるときも、
私たちン・モゥが最も多くの犠牲をはらって、
がんばったのですよ！？
そ、そんなことしたら、
あなたが新しい罪喰いになるだけではないですか！
ちっとも安心できませぬ！

むぅ……これまでの取引から、
ウリエンジェ殿が善きヒトであることは、承知しております。
そちらのお方には、確かにただならぬ力があるのでしょう。
それに、あなたのおっしゃるとおり、
私たちの最愛の地から罪喰いと光を掃えるのならば、
願ってもないことです。

ただ……やはり、即決はできませぬ。
ひと月ほど、皆と話し合う時間をいただきとうございます。

い、いけませぬ、いけませぬ！
そそ、そんな、私たちに……

ヒトの手伝いを生きがいとする私たちに、
そのような魅惑の言葉は、困りますぅ～～～！！

ふぅ……ふぅ……。
私たちは、困っているヒトのもとを訪れて手助けをし、
相応の対価をもらうことを名誉としています……。
しかし、フッブート王国が滅んでからは、
そういった取引の機会に恵まれず……
久々に頼みごとなどされますと……抗いがたい……。

……わかりました。
かくなる上は、できるだけ早急にお返事することを、
お約束いたしましょう。
代わりに、結論が出るまではここに留まり、
皆の名誉になるような取引をしてやってほしいのです。

ではでは、あなたも是非、
ン・モゥ族と取引をしていってくださいませ。

そうですなぁ……
修理屋の「マーン＝オセ」など、いかがでしょう？
かつてはフッブートの騎士たちに重宝された、名職人でした。
しかし今はその腕を、キノコのようにカビさせるばかり。
ヒトと取引できるとあらば、きっと喜ぶでしょう。
……では、私は「石の杖」の件を相談して参ります。

皆との取引は終わりましたかな？

おお、戻られましたか。
皆から聞きましたよ、とてもよい取引をしていただいたとか。
私の方も、「石の杖」についての結論を、
それはもう大急ぎで出して参りました。
ほかの皆様が取引から戻り次第、お話しいたしましょう。

まずは……皆様、数々の名誉ある取引をしてくださったそうで、
本当にありがとうございました。
皆、久々に手腕を振るえて、
それはもう、ほこほこと喜んでおりましたよ！

それで、えー……
「石の杖」についての結論なのですが……。

私たちに、根本的解決の手立てがないのは確か。
ティターニア様を、永遠にあのままにしておけぬのも確か。
加えて、皆様のお人柄を加味し……

皆様を信じて、お渡しする……という結論に至りました。

どうぞ、お持ちください。
それがン・モゥ族の預かりし宝「石の杖」にございます。

よいですか、「ティターニア」とは本来、
いにしえより引き継がれし、ピクシー族の長の名です。
自然の格別なる恩寵を受けた者が、それを継いできたのだとか。
それがイル・メグ成立の際に転じて、
奔放にして混沌たる妖精たちに秩序をもたらす者……
妖精王となった。
王のもとに集いし妖精たちは、その力を強固にするため、
水に、樹に、風に……あらゆる自然と王とを結ぶ、
祝福を授けました。

罪喰いとなっても、その力は変わっておりませぬ。
討とうとすれば、あらゆる自然の猛威が、
あなた方を苛むでしょう。

ええ……。
ですので、もし戦いの覚悟が決まらないということであれば、
もっともっと、ここにいてくださってもいいのですよ？

そうです……私自身はまだ、何の取引もしていませんし……
あなた方が去ったら、次はいつヒトが来てくれるか……
そんなの待てない……困ります……ハァ……ハァ……。

あなたが去るのは遺憾ですが……
ヴォレクドルフをお訪ねになるのなら、
まず、もっとも大きなアマロに声をかけるとよいでしょう。
それがアマロたちの代表にして、宝を有している者です。
眠っているようでしたら、「セト」と名を呼べばいい。
……皆様の健闘と無事を願っておりますよ。

ヴォレクドルフをお訪ねになるのなら、
もっとも大きなアマロ「セト」に声をかけるとよいでしょう。
あるいは……ここに残ってくださっても、いいのですよ？

新たな妖精王が誕生したこと、まこと僥倖です！
我々ン・モゥは、日々、妖精王の声に怯えておりましたから。
相手が罪喰いでは、取引もできませんしね。

正常な妖精王も誕生し、世界に夜闇が訪れるようになりました。
立て続けに素晴らしいことが起きているのですが……
困ったこともありまして。
ピクシー族が、今まで以上に活気づき、
結果、よりイタズラに精を出すようになってしまったのです！
これでは草人が増えるだけで、名誉ある取引ができませぬ～！