俺の名は、アレンヴァルド・レンティヌス、
ガレアン族の父と、アラミゴ人の母を持つ混血です。
俺みたいな存在が生まれ、
棄てられていく現実を変えたいと思っています。
どうか、よろしくお願いします!
命を散らせた「暁」の仲間のためにも、しっかり戦ってみせる。
そう決意したんだ……。
俺が付いていながら、こんなことに……。
俺がついていながら……。
連中は、俺たちの知らないルートで長城を越えて、
黒衣森に潜んで待ち伏せしていた……。
完全に計画的な攻撃だった……。
襲撃を受けて、髑髏連隊の隊長と相対したとき、
俺は視たんだ……彼女の過去を……。
過去を幻視するときのエーテル酔いに似た感覚で、
反応が鈍った隙を、突かれちまった。
アラミゴ人からは売国奴と、生粋の帝国人からは蛮族と罵られ、
帝国軍の中で権力を得ようと、必死に足掻く彼女の姿だ……。
過去の情景の中で、フォルドラはゼノスから命じられていた。
名指しで「暁」のクルル・バルデシオンを捕らえて来いと……。
今回は、その隙を敵に利用されちまったんだ。
すまない……。
戦える状況ではないが……。
この一戦、絶対に負けられないな!
もう誰かに庇われるのも、誰かを失うのもごめんだからな。
騒がれる前に、黙らせてしまうんだ!
よし、斥候部隊を蹴散らしたぞ!
カステッルム・ベロジナへ急ごう!
残留していた帝国軍の防衛部隊だな!?
こいつらさえ蹴散らせば!
それなら、俺たちはピピン少闘将の手伝いに回るよ。
なんでも、怪しげな人影が目撃されたそうでね。
ヒューラン族とララフェル族のふたり組らしいんだが……
帝国兵の可能性もあるから、これから捜索に向かうそうだ。
ガレアン族との混血である俺にも分け隔てなく接し、
いろんなことを教えてくれたんだ……クソッ!
ガレアン族との混血である俺にも分け隔てなく接し、
いろんなことを教えてくれたんだ……クソッ!
コンラッド隊長の弔い合戦なんだ……
絶対に勝利をッ!
コンラッド隊長の弔い合戦なんだ……
絶対に勝利をッ!
かなりの激戦だったよ……。
だが、アラミゴ攻めは、その比ではないだろうな。
絶対に仲間を助け出してみせるさ!
さすがは[player]……よくぞ助けてくれた。
俺からも礼を言わせてくれ。
いよいよ、最後の戦いだって、みんな燃えてるからな。
こっちのことは任せてくれよ。
アルフィノも気を付けてな……!
護衛していた俺の責任だからな……。
無事でいてくれて、心底ホッとしたよ。
いろいろと教えてくれた、このふたりのおかげさ。
本当に感謝しているよ。
ちょうど探していたんだ。
なに、悪い話じゃないって……ただ、ちょっと場所を変えたい。
少し付き合ってくれないか?
その前に、ひとりの冒険者だろ?
悲願だったアラミゴの奪還にも成功し、
帝国との戦いにも、ひとつの区切りが付いたんだ。
そろそろ冒険にいそしむのも、悪くないと思わないかい?
アルフィノを交えて三人で、挑戦してみようぜ!
そうだな……
エーテライト・プラザ付近で待っていてくれないか?
また、あとでな!
ここからは、ちょっとしたアラミゴ史のお勉強だ。
少しばかり眠くなるかもしれないが、よく聞いてくれよ?
当時、王政だったアラミゴには、テオドリックという王がいた。
国教だったラールガー星導教のモンクたちと対立し、
ラールガーズリーチを焼き討ちしたのも、廃王テオドリックだ。
そのうえ、晩年には自分の王位が狙われているのではないかと、
極度の疑心暗鬼におちいったそうでな……。
片っ端から、王位継承権を持つ王族たちを処刑していったらしい。
その際、処刑の対象となった王族たちの財産は、
王に没収され、アラミゴ王宮に持ち去られたと言われている。
これが「廃王の黄金」伝説だ。
アラミゴが奪還された直後、かなりの人数の闘士たちが、
財宝を手に入れようと王宮内を捜索したらしい。
ところが、夜通しの家捜しにもかかわらず、何も発見されず、
「廃王の黄金」伝説は、あっという間に萎んでしまったのさ。
なっ、俺たち三人で「廃王の黄金」を探してみようぜ!
たとえ見つからなかったとしても、
息抜きの冒険と思えば、問題はないだろう?
ガムシャラに王宮を探しても、効果は薄いはずだ。
やっぱり、地道な聞き込みで情報を集めるしかないだろう。
それじゃあ、情報収集が終わったらアラミガン・クォーターの門、
「ギルバルド門」の辺りに集合ってことで……行動開始だ!
集めてきた情報を共有しようぜ。
王宮の地下に、罪人を収容するための監獄があったと言ってたな。
でも、怪物の話なんて聞かなかったぞ?
エルノルドって人が、ホラ話をしたってことか?
……証言者の怯えようからすると、
嘘だとは思えないって?
だが、この情報は、参考になりそうにもないぞ……。
俺の父親は、帝国軍に所属していたガレアン人だ。
アラミゴ人の母にとって、望まぬ子だったと言えば、
細かい事情までは話さなくてもわかるだろ?
そして、成長するにつれ、ガレアン族の特徴である、
第三の眼の徴候が出てきた俺を見て、母はナイフを手にした……。
俺の顔の戦化粧は、その時の傷を隠すためのものでもあるのさ。
結局、母に棄てられた俺は、
アラミゴ市街地の裏通りで、孤児として育った。
物乞い、盗み、そして強盗……生きるためには何でもしたよ……。
だが、そんな生活に嫌気が差して、故郷を出たんだ。
亡命希望者の一団に紛れて長城を越え、冒険者になって……
流れ流れて「暁」に身を寄せることになった。
ともかく俺は、誰よりも、
貧しさが人を変えちまうってことを知ってるつもりだ。
飯のために、罪のない人を襲うなんて、
情けなく恐ろしい行為に手を染めた俺だからこそ……
貧しい同胞のために、財宝を手に入れたいんだよ!
「廃王の黄金」の在処をな!
怪物を地下に解き放ったってことか!
お宝を見つけられなかった理由にもなるな!
アレンヴァルドの声
それから、どちらが先にお宝を見つけるか……競争だ!
な、そうだろ?
俺たちの冒険は、大成功だ!
気味の悪い生物がウヨウヨいてな。
ちょっとした冒険だったぜ。
モフモフの死霊を目にした時のアルフィノの動揺ぶりさ。
聞いてくれよ、[player]!
「廃王の黄金」を発見したってことを、
リセに報せてやらないか?
[player]が見つけた、ある物についてね。
貧しさに苦しむアラミゴの人々のために使ってもらいたいんだ。
アルフィノに「廃王の黄金」を元手にした支援策について、
検討してもらいたいんだが、どうかな?
俺は、細かいことが苦手な性分だし、何より学がない。
単に金をバラまくだけじゃ、問題が解決しないことはわかるが、
具体的にどうすればいいのかまでは、頭が回らないんだ。
いい気持ちのする言葉じゃあないぜ……。
俺は戦いの最中で、彼女の過去を垣間見ているんだ。
彼女がやってきた行為は、もちろん許せないものだろう。
とはいえ、生まれついた時代に翻弄された部分だって、
確かにあったはずだから……俺は…………。
だけど、自分から処刑を求めるなんて……。
今さら、本音を隠そうとするなよ!
アンタは、冷酷だったけど、馬鹿じゃない。
すべてを投げ打ってでも、未来のため自由を掴もうとした!
それが、仲間の死を踏み台にすることだとしても、
アンタの決意だけは、誰がどう言おうと本物だったはずだ!
自分が憎しみを背負って処刑されれば、民衆の心は団結する。
だから……!
服なり毛布なりを使えば、首だって……!
それをしないのは……!
だって俺は……!
ただ、同じアラミゴで生まれた同世代のひとりとして、
他人事とは思えなかったんだ。
だけど、俺としては新しい疑問が生まれちまった。
ところが彼女の苦しみようからは、どうもかなり頻繁に、
他者の過去を視ているように感じられた……。
力を得ようとしていただなんて……。
他人の人生の一部を追体験するようなものなんだ。
大きな影響を受けることも少なくない。
その意味を、考えさせられるよ。
アラミゴの情勢が落ち着いたらどうするつもりなんだ?
不滅隊の局長ではあるが、彼はアラミゴ出身だろう?
これまで通り冒険者としての暮らしを続けるつもりだ。
生まれ故郷には、あまりいい想い出がないもんでね。
ナナモ様との面会は、どうだった?
恥ずかしい話だが、俺は計算が不得意なもんでな。
今度、アルフィノに教えてもらおうか……。
[player]もいっしょにいたとは好都合です。
実は、正門前にアナンタ族の一団が来ましてね。
それも、解放軍に協力していたウィルラ派ではなく、
蛮神召喚を行った、カリヤナ派だっていうから大騒ぎで……。
例の代表者会議に、出席したいと主張しているらしいです。
今、リセたちが対応していますが……。
代表者会議という名は、ただの飾りになっちまう。
暫定政権としては、受け入れるしか選択肢がないよな。
「アラミガン・クォーター」に集まってもらうようにするよ。
[player]は、先に向かって待っていてくれ。
王宮の裏門に通じる階段があるから、そこに向かおう。
警備の「アラミゴ解放軍の衛兵」に伝えれば、通してくれるはずさ。
「アラミゴ解放軍の衛兵」に声をかけて、通してもらおうぜ。
だけど、あれだけの人たちを守りながら、
蛮神と戦えるのか……!?
く、くそぉ……弱気になるな、俺ッ!
こっちには、[player]もいてくれるんだ!
やってやる……やってやるぞッ!
じ、準備、いいよな!?
[player]、俺たちでみんなを護るぞ!
ようやく掴んだ自由を、手放すものかよッ!
守り切れなかったなんて…
このままじゃ、護りきることなんて……!
クッ……このままじゃ……!
ア、アンタは……!
みんなは今のうちに退避を……!
リセたちを、テンパードにするつもりか!?
だが、大丈夫なのか?
いまひとつ覚えていないくらいだよ……。
助かったけど、いったいどうやったんだ?
フォルドラと面会してきたんだ。
一応、助けられた者として、礼がしたかったからな。
とはいえ、ロクに口を利いてもらえなかったよ。
お前と話すことなどない、だとさ。
俺は、食らい付いていくのに必死だっただけさ。
すごかったぜ、本当にさ。
百戦錬磨の猛将が仲間に加わったんだからな。
[player]がいなくても、蛮神と対抗できるよう、
モルバやマハに手伝ってもらって、鍛錬するつもりさ。
東方に出立する前に、浮力が得やすいロッホ・セル湖で、
水泳の特訓に付き合ってやったんだが……。
まったく、俺に何も言わずに行っちまうなんて……
帰ってきたら、星降りの池にでも突き落としてやる。
俺は俺で、自分にできることで貢献していくつもりさ。
既知の蛮神への対応は、俺たちに任せてくれ。
お前が戦場で倒れたって聞いて、心配してたんだぞ!
とにかく、もう大丈夫そうで安心したよ……。
俺たちは、既知の蛮神への対応を進めている。
各国の軍勢が、国境地帯に戦力を割かれているぶん、
「暁」に求められる役割は、より大きくなっているからな。